46話 ストレス
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戦闘で気を失っていた赤い星群の人達が目を覚まし、動ける様になった。
残りのメンバーを探すのと、石碑を見つける為に、フロアの先にある魔法陣から転移する。
転移した先は、真ん中が広いフロアになっていて、両端にそのフロアに繋がる通路があり、それぞれに魔法陣が設置してある。
俺達が転移してからほぼ同じタイミングで、反対側からシズク達が転移してくるのが見えた。
シズクと、ナエの二人と、あの男の子がアルド殿下かな?
その他に赤い装備の二人組もいるから、シズク達で赤い星群の残りメンバーを保護してくれたのか。
「あー!! お兄ちゃーん! アルフィンお姉ちゃーん!」
俺達の姿を見つけた、ナエがこちらに走り寄ってくる。
毎度お馴染みの、ナエの十八番。
余程、再開出来たのが嬉しかったのか、今回は魔力を纏っていて、身体能力も強化されている突撃タックルが鳩尾に炸裂した。
「おぅふっ……」
痛い。
回を重ねる毎に強力になっていく。
これは、次からは俺も魔力を纏わないと駄目だな。
「ナ、ナエ無事で良かった。やっと合流出来たな」
「うん! あたしね頑張ったの! 魔法上手に出来たんだよ!」
ナエが満開な笑顔で、褒めて褒めてと、訴えかけてくる。
「そうかそうか。頑張ったな偉いぞ」
ナエの頭を撫で回した。
「えへへー」
「ナエちゃんは偉いですね。ではわたくしも」
アルフィンもナエの頭を優しく撫でる。
「えっへへー」
俺達に褒められて、ナエもすっかりとご満悦だ。
「シズクもお疲れ様。ナエを守ってくれて助かったよありがとう」
「タクトさん達もお疲れ様です。お二人が無事で良かったです」
シズクも俺達と合流出来たのが嬉しかったのだろう。
綺麗な笑顔だ。
どこかホッとした顔もしていた。
「それで、こちらにおられるのがアルド殿下になります」
シズクの斜め後ろにいた、アルド殿下が前に出てくる。
「アルドです。貴方達の事は、シズクさんから聞いています。
すいません僕の我が儘で迷惑をかけてしまいました。謝罪致します」
アルド殿下が俺達に頭を下げた。
「殿下が無事で良かったです」
「ありがとうございます。バルデル達にも。勝手に行動してしまいすいませんでした」
「いやぁ、ワシらは別に気にしとらんので。殿下が無事で良かったですわ」
「ありがとうございます」
アルド殿下は残りの赤い星群の人達と話している。
これで、全員が揃った訳だな。
俺はシズクからアルド殿下と合流してからの事を聞いていた。
そして、シズクの話を聞きこのダンジョンの造りが分かった。
どうやら、このダンジョンは、二つに分裂した物だったらしい。
両端に、2つ同じものが存在していて、このダンジョンの壁や、床、構成している物が、魔力探知しにくい造りになっている。
トラップは非常にウザいし、ダンジョンボスは強いし。
よくこんなダンジョンを造るもんだなドレアムは。
そんなに、俺達の妨害をしたいのか、何か他に狙いがあるのかは、分からないけど。
この先も、こういうのがあるんだろう。
でも、その中でもナエの成長の話を聞けたのが嬉しかった。
ナエは性格が素直で純真だから、魔法をどんどんと身に付けていく。
だけど、一番大事なのは心だと思う。
トラウマになって当たり前の事があっても、それを乗り越える強さはナエ自身の強さ。
そこが成長しているのが、何よりも嬉しかった。
二人のステータスを見ると、ナエも、シズクもレベルが上がっている。
俺達と別々に分かれてから、かなりの戦闘があったと言うし、このダンジョンの魔物は強かったからな。
「それにしてもそうか。ナエが」
「はい、ナエちゃんは本当に日々成長していますね。魔法も心も」
「そうだねナエは強い子だから。これは帰ったらおもいっきり褒めてあげないと」
「私もナエちゃんが食べたい物をたくさん作ります」
「わたくしは……どうしましょう。してあげたい事が沢山ありすぎて、決められません」
俺も甘い方だと思うけど、流石お姉ちゃんズはもっと甘い。
帰ったら、これをしてあげたい、あれもしてあげたいと、二人で盛り上がっている。
ナエはそんな二人を見て楽しそうにしていた。
俺は街で、ナエが欲しいものを買ってあげようかな。
魔法を教える時は厳しくと決めているから、こんな時くらいはおもいっきり褒めてあげたい。
それぞれの無事と、再開の挨拶を終え、残り作業をすることにした。
「タクト、ここに石碑だったか? があったのか?」
「そうです、壊されていますが」
石碑は壊されていて、砕かれた欠片がそこら中に落ちている。
残されてる魔力残留から、結構な時間が経っているのが分かった。
使えるかどうかは分からないけど、欠片を一応回収しておいた。
「これで、確認は終わりです。それでは街に戻りましょうか」
「グルグルで帰るの?」
「マジかぁ! ワシはもうあのトラップは嫌だぜ!」
10歳の女の子より、50代のおっさんが本気で嫌がってる。
「バルデルさん頑張ってください。帰ったら美味しい酒が待ってますよ」
「……酒……酒か! よっしゃ! 帰るぞ!」
酒でやる気を取り戻す50代のおっさん。
「魔物はもう大丈夫だとは思いますが、トラップは正直わたくも、もうこりごりですわね」
「帰りはスムーズに行けると思うよ。地図を作成したから最短距離で出られる」
散々手こずらされたダンジョンだ。
地図は完璧な物が出来上がっていた。
帰りはそれを使い、スムーズにダンジョンを進んでいく。
出口に差し掛かると、外から陽の光が差し込むのが見えてきた。
そうしてやっと外に出られた。
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