53話 エリス王国
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ナエの頑張りのお陰で、この大陸にもワープの石盤が復活した。
これからは、中央大陸と、南大陸へとワープで移動できるようになったわけだ。
もっと、石盤の数を増やして、色んな場所にワープをできる様にしたい。
エリス王国の近くにある『聖なる洞窟』には石碑と石盤の材料のホーリークリスタルがある。
それさえあれば、ワープの石盤も作成出来るようになるから、今後はそれを設置していけるようになる。
何処かのタイミングで、洞窟にもいかないと。
先にアリサ女王にお会いしてからかな。
洞穴で休憩をしている間に、天候が安定してきたので、この間に、飛翔魔法で一気にエリス高山を下り無事に山越えができた。
山を降りる時、ここから少し離れた所に、街があるのが見えたけどあれがエリス王国か。
空中から、ゆっくりと地面に降りて一息つく。
「ふぅ。無事にエリス高山を越えられた」
「タクトさんお疲れ様でした。疲れてませんか?」
頂上付近からずっと魔力を展開していた俺に、アルフィンが心配してくれる。
「ありがとう。大丈夫だよこれぐらいは」
「あたしも、魔法で空を飛んでみたいの」
ナエが魔力を高めて体を浮かべようとするが、ほんの少し浮いたぐらいで地面に足が着く。
「ナエが出来るようになるには、まだ鍛練が必要かな」
「頑張るの。早くビュンビュン飛んでみたいな」
「私は魔力操作が苦手なので、こういう魔法の利便性を見ると、羨ましくなります」
「シズクはその分、近接戦闘や専用スキルが強力じゃないか。
それにこればかりは、それぞれに得意不得意があるからね」
そう。それぞれに足りない物があれば補い会えばいい。
クリスタを出発する前に考えていた、理想のパーティーは、着々と出来つつあった。
アルフィンが、治癒魔法と、サポート魔法、中級魔法も使える後衛のスペシャリスト。治癒魔法は、対ハーディーンの奥の手にもなる。
シズクが、近接、中距離戦闘のスペシャリスト。専用スキルの破魔が強力で、現段階では、俺以外で四天王に対抗出来る様になった。
ナエが、攻撃魔法のスペシャリスト。ほぼ全ての属性魔法の上級が扱える。更にこれからの成長を考慮したら特級魔法も扱える様になるだろう。専用スキルの収束も完全に物に出来れば、四天王に対抗できる。
俺は近接戦闘、後衛魔法と両方鍛えて、ユーリが言っていた魔法拳士として完成形に近づいている。
俺にはまだ、判明していないスキルが一つあるけど、それがこれからどうなるかで、ドレアム、ハーディーンに対抗する術が増える。
でも、一つだけ確実なのは、日々俺達は強くなっていると言うこと。こないだは俺の未熟な心故に、焦っていたが。
でもこれからは、共に成長して、共に戦っていこう。
決意も新たに、エリス王国に向けて歩いていく。
険しい雪山を越えて、歩くこと30分。
エリス王国に到着した。
エリス王国は雪景の街。
外からでも見える建物の屋根には、分厚い雪が積もっている。
街全体に傾斜があり、なだらかな坂の上には高い建築物と、城も見える。
街の入口にいる門番は武装した上に防寒具を着ていて、隙間から見える頬は赤くなっていた。
この冷たい風にあたり警備をしなければいけないし、この寒さだからなぁ。
手袋がなければ手が悴んでしまう。
気をつけないと、凍傷になってしまうだろう。
門番に通行証を提示して、中に入った。
街中を流れる川は凍りつき、氷を張っていて、歩く人達も、分厚い防寒具を着込み、身を縮ませながら早足で歩いている。
口から吐き出す息が白いことから、どれだけ気温が低いのかが分かる。
それでも子供達はこの寒空でも関係ないとばかりに、元気に走り回っているけど。
「アルフィンはエリス王国に来たことがあるんだっけ? アリサ女王は、どんな人なの?」
「わたくしは、エリス王国には来たことはございません。
5年程前に、トランスヴァールに各国の王が集まり、会議が行われその時に、アリサ女王とお会いしています。
アリサ女王はとてもお美しく、性格はさっぱりされている方で、また、剛胆な一面もあったかと思います。
美の探求をされており、芸術性等も大切にされていて、よく御父様や、ヨーク公、シーゲル陛下とお話しされていました」
女王か。マギア・フロンティアでは初めてだな。
「性格がさっぱりしている人は好きだな。めんどくさくなくていい」
「そうですね。お話しがしやすい方は私も好きです」
「怖い人は嫌なの。お姉ちゃん達みたいな優しい人は好き」
「ふふ。わたくしもナエちゃんが大好きですよ」
この街は坂道に沿って民家や、ショップが建ち並んでいる。
ギルドに立ち寄り、クエストの完了報告を済ました。
報酬を受け取り、ギルド職員にエリス城の道を教えてもらった。
その道を、時に滑りそうになりながら歩いていく。
なだらかな坂をしばらく登った先に城が見えてきた。
エリス城は、正面玄関の脇に神話に出てくる様な守護聖獣の石像が左右にある。
それらからは魔力反応がすることから、この城自体を守る作用がありそうだ。
外観も流石、美に力を注いでいる人物らしく、荘厳と美しさを兼ね備えているように感じる。
城の警備隊に、通行証とアリサ女王に謁見したい旨を伝え、念話で確認をとってくれた。
アリサ女王も俺達に会いたいらしく、警備隊の案内で謁見の間まで案内してくれることになった。
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