63話 情報の擦り合わせ
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最前線へと向かう船の中で、ラカンさんから細かい戦況を聞いていた。
情報は大事だし、何か不穏な動きがあれば気付けるかもしれない。
その上で今のうちにお互いの情報の擦り合わせをしておく。
先ずは、ラカンさんのステータスを確認させてもらった。
ラカン・バーゼル
バラガン公国、戦士隊副隊長
レベル68
スキル 魔力操作(上~上の上)、近接戦闘(上~上の上)、後衛魔法(上~上の上)、サポート魔法、指揮能力
流石、精鋭部隊の副隊長だな。
かなりの強さと、練度だ。
副隊長でこの強さなら、隊長達は本当に強いんだろう。
四天王を押さえ込んでいたなら、それぐらいの強さは必要か。
「ありがとうございます。副隊長クラスはラカンさんぐらいの実力は持っているんですか?」
「ああ。俺と同等ぐらいは皆持っている。
隊長クラスは当然、俺よりも強い」
「分かりました」
「次は貴公達の、戦力を確認しておきたい。四人パーティーみたいだが、それぞれの特徴を教えて欲しい」
ラカンさんに改めて自己紹介と、全員の戦い方から、スキル等を伝えた。
知っておいてもらった方がスムーズに、連合軍に取り組んでもらえると思い、レベルも教えた。
現段階の俺達のステータスは。
アルフィン・ライゼ・トランスヴァール
トランスヴァール皇国王女、魔王軍治癒術士
レベル72
スキル 治癒魔法(特の上)、サポート魔法(特の上)、攻撃魔法(中~上)、身体能力強化(中)、気配察知、同時魔法行使
シズク・ナナクサ
聖樹教会騎士、魔王軍騎士
レベル75
スキル 剣術(特の上)、近接戦闘(特の上)、中距離戦闘(特)、身体能力強化(特の上)、縮地、気配察知、調整(破邪)、破魔(完全体)
ナエ・オサナギ
ガルカリ村の村民、魔王軍魔術師
レベル60
スキル 魔力操作(上の上~特)、魔力耐性(特の上)、遠距離魔法(上の上~特)、潜在魔力(特)、収束(未完成)
タクト
限りなく大魔王
レベル86
スキル 魔力操作(特の上)、近接戦闘(特の上)、ステータス表示、経験値ブースト、縮地、限界突破、クリエイト魔法、気配察知、結界、鑑定、???(現在使用不可)
「……かなりの強者だとは、雰囲気で分かってはいたが。
……まさかここまでとは。一人一人の練度も、隊長達と遜色ない。
それに、貴公の力であれば、もしかしたらドレアムに対抗出来るかもしれない」
「ドレアムは四天王最強だと聞いています。実際に戦ってみないと、何とも言えないですね」
ドレアムがどれだけの強さか俺は知らない。
だからやって見なくちゃ分からないけど、ゲラルドとは、一回やりあったから強さは把握している。
四天王と呼ばれるだけあって、確かに強かった。
ドレアムはその四天王で最強ということだから、とんでもない強さなんだろう。
それと、他の四天王の情報も不足しているので、ゲラルド以外の、四天王の姿形から戦闘での情報も聞いておいた。
「ジャギは、後衛魔法が強力。
全属性に、複合魔法の特級クラスを使いこなす」
見た目は12歳ぐらいの少年。
これはナエと戦ってもらうことになるか。
「デスタは、近接戦闘、後衛魔法と両方強力。
近接はゲラルド、後衛はジャギには負けるが、戦場を自由自在に動き回る厄介な相手。それに、サポート魔法も使いこなす」
見た目は細身の長身の男。
こいつの相手は、どうするかな。戦況次第か。
「ドレアムは、洗脳や、毒といった妨害魔法は確かに厄介だが、奴の最たる恐ろしさは、その戦闘力にある。
奴は今まで、一度も全力を出していないが、それでも隊長達が束になっても勝てない。
その頭脳からくる、策略も厄介極まりなく、気付いた時には向こうの有利な状況にされていた」
見た目は黒と金色の甲冑を着た男。
改めて聞くと、とんでもない奴だ。
俺達も絶対に勝たないといけない相手だけど、良くこんなのに勝てたなユーリ達は。
「情報ありがとうございます。残りの四天王の情報を聞けて良かったです。今の話を聞いた感じだと、ジャギの相手はナエにお願いすると思う」
「うん。やるの! 悪い人は成敗するの」
「ナエもかなりの成長をした、勝つまでは厳しいかもしれないが、それでも充分対抗出来るはずだ」
「厳しい様なら、俺やアーロン皇帝と共闘出来ればと思う」
「その時はお願いします」
「シズクには、ゲラルドの相手を頼む。
今日まで、アイツを想定して、模擬戦闘も散々やって来た。
もう今のシズクならば、負けないよ」
「はい、こちらは任せてください。私の全力で存分に戦わせてもらいます」
「アルフィンは、戦闘が始まれば多分一番忙しくなると思う。
傷付き倒れた人も大量にいるだろうから、その人達の回復と状況を見て、サポート魔法の連発をお願いすることになると思う」
「お任せください。わたくしも又、今日まで鍛えて参りました。必ずやタクトさんのご期待に応えてみせますわ」
「皆頼む。俺はドレアムが出てきたら、アイツの相手で手が離せなくなると思うから」
「その辺のサポートも、我々で何とかしよう。
四天王さえ抑え込めれば、魔物は驚異にならん。
その一番厳しい所を貴公達に頼めれば戦況を一気に建て直す事も可能」
「俺達はその為に、ここに来たんです。
まずはこの戦況をこちらに有利にしなければいけません。
それから一度、隊長達と主戦力とで、この先の事を話したいと思います」
「分かった。建て直しが出来ればそれも可能だろう。
俺が場を受け持つから安心して欲しい」
それから、更に細かく話を煮詰めた。
その間も一刻も早くに辿り着く為に、船を最大速で移動していた。
必要な情報を聞き、対策を話し合う内に北大陸まで到着した様だ。
「見えてきたあれが北大陸。数えきれない程の魔力圧力を感じる。それだけの数が戦っているのか」
「何万人規模の大戦だ。そして魔物の数も膨大。
正直、戦力は数が足りないのが現状だ」
「負傷者も、それだけの数が出るということですから心配ですわ」
「そうですね。そして尊い命がどれだけ失われたか。
その事を考えると、胸が締め付けられます」
「もうこれ以上、悪いことは許さないの。
悪いことはしちゃメッなの」
皆もこれ以上は、被害を増やさせないと決意をした顔をしていた。
「それじゃあ、北大陸に乗り込もう」
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