海賊
その後も女神様の訓練でダイチとアズミは精霊との対話を行い力をつけていった。
マオもダイチとの組手や、高速移動をしてアズミの的になる等手助けをしていた。
更に、時間を見つけては釣りをして食料調達も行った。大海原の中から、大きな魚を見つけるのも容易になり、どの魚がお腹を空かせているのか等もわかるようになっていた。
また、自己強化魔法として『ディフマ』も覚えた。これは、自分の防御力を上げる魔法だ。
アズミに関しては『スピマ』も覚えた。
女神様やシンジとも一緒に過ごしていく内に仲良くなった。
船に乗って20日くらいが過ぎた頃、この船に攻撃をしてくる船があった。海賊だ。
「ヒャッハー!! こんな所に東の民の船があるぜ! 金目の物と女を寄越せ!」
随分とゲスい奴らだ。
矢や大砲の弾が飛んできた。
『バリア』
シンジがバリアを張ってくれた。矢も大砲もバリアに阻まれて船までやってこない。
すると、船が体当たりしてきた。
さすがにバリアは壊された。
そして、海賊船の乗組員がこちらの船に乗り込んできた。全員サーベルを持っている。
シンジは魔道師だ。なかなか船の上では派手な魔法を使えない。
『バフオール』だけはかけている。これは、魔道師が使える上級魔法だ。マオに挑んできたアツシのパーティーも使っていた。味方の全能力上昇と敵の全能力を低下させる。
ダイチとアズミが冷静に対処し、乗り込んできた敵をどんどんとやっつけていく。
「素晴らしいですね。一ヶ月間鍛えた甲斐があります。この人数をたった二人で対処するなんて。マオさん、私達は相手の船に乗り込みましょう。船長を逮捕します。」
マオと女神様が船に乗り込む。海賊が次々と攻撃を仕掛けてくるがマオは女神様を守りつつ全て対処した。
そして、船長と対峙した。
「あなたは、有名な海賊『カロス』ですね。」
「いかにもそうだ。だったらなんだよ! 」
「貴方を冒険者ギルドの名に於いて逮捕します!」
「ほほう。面白い。できるものならやってみろ。」
「マオさん、殺さないように手加減してあげてね。」
「わかった。」
「舐めた事を言う女達だな……ってあれ? いてててて…腕が……やめて……あっ!!」
マオは、カロスの腕後ろで固めた。関節技というものだ。
「まあ。マオさん。凄いですね。簡単に大人しくさせましたね。」
「いてててて……やめてくれ。放してくれ……」
「とりあえず、カロス。逮捕します。」
「ふふふ。おまえたちは何もわかってねぇな。後悔するぜ。」
カロスは何か意味深な事を言っていた。女神様は、袋の中から手錠を取り出してカロスこ手を後ろに縛った。
「みなさん! 船長はもう取り抑えました。船長を殺されたくなければ、攻撃を止めてください。」
女神様、怖いことを言うなぁ。
海賊達はおとなしくなった。
カロスを連れて船に戻ると誰一人として、海賊達の船室への侵入を許していなかった。ダイチとアズミの二人だけでよくここまで守れたよ。
そして、海賊達全員に手錠をかけて二つの船を交代で操縦しながら船を進めることにした。
そんなハプニングがあっていよいよダイチの月光拳の訓練が始まった。
「そういえば女神様『月光拳』は?」
ダイチが聞く。
「今のダイチさんには少し早いですが、仕方ないですね。教えましょうか。それがないとなかなかレイスと闘うのは難しいでしょうから。」




