51話 エリス高山
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山の麓で雪遊びを満喫した後、雪山を登山することにした。
「この山は結構な高さですね。下からでは頂上が見えません」
「ここは、マギア・フロンティアでも一番高い山になります。
名前は『エリス高山』。年の半分以上がこうして雪が積り、エリス王国と、バラガン公国を繋ぐ唯一のルートになりますね。その為、商会等が利用致しますので、魔物の被害も多い所になります」
暫く振りのアルフィン先生の解説で、エリス高山の説明がされた。
「う~。上を見てたら、首が痛くなったの。このお山高すぎなの」
ナエが首をグルグルと回して、文句を言っていた。
「普通に歩いて移動するとなると、時間がかかりそうだ。
飛翔魔法で飛んで移動したいけど、クエスト目標の魔物が何処にいるか分からないからな。まずは、このまま進んでみてから判断するか」
「そうですね。魔物の気配がする方向へ向かえば、見つけられるとは思います」
雪道をザクザクと進んでいく。
商会や、冒険者が通れる正規の道があるので、そこを利用する。
道には膝下まで埋もれる程の雪が積もっている。
火属性魔法で、障害になりそうな雪を融かしながら進む。
「雪山は、異質ですね。周りが全て白銀の世界で、雪が吹き荒れる音しかしません」
「そうですわね。ここだけ隔離された別空間の様に感じます」
「雪と、木しかないの」
所々にある広い雪原は、遠くまで見渡せるけど、動物達も、巣で寒さを忍んでいるのか姿が見えない。
魔物の気配はするから、何処かにいるとは思うけど。
「この先に強い魔力圧力がするから、進んでみようか」
進む先々で、魔物と遭遇はするけど、目的のデカイ魔物シリーズではなかった。
普通の中級、上級魔物だ。
魔力を探っては、戦い、探っては戦いと、中々お目当ての魔物が現れないまま進む。
結構な戦闘回数で、魔物を倒していると。
途中で魔物の群れに囲まれているのに気付いた。
「魔物に囲まれた。クエストの討伐目標かな?」
気配通り、俺達の前に魔物が姿を現した。
「狼型の魔物ですね。数は……10体です」
「この魔物、顔が怖いの」
「この魔物達は手下だ。奥にデカイのがいる。コイツらは中級で奥のが上級だ」
ステータスで確認すると、手下狼がレベル22。
奥のがボスでレベル42か。
木に紛れ、体が全部見えないけど、この群れのボス魔物は、普通の上級魔物よりもサイズは大きそうだ。
俺達の出方を窺っているのか、姿を見せようとしない。
「それでは、まずはこの魔物達を退治いたしましょう」
「分かりました。いけます」
「いつでもいけるの」
シズクも早速、聖剣の効果を試している。
「凄い……今までの3倍は早く破魔の力が溜まっていく……」
やっぱりこの聖剣はシズクと相性抜群みたいだ。
「シズクはボス魔物を狙ってくれ。その聖剣の力試したいだろう?」
「はい。今のうちに、これを把握しておきたいです」
「それじゃあ、俺達三人はこの手下を倒すぞ」
俺の言葉を合図に、それぞれ動きだす。
「フレイムオーバー!!」
「えーい! 火熊!!」
「獄炎!」
シズクは、俺達が魔法を放つ少し前に、ボス魔物へと駆け出す。
シズクが近付く事で、ボス魔物が、奥から姿を現した。
その姿は、通常の魔物よりも明らかに大きく、縦に横にと二倍程はサイズが違う。
この魔物だな。クエスト目標は。
ギルド職員からは、熊、ペンギン、狼のデカイ魔物シリーズだと聞いてるから、熊と、ペンギンがどこかにいるのか。
近くから気配はしないから、こことは別の場所か。
「さっさと倒して次行こう。まだ他にもいるから」
「はい、こちらは任せてください。いきます!」
シズクが鋭い踏み込みからの、一閃を振るう。
動きがいいな。
しっかりと、あの聖剣はシズクの力になっている。
シズクなら、まず苦戦しないだろう。
「よーし! 俺達もかたをつけるぞ」
魔法で残りの群れを一掃した。
シズクも、魔物を退治して、奥から戻ってくる。
「ありがとうございます。この刀の事が分かりました」
「どう? いい感じ?」
「はい。単純な切れ味もさることながら、私の破魔の発動までの時間が、ビックリするほど短縮されます。それこそ30秒程で」
それは凄いな。今までが、数分はどうしてもかかっていた。
それも動かないで、集中しての状態でだ。
動きながら発動まで持っていくとなると、やっぱり結構な時間がかかっていたのに。
「それぐらいだと、充分以上に実践で使える」
「これで、四天王にも対抗する術を手に入れました。
タクトさんに頼りきりでしたが、これからは私も戦います。
タクトさんの負担を減らせるのが、嬉しいです」
「シズク……」
アルフィンだけではなく、シズクも俺の焦りに気づいていたのか。
本当にありがたい。こんな俺をいつも見てくれている。
「シズクお姉ちゃん、パワーアップなの」
「シズク素晴らしいですわ。ナエちゃん、わたくし達も頑張りましょうね」
「うん! やるの!」
いや、アルフィンも、ナエも充分以上に力になってくれてるんだけど。
アルフィンはサポート魔法が強力だし、メンタル面でも本当にお世話になっている。
ナエは驚くスピードで、強くなっている。俺達を和ませてくれているのも大きい。
本当、皆には感謝しかないよ。
皆本当にありがとう!
お読み頂きありがとうございました!




