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18話 中央大陸①

いつも読んでくださる方、新たに読んでくださる、新たにブクマして下さった方。

本当にありがとうございます!

よろしくお願いします!


あとこの章からの展開にハーレムタグ追加しました。

 





 客船に乗り中央大陸へ出発した俺達は、特に大きな問題もなく海の上を移動している。


 大きな問題はないが、小さな問題はあった。


 アルフィンが船酔いでダウンした。巨大な客船といえども波が荒れている日は揺れが酷い。

 アルフィンも自身に治癒魔法を使ってはいるけど、回復した後また酔ってしまう。

 集中力を欠いている状態では治癒の効果も薄いのだろうその為に自室のベッドで休んでいた。



 そんなアルフィンのお見舞いというか、様子を観に行くのが日課となっている。

 体調が悪いことで弱気になり不安なのか、しょっちゅう側にいてほしいとお願いされたからだ。

 四六時中側に居るわけにはいかないが、できうる限り側にいるようにしている。

 もちろん俺もアルフィンからのお願いは嫌ではない。好きな女の子の為だし、俺も側に居たい。



 コンッ! コンッ!

 アルフィンが休んでいる部屋をノックする。



「はい。開いていますどうぞ」



 中から少し元気のない声が聞こえた。



「アルフィン調子はどう?」



「タクトさん。お見舞いに来てくれたのですねありがとうございます。今は治癒魔法が効いてくれて酔いも少し良いです」



 顔色はあまり良くはないが笑顔を浮かべられるぐらいには調子が良いみたいだ。

 アルフィンの部屋に来る前に客船の食堂でペパーミントティーを淹れてきた。クリスタで茶葉が売られていたのを見つけ、いつか使うかもと買っておいた。

 ペパーミントティーは胃の不快感を軽減する作用がある。



「アルフィンこれを飲んで。少しは調子も良くなると思うから」



 背中を支え、ベッドに座らせる。



「これは?」



「ペパーミントティーって言って船酔いに効果がある」



「初めて聞く名前のお茶ですね」



「前の世界の知識で知ってたんだ。この世界にもペパーミントがあって良かったよ。アルフィンの船酔いが少しでも良くなればと思って」



「タクトさん……ありがとうございます」



 アルフィンの笑顔をいただきました。

 うん。可愛い。

 持ってきた紅茶を飲みながら色々と話をしていると。

 調子も良くなって余裕ができたのか手を握ってほしいと甘えられた。


 握ると余計に体調悪くなるんじゃないかと聞いてみると「この瞬間は船酔いも忘れられるからいいんです」と顔を赤くしながら言われる。アルフィンが言うなら大丈夫なんだろう。

