37話 ギルド
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ワポルさんとフロンティア商会の人達、インさんと東風の旅団のメンバーと一緒に、バラガン公国に向けて街道を進んでいた。
魔物は全て俺達(俺達はサポートに徹して、ナエが大体一人)で対処した。経験値稼ぎになってナエの強化にもなるし、インさん達は疲弊しているから後ろに控えてもらっている。
「しかし、本当に強いな。小さいお嬢ちゃんが使う魔法は強力だし、お前達はほとんど手出しをしないけど、身のこなしで只者じゃないと分かる。それにお前さんからは、とんでもないオーラを感じる」
インさんも、さっきの戦いぶりをみると戦い慣れていた。ベテラン冒険者なんだろうか。
ステータスオープン
イン・トウフウ
東風の旅団、ギルドマスター
レベル39
スキル 近接戦闘(中)、サポート魔法(小)、遠距離魔法(中)
上級魔物を倒せるぐらいか。
さっきは数が多かったから苦戦したんだろう。
他のギルドメンバーもレベル30越えているし、この練度だとギルドでは強い方なのかな。
「俺達にはやらなければいけない事があるので、強くならないと駄目なんですよ」
「さっき言ってた目的ってやつか。最前線に行く前にやることがあると言っていたな。ギルド名に、魔王と……愉快な仲間達だったか?ネーミングセンスは、突っ込みたいが魔王を名乗るってことは意味があるんだろう?」
やっぱり変なんだろうなぁギルド名。このギルド名はアルフィンがつけてくれたわけだが。
アルフィンを見ると、落ち込んでるんだろうか、理解出来ないのはセンスが無いからだと思っているんだろうか、何とも言えない表情をしていた。
「ギルド名は気にしないでもらえると」
「……どうしても言いたくないなら無理にとは言わないが。
俺達もそこそこ名の知れたギルドだ。何か困っている事情があるなら力になれるかもしれない。それにさっきのお礼もあるしな」
別に俺が魔王の称号持ちだと、隠しているわけではないんだが。
ただ、直ぐには信じられる話ではないだろう。この世界に詐欺とかあるのかは知らないけど、称号を利用して悪い事をしている輩もいるかもしれない。
だから誰にでも言ってる訳ではないし、各国の王様や権力者には、協力を取り付けないといけないから話しているが。
必要になったら話すつもりではあるけど、インさん達は信用できそうだな。
ギルドにもツテを作っておいた方がいいだろうし、話した方がいいかもしれないな。
「別に隠しているわけではないんですが、俺は、魔王の称号持ちなんです。それでハーディーンを倒すために、皆で旅に出ているので最前線に行ってないんですよ」
「……その実力なら本当なんだろうな。ではバラガンに行くのも?」
「ええ。ヨーク・バラガン公にも挨拶と、今のうちに協力体制を作りたくて」
「そうだったんだな。ありがとう話してくれて」
「俺達も、力を貸してもらうこともあると思いますので、話させてもらいました。
ギルドはまだ知らない事も沢山あるので、教えてもらえると助かります。
ちなみに東風の旅団はギルドではどれぐらいのランクになるんですか?」
「俺達のギルドはAランクで、トップとまではいかないが、一応上の方になるな。主に今みたいな、商会の護衛や、役人警護等をメインで受けている」
「知らないことばかりで、失礼かも知れませんが、ギルドの人達も最前線に行ってるんですよね? インさん達は行かないんですか?」
最前線は人手がいくらあってもいいだろうし、ギルドとして、上の方なら戦場に呼ばれそうだが。
「全部が最前線に行くわけではないんだ。大戦中だが、それでも生活があるからこういった依頼もあるからな。最前線に行く者、残って街を護る者と役割を分けている」
「トップギルドの人達も街に残ってたりするんですか?」
「最前線に行っているのは、ほとんどトップの所だ。前までは、うまく割合が取れていたんだが、最近戦いが段々と激しくなっているのが原因で、その比率も増えてきているんだ」
「それだと、危険性が高いクエストを受けられる人も少なくなるから、大変ですよね」
