50話 ナエの専用スキル
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バラガン公国を出発した俺達は。
エリス王国へと延びている街道を進んでいる。
ここでもナエの鍛練は継続中で、出てくる魔物はナエに任せている。
昨日のダンジョンでの経験は大きかったらしく、上級までの魔力操作も完璧にマスターしていた。
上達していたのは魔力操作だけではなく、魔法を発動する速度もまた上がっていた。
ナエには凄い才能があるのは分かっていたけど、まさかここまでとは。
はっきり言って予想以上の才能だった。
「えーい! 岩犬!!」
今、魔物を倒す為に発動したのは土属性の上級魔法か。
ん? あれは……
「やったの。犬さん強いの」
見間違いか?
「ナエ。今のもう一回やって」
「う? うん。えーい!岩犬!!」
やっぱり……。
見間違いじゃなかったナエには適正があったんだ。
「タクトさん? ナエちゃんの魔法がどうかされたのですか?」
「私には、同じ魔法としか分かりませんでした」
「お兄ちゃん?」
「ああ、ごめん。ナエ最近魔法を使っていて変わった事ないか?」
「変わったこと? うーん。あっ! 最近ね魔法を使うと、キラキラ光って、それが集まる様になったの」
昨日ダンジョンに入る前には、出ていなかったから、別々にはぐれた後かな。
「そのキラキラが集まると、どんな感じがする?」
「うーんとね。魔法を使うのが楽になるの。それでね魔法が大きくなるんだよ」
「キラキラがある前と今となら体の疲れとかは、どうだ?」
「前よりも疲れなくなったよ。魔法が前よりいっぱい使えるようになったの」
予想通りだな。まだ完全にではないけど、目覚めつつある。
「だいたい分かった。これからはそのキラキラを意識して、魔法を使ってみて」
「うん。分かったの」
「タクトさん。そのキラキラは何なのでしょうか?」
「あれは、収束の専用スキルだと思う」
「専用スキルですか。私の破魔と同じようなものでしょうか?」
「シズクの破魔は、破邪の力を更に高めて、聖属性魔法を使えるようにしたもの。
ナエの収束のスキルはちょっと特殊なんだ。
魔法は本来、自身の魔力を消費して放つだろう?」
「そうですわね。たくさん魔法を行使すれば、それだけ魔力を消費致しますから、疲れも増します」
アルフィンの言うとおり、魔法のランクが高ければ高いほどに、使えば使うほどに、魔力消費は増える。
だから、バカスカ撃ちまくると気絶もする。
「収束スキルは、それとは逆で自身の魔力を消費しないで、空気中の魔素を魔力に変換して、それを集めて使用出来るようにするもの。
だから使いこなせれば、疲れも軽減できるし、自分で魔力量を調整することも可能になる」
「う? 難しくて分からないの」
「要するに、自分の魔力を使わなくても魔法を使えるんだよ」
「それは凄いの!」
「凄いスキルだけど、気を付けないといけないこともある。
魔力を集め過ぎて、コントロールできなくて爆発しちゃうことだってある」
「それは……危ないですね」
「ナエちゃんが怪我をしてしまいますわ」
「そう。だから今はまだ、完全に開花してないから大丈夫だけど、今後使用するときはキチンと自分がコントロールできる範囲で使用すること。分かったか?」
「はいなの! わかりました!」
「本当に危ないんだ。魔力を集め過ぎて神級ですら発動するかもしれない。勿論今のナエでは扱うことは出来ないから、そうなったら大惨事になる」
暴走した力は、大切な人達も気づけるかもしれない。
それは、ナエが一番嫌がることだ。
「だから、今後は俺が許す範囲までしか、魔力を収束してはダメだ。魔力操作も引き続き、最優先で鍛えていく」
「うん。お兄ちゃんの言うことをちゃんと聞くの。お兄ちゃん、お姉ちゃん達を傷つけたくないから」
ナエなら、大丈夫だと思うけど。一応言っておいた。
もうちょっとスキルを使いこなせる様になれば、ルーデウスにある専用装備もナエが使える様になるだろう。
今はまだ、ナエだけが専用装備が無い状態。
現状は、魔力付与で魔力耐性や魔力を上げたり等、補助している。
これでナエが専用装備を使えるようになれば、ナエの魔法はもっと強力になる。
だから、北東大陸にいる間に、更にナエを鍛え上げておきたい。
魔法の解説をしながら、魔物を倒し街道を進む。
雪山にまだ着いていないけど、空気の質が変わったというか。ここからでも肌寒く感じる。
この辺から、防寒具を着こんだ方がいいか。
「寒くなってきたから、この辺から防寒具を着ようか」
収納魔法で、防寒具等を取り出して着込む。
これだけで、だいぶ暖かくなるだろう。
雪山の麓に到着した。
この辺にも、雪が積もっている。
「あー! 白いのがあるよ! これが雪なの?」
「そうだよ。これが雪だ」
「きゃー! 冷たいの!」
初めて雪を見た反応は、皆同じだな。
俺も子供の頃こうだったんだろうな。
「ナエ。こうやって手で雪を固めてここをチョチョイとすると」
「あ! ウサギさんだ! 凄ーい! 白いウサギさん!」
「ナエちゃん。こちらは猫さんですよ~」
「白い猫さんなの!」
「アルフィン様……凄いです。雪で猫を作るなんて……」
確かに。猫は中々難しいと思うんだが。
アルフィン器用だな。
アルフィンの意外な雪像作成スキルに驚いたけど、初めての雪遊びが楽しかったらしく、ナエは大喜びだった。
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