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29話 惨状の後

いつも読んでくださる方、新たに読んでくださる方、そしてブクマしてくださっている方々。

本当に本当にありがとうございます(^^)

よろしくお願いします!

楽しんでもらえれば嬉しいです!

 




 ガルカリ村で今後の事を話し合う前に、犠牲になった人達を弔うことにした。


 村の奥には比較的に被害が少なく、綺麗な花畑があったのでそこに大きめな石を墓石に見立てて埋葬することにした。

 ナエ達、村の生き残りの人達も各々真剣に祈りを捧げている。

 皆が冥福を祈る中、ナエが何かを決意しているかの様に祈る姿は、とても10才の子供が出す雰囲気ではなかった。




 埋葬が終わり、村のこれからの事を話し合うことにした。


 ゲラルドや魔物に村のあちこちを破壊され、火災の影響で建物もほとんど無くなったが、ナエの家や、村長さんの家に、幾つかの建物は無事だった。


 村長さん宅が広いのでここを借りることにする。

 村の生き残りは、15人。

 50人弱の人達が住んでいたから、かなりの人が殺されたことになる。今後の村の方針を決めるということで、全員が村長さん宅に集まっていた。



「それでは、これから先どうするかを話し合いたいと思います」



 村長さんが亡くなったので、ナエの親父さんが村長代行として皆を引っ張っていくことになった。

 代行の仕切りで、進行していく。



「その前に、俺から一つ提案があります。このままここに住んでいくのは、この世界情勢では危ないと思うので、他に移住しませんか?」



 俺は考えていた事を話すことにした。



「移住……ですか?」



「はい。南大陸にあるクリスタに移住してはどうでしょうか?」



「クリスタですか? 確か貿易が盛んな湾岸都市ですよね?」



「そうですクリスタの国王、シーゲル陛下にお願いすれば許可を貰えると思います。勿論俺達も一緒に行きます。もし大丈夫であれば直ぐにでも陛下と連絡をとりますが」



 シーゲル陛下には、念話用のアイテムを貰っている。

 謁見中でもなければ、連絡は取れるだろう。いきなりでは失礼かと思うが、あの人なら笑って許してくれると思う。



「しかし、移動するにしても、船を調達しなければならず。それに、移動するだけでも時間がかかってしまいます。その間タクトさん達をつき合わせる訳には」



「それは大丈夫です。一瞬で移動できるんで」



「一瞬でそんな方法があるのですか?」



「この村にある、ワープ魔法の石盤を使います。昨日使えるようにしといたので、それを使えば南大陸に一瞬で移動出来ます」



「それは……凄いですね」



「タクトさん。いつの間に行かれていたのですか?」



「昨日アルフィン達が、ナエと風呂に入っている間にね。ちょちょいと」



「ああ……あの時ですか……」



「わたくし達の……お風呂の間にですか……」



 二人とも何か思い出したのか、顔が赤くなっている。



「あたしの髪を洗ってくれたんだよ。アルフィンお姉ちゃん上手だったの」



「ふふ。ナエちゃんありがとうございます。わたくしには妹がいないので、妹が出来たみたいで嬉しくて。つい気合いが入ってしまいました」



「シズクお姉ちゃんは、あたしの髪をすいてくれたんだよ。とっても気持ちよかったの」



「喜んでもらえたようで嬉しいです」



 女の子達で話が盛り上がっていた。

 三人とも仲がいい。ナエはすっかりとアルフィン達に懐いているし、こう見ると本当の姉妹みたいだな。

 美少女達の入浴……いいと思います。

 想像したら彼女達に失礼だし、これ以上は俺の理性がヤバイことになるからこれぐらいにしとこう。うん。



 だけどナエがいると、場の空気が明るくなる。

 こんな哀しい時は気持ちが沈むから、明るいのはいいことだ。





「それで、どうですか?」



「……本当に大丈夫であれば私達はお願いしたいところです。

 一からまた村を再興しようにも人手も足りません。

 もし、また攻めこまれたら戦士隊もおりませんし、今度こそ全滅してしまうでしょう。ですので是非お願いします」



「分かりました。後で陛下に連絡取ります。一応明日出発する前提で、準備とかしといてください」



「わかりました。お世話になります」