「そうなんだよ。今回のクエストの危険性はそこまでではないが、リスクが高い物はそのまま残されたりもする。受けれるとこがなくてな」
世界中で、そうした問題も増えてるんだな。
クエスト自体はあっても、受けられるギルドが無いと困るだろう。
大戦中でも、人々の生活はあるんだ。
インさんにギルドの事について聞きながら、街道を進んでいく内に、陽が落ち始めた。
もうちょっとで街に着くと聞き、そこから更に歩みを進める。
まもなく夜になりそうな頃。丘を登った前方に、街並みが見えてきた。
あれが、バラガン公国か。
街中に、灯りが点り始めるのが見える。
各家庭に、街頭、建物と、次々にライトアップされていく。
もうすっかりと、夜と言ってもいい時間帯に、街中が何色にも輝くその光景は、一種の芸術の様だ。
「これは……見事な夜景だ」
「うわぁー! とってもキレイなのー!」
「幻想的ですね……綺麗」
「トランスヴァールにも、夜景はありましたが、ここまで隅々まで灯りが点り、美しく街並みを彩るのは、ヨーク公の芸術的センスによるものです。素晴らしいですわ」
前世では、夜景が綺麗な観光地にも行ってその美しさに感動した。だけど、ここはそれらよりも数段綺麗だった。
都会は、ネオン街や、ビル群等があって、星をみるのも難儀だったけど、マギア・フロンティアはよく星空が見える。
空気も美味しいし、自然環境も素晴らしい所だな。
街の前まで無事に着くことが出来た。街の門番に通行証を提示して中に入った。
「タクトさん、皆さんありがとうございます。無事にバラガンまで帰ってこられました」
ワポルさんからお礼を言われる。
「本当に助かったよ。改めてお礼を言わせてくれ」
インさんからもお礼を言われる。
「俺達も、ギルドの事が聞けて良かったです。また聞きたいことが出来たらお願いしても大丈夫ですか?」
「ああ。いつでも聞いてほしい。ギルドに確認してくれれば、俺達が何処にいるか分かると思うから」
「ありがとうございます」
「私達フロンティア商会も、必要な物がありましたら、是非来て下さい。あなた達は特別料金にしますので、お安くしますよ」
商品が安くなるのはありがたいことだ。今日はもう暗いから、明日以降で利用させてもらおう。
この街は初めてだから、何処に何があるか分からない。アルフィンが知ってるかもしれないけど、宿ぐらいは聞いておくか。
「一つだけいいですか? この街でオススメの宿や料理店ってありますか?」
「金があるなら、多少高い所を利用した方がいいぞ。使用できる施設もたくさんあるし、料理も一緒に食べられるから。オススメのホテルを何個か教えるよ」
金なら大量にある。ユルゲン陛下に貰ったのがまだまだ余ってるし、上級魔物の素材も大量にあるから売ればかなりの大金に変わる。まぁ、売る必要はないけど。
インさんとワポルさんから、それぞれオススメの場所を聞いた。ついでに街の特徴や、施設も教えてもらえた。明日また散策してみよう。
「ありがとうございます。早速利用させてもらいます」
「気に入ってもらえるといいが。それじゃあ俺達はこれで引き上げるよ。じゃあな」
「それでは私達もこれで失礼しますよ。それではまた」
インさんとワポルさん達は街の奥に歩いていった。
「それじゃあ、二人に教えてもらった宿に行ってみようか。せっかくだから、グレードが高い場所にしよう」
「タクトさん。お金大丈夫ですか? 私は料理するのは好きなので作るのは苦になりませんが」
シズクが心配して話しかけてきた。
「大丈夫だよ。たまには、シズクにもアルフィンにも楽させてあげたいからね。たまにぐらい贅沢してもバチは当たらないよ」
「タクトさん……ありがとうございます。気を使ってもらって嬉しいです」
「これぐらい、大した事ないよ。こちらこそいつもありがとう」
「はい! これからも頑張りますね!」
シズクからとびきりの笑顔をもらいました。
教えてもらった宿で、今日は休むことにした。
明日は、ヨーク公に会って協力体制を作らないとな。
お読み頂きありがとう!
楽しい作品書けるように頑張ります!




