生まれ変わり
「あくまでもヒトミ教の言い伝えなんだけど、俺たちの住んでいるこの地は丸いだろ? 実は宇宙っていう大きな空間の中にあるみたいなんだよ。夜、空に星が見えるだろ? あれって全部丸いらしいぜ。別の星から見たら、この地もあんな風に見えるらしいんだよ。それで、宇宙って空間には色んな星があって、今居るこの星はかなり辺境らしい。ここまで着いてこれてるか?」
「あっ……うん。なんとなく孤児院で習ったよ……でも、この星が辺境ってのは始めて聞いたよ。」
ダイチが答えた
正直、マオはわけがわからなかった。宇宙?何それ?
「星って、死んだ人や魔物の魂が浮いてるんじゃないの?」
「マオちゃん、その考えも一理あるんだよ。死ぬと色々な星に魂が移動するからね。そして、各々の魂が割り当てられた星から通常は『アガダ』って所にワープするんだ。そこで、魂は生き返られるかどうかの試験を受けるんだよ。」
「生き返る?」
「生き返るって言っても生まれ変わりだよ。また赤ちゃんからだし、人間に生まれ変われるとも限らない。魔族になってしまう可能性もあるよ。」
やっぱり魔族は嫌だよね……
「あれ? マオちゃん、魔族と聞いてちょっと嫌そうな顔したけどどうしたの? 魔族に何かされた過去でもあるの?」
「う……うん。そうなんだ。大事な友達を赤目の獣人に……」
そう。マオが魔族なんてこんな所で言えない。まだ
アズミにも言っていないし。
「それはお気の毒様だね。魔族は本当悪いことしかしない種族だからね。」
「店長、魔族にも誰も殺さないように気をつけて過ごしたり、人間と仲良くしようと頑張ってる魔族もいます。僕は、魔族と人間が仲良くできるような世界を目指して旅してます。」
すると、アズミが口を開いた
「ダイチくん、それは無理だよ。だって、魔族だよ? あいつらに心なんてないよ。協調性なんてないよ。連携してる魔族見たことあるの?」
「アズミ……あるよ。アズミもきっと見ることになると思うよ。そんな魔族を。」
「えーそうかなー? マオさんどう思う? ダイチの話。」
「マオは、ダイチと同じ意見だよ。マオも人間と魔族が仲良くなる世界を夢見てるよ。でも……」
「でも、何? マオさん!?」
マオはそれ以上言えなかった。人間と出会う迄連携なんて知らなかった。魔族は実力が全てだった。一度マオに負けたらもう挑戦しようとする心もなかった。連携出来ない。心がない。それは完全に図星だった。
マオだけなんだよ。ダイチが見た連携出来るような心がある魔族なんて……マオは人間になりたいよ……
「ほら、マオ……ミスズ川に連携できる魔族居ただろ?」
思い返してみるとそうだった。ミスズ川の魔族はミスズの指示に従い連携していた。心もあった。
「そうだね。確かに。あそこの魔族は特別だったね。」
「特別なんかじゃないよ。ちゃんと、教育されたらあんな風に連携もできるし、心も豊かになると僕は思うよ。だから、魔族と仲良くすることは可能だよ。」
そうかもしれない。マオは暫く考えた……
魔族に教育……? 本当にそれで魔族に連携や心ができるのか……?
そういえば先代魔王のゴルオンは、魔族の為に……
「ねぇ、マオさんどうしたの? さっきから考え込んで。」
アズミが話しかけてきた。
「いやっ! 何でもないよ。」
何か大事な事を思い出しそうになったけど、忘れた。
そして、再び店長が口を開いた。
「まあ、みんなそれぞれの思いがあって旅をしてるんだなぁ。えっと、俺の話の続だけどどこまで話したっけ?」
「魂が生まれ変わるって所だよ。そういえば、その生き返りの試験に合格しなかったらどうなるの?」
ダイチが聞いた。
100話を記念して人気投票を行います!
よろしければ、是非とも投票お願いします。
リンクはこの後書きの下に表示されます。




