最近妹の距離感が近すぎて困る
「はぁ⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
俺は現在悩んでいた。俺の名前?佐藤亮之助高三だけど?進路にアンニュイになってたのかって?違うわ!!じゃあ何に悩んでたのかって?そりy
「義兄さん」
「ん、あぁ、鈴か。こんな所でどうした?」
そう、今俺に話しかけてきたこの儚げかつザ・清楚な見た目の二歳年下の妹が俺の悩みの種だ。
ははぁ、シスコンなんやな?って思っただろ?いや違うんだよ、違わないけど違うんだよ。
「家に帰ろうとしたら義兄さんが居たので早歩きで来ました」
「早歩き!?大丈夫か!?」
「もう、別に私でもさすがに早歩きくらいは平気な、は、ず」
「途中で自信なくなってるじゃん」
「そんなことより義兄さん、今日も一人なんですよね?しょうがないから私が一緒に帰ってあ(その友達は)げますよ」
妹は仕方なさそうに言って手を差し出してきた。そして、俺はその手を握って家までの道を歩き始めた。やっぱシスコンじゃねぇか!って?ちゃうねん。問題はその次元を超越しとるんや。英語で言うとオーバーカムなんや。
妹に、俺は性的に興奮している。あーーーー!!逃げないでぇぇぇぇ!!違うのちゃんと続きあるから!!実は俺女性恐怖症なの!!信じて!
そうあれは遡ること七年前、授業中に俺は隣の席だった女子が落とした消しゴムを拾おうとしたんだ。でも無理だった。なんか消しゴムが急に不潔な物に思えてきたからだ。それ以来俺は女子の物にすら触れなくなった。それなのに、妹だけは平気なのだ。
「さん──義兄さん!!」
「おぉぉ、どうした?」
「さっきからずっと呼んでたんですけど」
「ごめんごめん。で、何の話?」
その後、俺達は無事に帰宅し、ご飯を食べて風呂にはいって寝た。
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ふふふ、義兄さん義兄さん、大好きです。ちゅっ。今日で19562回目ですね」
俺が寝ている間にこんな事が起きていたとは知らずに、ね。
翌日
「おはようございます、義兄さん。今日もお寝坊さんですね」
「おう、おはよう。って8時!?間に合わない!!」
「義兄さん、今日は土曜日ですよ?」
「はっ、そうだった。でも約束があるんだよ!!」
俺がその一言を発した瞬間空気が凍った。だが、すぐに元に戻った。気のせいだったみたいだ。
「あぁ、今日もリハビリですね。頑張ってください」
「あぁ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
俺はリハビリに向かった。リハビリとはなにか?それは女子と接する練習である。俺は女子に触れないだけで、好きなのは女子だ。だからこれはかなりめんどい。ゆえに幼馴染のアイツに練習台になってもらっているのだ。
ぶっちゃけて言うと幼馴染の事が好きだ。でも、性的に興奮できないから頑張って性癖を調整しているっていう状況が続いている。早く何とかしたい。でも、今日は何か行ける気がする。よし!やるぞ!!なにをって?告白だよ!!
「ごめん。今はそういう気分じゃない」
「そ、そっか。ごめん」
結論から言おう、断られた。悲しい。しかも断られてからというもの道行く女性全員が怖い。
「あ、義兄さん!!お帰りなさい」
「あぁ、ただいま」
「こんなに青い顔をして⋅⋅⋅⋅⋅⋅辛い事でも有ったんですよね?⋅⋅⋅⋅⋅⋅いや、言わなくていいです。大体分かりますから」
そう言って妹は俺を抱き締めた。やめろ!マジでそれはヤバイから!!
「義兄さん、知ってますか?私と義兄さんって血、繋がって無いんですよ?」
「嘘だ」
「ほんとですよ。家の母親は今の父と離婚して他の男と結婚した後に父と再婚しましたから義兄さんからしたら義理の妹って事になりますね」
妹が、衝撃の事実を告げた。それはつまり俺と妹は結婚できるという事だ。それがどうだっていうんだろう?
「私は義兄さんがかわいそうでかわいそうで仕方ないです。今日もどうせなにもなかったんでしょう?今日の服装は義兄さんなりに頑張ったのかもしれませんが⋅⋅⋅⋅⋅⋅はっきり言った似合ってませんよ。義兄さんはどちらかとうと真面目な顔立ちをしてるのにそんなルーズな服はアウトです」
「うそ、だろ」
「まぁ、私はそんな義兄さんが大好きなんですがね。大体あの幼馴染なんて私の代替品でしょう?代替品の分際で義兄さんを悲しませるなんて、最低です。これからは私がずーっと一緒ですよ。義兄さんがずっっっっとしたかった事だってし放題です。あ、そうだ!!私とこれから一緒になるんですからあの女は要りませんよね!?今すぐ連絡先を消してください。この際です。元々持ってた連絡先も消しちゃってください」
「さすがに友達はちょっと」
「その友達っていうのは義兄さんが女性恐怖症を伝えられすらしなかった方々ですよね?どうせ裏切ります。すぐに消してください。後、お前らとはもう付き合い切れないと送ってください」
「そ、そんな」
鈴が俺の耳元に顔を近づけてきた。そしてぞっとする程低い声で声でささやいた。
「やれよ」
俺は震える手でスマフォの連絡先を消してやチャットアプリを開いた。
「手が震えてますよ?しょうがないですねぇ。私が代わりにやってあげますよ」
そして鈴は俺からスマフォをひったくってチャットを打った。そして、最後にそのアプリを消して俺に渡してきた。
「怖がらせてごめんなさい。でも、大丈夫です。これからは私があの人達の代わりに義兄さんもずっっっっっといっしょに居ますから。安心でしょ?」