 アルフィンの手は柔らかかった。






 中央大陸まで5日程もあるため、体が鈍るといけないと、シズクの鍛練に付き合う形で模擬戦闘を行っていた。

 お互いに近接戦闘を鍛えたかったので魔法はなしで、専用装備も外している。

 シズクも鍛練用の刃を潰している物を使用している。



「はあっ!」



 シズクが鋭い踏み込みから胴へ突きを放ってきた。

 それを限界まで見極め、最小限の動きでかわし、シズクの持ち手に掌底を叩きこんだ。



「つうっ!」



 攻撃を受けた手から刀はカランカランと音をたてて転がる。

 シズクはバックステップで俺から距離を取ろうとするが、俺は縮地で接近し、シズクの顎に掌打を寸止めした。


 これで一本かな。



「はぁっはぁっはぁっ。負けました……」



 シズクは額に汗を浮かばせている。



「お疲れ様」



 俺はそんなに動いてないから汗はかいていない。

 シズクにタオルを渡した。



「はぁっはぁっ。すいませんありがとうございます。やっぱりタクトさんは強いですね。毎日こうして模擬戦闘に付き合ってもらっていますが、まだ一本もとれません」



 俺とシズクには実力差があった。

 俺には経験値ブーストがあるのでちょっとズルしている感もあるが。一応俺も一人で鍛練もしている。



「でもシズクの突きも段々と鋭くなってきているね。踏み込みも出会った頃から速度が増している」



「私はタクトさんの様に縮地は使えないので、速度はまだまだなんですよね。タクトさん縮地を教えていただけませんか?」



「あぁ。いいよ覚えれば色々と戦いの選択肢が増えるしね」



「ありがとうございます!」



 その後シズクの縮地の練習に付き合った。

 直ぐには使えるものではないし、練習が必要だがシズクは近接戦闘のセンスが高いと思うから、そんなに時間はかからずに覚えるんじゃないかな。



「あっ……」



 身ぶり手振り教えているとシズクが声をあげた。



「ん? どうした?」



「その……私汗いっぱいかいちゃったので。汗臭くなかったかなと……」



 顔が赤くなってたのはそういうことか。

 身体が触れる程密着していたからな。

 別に不快な臭いはしなかった。

 どちらかというと、シズクは普段から綺麗にしているから甘い良い香りをしている。石鹸の香りなのか、シャンプーの香りなのか女の子はいい匂いすると言うしな。



「全然そんなこと無いよ。どちらかというといい匂いかな?」



「そ、そうですか? ……良かった……汗臭い女だと思われてなくて……」



 シズクが何か言っていたが最後の部分は聞き取れなかった。

 シズクは勤勉で本当に真面目な女の子だ。

 料理が得意な女の子らしい一面もあれば、剣術が得意でリアンヌさんも言っていたが実際才能も凄いあると思う。

 だから、こうしてシズクと一緒に鍛練するのは俺も好きだ。



 鍛練出来るのは模擬戦闘だけではない。

 航海は基本的に平和だったが時折魔物の襲撃を受けた。

 一応客船にもこうした事態を想定して魔法兵器はあるが、魔物の数が多いと撃ち漏らす事もある。

 こちらまで来る数はそこまで多くはないが、それなりの数の戦闘があった。


 俺は甲板上から魔法を放ち、シズクは居合術の斬擊を飛ばして切りつけていた。

 おおースゲー。飛ぶ斬擊だよ。


 現れる魔物は海ならではのオンパレード。

 イカ型、タコ型の頭足類型、カニ型、エビ型の甲殻類型、サメ型やシャチ型等の哺乳類型、様々な魔物が現れた。

 大体は中級魔物でサイズも大きい。

 海にも上級魔物がいるみたいで二回現れた。

 船の兵装では雑魚魔物は倒せても上級魔物には効果が薄い。

 俺とシズクで対処することにした。



 ステータスオープン。


 カイザークラーケン

 上級魔物

 レベル40


 中々強いな。

 


「タクトさん。あの魔物は上級ですか?明らかに他の魔物と魔力圧力が違いますが」



「あいつは上級魔物のカイザークラーケン。レベルは40だな」



「あれが……上級魔物……」



 シズクは上級を見るのは初めてか。

 そういう俺も二体目なんだけど。



「それであの魔物どうしますか?」



「俺は魔法を放つのは変わらない。

 多分火属性が有効そうだから、新しい魔法を試そうと思ってる。

 シズクはその飛ぶ斬擊でダメージを与えて注意を反らしてくれ」



 簡単に連携を確認した。

 俺一人でも倒せると思うけど、これから先を考えるとシズクにも上級魔物に慣れておいてもらったほうがいい。



「任せてください」



 シズクは一度刀を鞘に戻し、右足を前に左足を後ろへと下げて左腰にある鞘に右手を添える。居合い抜きの構えだ。

 刀身へ魔力と破邪の力を集め、一気に抜刀し切りつける。



「居合い術。桜花斬おうかざん!!」



 シズクの刃は桜色に煌めき先程よりも巨大な斬擊が飛ばされた。籠められている魔力からも威力も高そうだ。

 シズクへと伸ばされた6本の触手と、何本もある足は飛ぶ斬擊で切り飛ばし、触手は甲板上に落ちた。

 俺は高密度の魔力を溜め、火属性の上級魔法を放つ。



獄炎ごくえん!!」



 20メートル程あるカイザークラーケン全体を、黒色の炎で覆い焼き尽くす効果は抜群。

 威力もあって中々使い勝手のいい魔法だな。

 カイザークラーケンはその巨体を溶かし光の粒子となって消えていった。


 良かった船にも被害は無さそうだ。


 そして毎度お決まりのレベルアップ音が鳴る。

 しばらく振りに確認しておくか。

 ステータスオープン。


 タクト

 中堅魔王

 レベル41

 スキル 高魔力操作、近接戦闘(強)、ステータス表示、経験値ブースト、クリエイト魔法



 シズク・ナナクサ

 聖樹教会聖女付き騎士、魔王軍騎士

 レベル31

 スキル 剣術(中)、近接戦闘(中)、中距離戦闘(小)、身体能力強化(中)、調整不完全(破邪)



 お、称号とスキルがランクアップしてる。

 レベルは上がってきているがまだまだ弱いな。

 中央大陸でしっかり鍛えないと。


 このようなアルフィンの介護(甘えられて側で手を握るだけ)と魔物の襲撃を撃退しつつ、クリスタから5日程経った頃中央大陸が見えてきた。

 大陸には広大な樹海が広がっている。

 木々の上空を鳥型の大型魔物が飛び交う。

 ここにユーリが言っていた、強力な魔物達がいるのか。


 船を運航してくれた人達にお礼を言い俺達は客船を降りた。



お読みいただきありがとうございますヾ(☆ゝ∀・)ノ


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