95話 勝って負けて
いつもお読み頂きありがとうございます!
今話で、四章終了になります!
神級魔法がぶつかり合った事で、途方もないエネルギーが生まれ暴風が巻き起こり、竜巻が発生し周囲を吹き飛ばしていく。
空は暗闇に染まり、雷鳴が鳴り響き、地割れがおきて足場が無くなろうが、目の前の敵を倒す為に魔法行使をやめない。
「はあああああああーー!!」
「おおおおおおおおーー!!」
己の全ての力を絞り出す様に、この魔法に全神経を集中して、より威力が上がるように魔力を上げて強化していく。
「はあああー!! おまえは、ここで倒す!」
一瞬でも気を抜くとこの魔法に殺される状況で、意識を集中していく。
この魔法の撃ち合いを制した未来をイメージしながら、少しでも多くの魔力を魔法に転換する。
そうすることで、この勝負に勝つことが出来るとの手応えも感じていた。
俺はこの戦いをとおして、この能力の効果を大体だが把握することができた。
それは。
ある程度まで俺がイメージする結果になる能力。
ドレアムの魔法を弱めようと思えば威力は弱まり、俺の魔法の威力を上げたいと思えば、上がっていく。
奴よりも素早く、有効的に動こうと思えばその通りに動くことが出来た。
そして、このスキルは他の者には発動しなくてコイツにしか使えないことも。
それでも全部を把握出来たわけではないから、もしかしたらまだ他にも効果はあるかもしれないけど。
このスキルの力もあり、この戦いを優勢に進められ魔法のせめぎ合いも俺が撃ち勝った。
「ぐおおお! 俺が撃ち負けるなど……バカな……――――!!」
ドレアムは自分が負けることなど信じられないといった表情で、規格外の魔力の奔流にのまれ倒れた。
近くまで近寄り、状態を確認すると。
神級魔法をその体に受けて、その体は半分以上が消失していた。
ステータスを確認すると、魔力もHPもほとんど残されていない。
「……ぐうううっっ! ありえん…………よもや、やられるとは……」
「はぁ……はぁ……はぁ! 自分の力を過信しすぎなんだよ。ばーか。人間なめやがって」
撃ち合いに勝てたけど神級魔法は疲れる。
たった一発撃つだけで、俺の魔力総量の半分近くまで消費してしまった。
「…………貴様がおかしいのだ。これだけ急速に成長する……貴様がな。だが…………クックック……」
突然気味の悪い笑い声をあげた。
「試合には負けて、勝負に勝つとは良く言ったものだな。
もう、いいだろう。
よし、やれ!」
何だ? 何を言ってるんだ?
コイツの言ったことの意味が分からない。
「……お前はなにを言ってるんだ? ――――っ!」
ドレアムに問いただそうとすると、トランスヴァールの方角から恐ろしいほどに邪で、圧倒的な力が解き放たれるのを感じた。
寒気がするほどの強大な力は、空を貫く様に真っ直ぐな黒色の光になったかと思うと、雲を割り北の方角へと飛んでいくのが見える。
「何だっ!? あの魔力は……」
あの光からはとてつもない力を感じた。
「クックック! ……ハッハッハッー!! よもやここまで、上手くいくとはなぁ! 我ながら、笑いが止まらん!」
「……どういう意味だ?」
「貴様は、何故俺がトランスヴァールの結界を破壊させたのにも関わらず、国王と兵を生かしていたと疑問に思わなかったのか? ハーブ村の者は早々に処刑したのにな?」
「……まさか……」
「そうだ! 国王達にはまだ役目があるからこそ生かしていた。
その役目とは……封印の石碑を破壊させること。
俺は貴様に言った筈だぞ? 国王と数人にも洗脳を施したと。せっかく気付けるチャンスを与えたのにな……愚か者め!
貴様の失態のおかげで、ここに、神は復活をなされたーー!!
クックック、アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッーーーー!!」
ドレアムの高笑いが響き渡る中、復活を阻止出来なかった現実に俺は拳を握り締めていた。
お読み頂きありがとうございます。
(*- -)(*_ _)ペコリ
前書きにも書いてますが、四章最前線編が終了になります。
ここまで、お付き合いして頂き本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
当初よりも、話数が多くなってしまいましたが、書きたい事は書けたので満足です。
さて、次話からは、最終章が始まります。
この「転生したら世界を救って~」も、物語の完結に向かいます。
最後までの、構想やストーリーも決まっていますが、これを書きたいとか出てくれば追加で付け足してしまうと思うので、そこそこの話数にはなると思います。
でも、最後ということでここまで、お付き合いしてくださった方々をガッカリさせないように、走り抜いて参る決意です!
何卒、どうか、最後までもお付き合いして下されば幸いです(*≧∇≦)ノ