 ナエの両親や、村の皆が立ち上がり、頭を下げた。

 ひとまず村の問題はこれで大丈夫だろう。

 次は――



「タクトお兄ちゃん……さっきのお話し。ここでしてもいい?」



 話がまとまった頃ナエが声をあげた。



「話があるって言ってたやつか。そうだな今話してくれた方がいいかな」



 ナエは何回か深呼吸した後、話し始めた。



「あのね……あたしもタクトお兄ちゃん達の旅に着いていきたいの」



「ナエ。自分が何を言っているのか分かっているのか?」



「そうよ。タクトさん達はとても危険な旅をしてるのよ。

 今回みたいな事だって、たくさんあるかもしれないのよ。そんな危険な旅にナエを行かせる訳にはいかないわ」



「あたしは……あたしは村長様やおばさん、おじさん達を殺したあの男の人を許さないの。皆あたしに優しくしてくれたのに。あたしのせいで……。それにあたしが要るとまた、お父さん達が危ないめに合うかもしれないの」



「ナエ……今回の件はナエが悪いんじゃないんだよ。だから気にすることはないんだよ」



「そうよ。誰もナエを責めたりしないわ。皆もナエが悪いんじゃないと分かっているわ」



「それに、それに、ここと同じ様に悲しい事があるなら止めたい。だからお兄ちゃん達と一緒に行きたい」



「ナエ……」



「しかし、そんな危険な旅に、何の力もないナエを行かせる訳には」



 アルフィン達も、ナエ達が言い合いをしているのを困った顔で見ていた。


 ご両親の言ってることはごもっともだ。

 まだナエは10才。はっきり言って子供だ。親からしたらそんな危険な旅に我が子を行かせたくないだろう。


 ただ、ナエの気持ちも理解できる。

 俺はナエのステータスを見たから、ナエに素質があるのは知っている。

 俺としても、ナエの力は欲しい。

 ナエをみっちり鍛えれば、四天王にも対抗出来るようになるだろう。それだけナエが秘める力は強大だ。


 だから俺はナエの力の事だけは伝えておくことにした。



「すいません。家庭の事情に首を突っ込むのは悪いと思いますが、一つだけ。

 ナエは、かなりの潜在魔力を秘めています。魔力操作を鍛えれば特級魔法も扱えるようになると思います。これは世界でもトップクラスの魔法使いの才能があるということです。

 そして俺としては……ナエを連れていき、鍛えたいと思います」



「……ですが。ナエはまだ子供です」



「確かにナエはまだ子供です。ですが、しっかりと自分で考え、自分に出来ることは何かを考え、自分で決意をしました。だから俺はナエの考えを尊重したいと思います。

 それと、ナエの事は俺が責任持って護ります。心配だと思いますが送り出してあげてくれませんか?」



「わたくし達も、ナエちゃんを護ります」



「はい。全力で護らせてもらいます」



「皆さん……分かりました。ナエしっかりと頑張るんだよ」



「ナエ……必ず無事に帰ってきてね? お母さん達も無事を祈っているからね」



「うん! ありがとう。お父さん! お母さん!」



 家族で抱き合い、それぞれの温もりを確かめあっていた。

 ナエも、親から離れるのは寂しいよな。そして親父さん達もまだ小さい我が子と別れるのは心配だろう。




「タクトさん、皆さん。娘をよろしくお願いします」



「まだ手はかかるかも知れませんが、ナエをお願いします」



 両親からお願いされる。



「大丈夫です。皆で責任持って、やりますので」



「タクトお兄ちゃん。アルフィンお姉ちゃん。シズクお姉ちゃん。これからよろしくお願いします!」



 ナエから元気一杯にお願いされた。



「ああ。よろしくな、ナエ。ただし、魔法を教えるときは厳しくいくぞ」



「は、はいなの。がんばる!」



「ナエちゃん、よろしくお願いしますね」



「私もまだまだ修行中です。一緒にがんばりましょう」



「はいなの! よろしくお願いします!」




 こうして、三人目の仲間が増えた。

 これから、ナエにも活躍してもらうこともあるだろう。

 しっかりと教え、鍛えていこう。

 そして、ナエの心の傷も癒してあげたいと思う。




お読みいただきありがとうございましたm(__)m

面白い作品にしていけるように、頑張ります!

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