表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

125/147

124話 突撃

 



 会議が終了し、突撃の時間までそれぞれの準備を進めいよいよ運命の時間となった。


 城前にある大きな広場には、マギア・フロンティアの総力が整列し立ち並んでいる。

 その数は優に十万人以上で、この最後の決戦に全ての国が全ての力を注ぎ、準備をし、皆がそれぞれに大切な者を持ち、それらを守る為にこの場に集まっていた。


 その戦士達を最後尾まで見渡せる高台に、王達と共に俺達も立っていた。

 突撃の号令をかけるために。



「時間だな。始めようか」



 19時になり、アーロンさんが前に進み出る。

 戦士達も、視線をアーロンさんに向けた。



「皆の者! 遂に、我々の最後の戦いの日を迎えた。一年前にハーディーンが復活して勃発したこの戦い。大切な家族を、友を、愛する存在を奪われ、哀しみに暮れながらも立ち上がり、戦う事を決意してこの場にいる者もいよう。また、自分達の未来を脅かす存在を討とうと不安と恐怖に打ち勝ち立ち上がった者もいるだろう。

 それらは全て今日という日の為に、耐え忍んでくれたと思う。

 今日はその望む未来を掴めるか掴めないかを決定づける日だ。そして、その決定権を持つのはそなた達だ! 磨きあげた力を、信念を思いをこの戦いにぶつけようではないか!!」



「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウっ!!」」」



 十万人のその思いの丈を込めた雄叫びは地面を揺らし、空気を震わせる。

 一人一人がその力を示すように、全身全霊で叫んでいる。



「これより、作戦通りに暗黒大陸に突撃をかける。所定の位置に着いたら、各隊長達の指示に従ってもらいたいと思う。よいか! 断じて生き残れ! 大切な者との未来を掴み取る為に。

 そして号令は、そなたらも良く知るであろう魔王の称号を持つタクトが行う」



 え? 俺? 俺が言うの?

 打ち合わせでも何も言ってなかったけど。



「さあ。タクト前に出て号令をかけてくれ。この場は、タクトが相応しい」



 困った顔をして立つ俺を前に誘導してくるアーロンさん。真面目な顔つきだけど、少し含み笑いをしてるからこれは、俺が困っているのを楽しんでるな。



「タクトさん頑張ってくださいな」



「タクトさんらしく、お願いします」



「お兄ちゃんやっちゃうの!」



 三人からは応援が。



「タクト胸がキュンキュンするような素敵な号令をお願いね。期待しているわよ」



「タクト君は、今までマギア・フロンティアの為に多大な尽力をしてくれた。僕も君がやるのが相応しいとおもうよ」



「魔王殿ここで自分の女に良いところ見せるチャンスだ。男は押して、押して、押しまくるんだ」



「ユーリ陛下も、見ていてくださるだろう。盛大に頼む」



 王達からも激励を頂いた

 ここまで言われたらやらないわけにはいかない。

 俺らしくやらせてもらおう。



「分かりました」



 前に進み出てアーロンさんの隣に立った。



「はじめましての人もいると思いますが、アーロン皇帝からご紹介されたタクトといいます。マギア・フロンティアに来てまだ二ヶ月しか経っていませんが、俺は仲間達と世界中を旅しました」



 今まで旅をしてきた色々な出来事が、思い出される。



「この世界は料理は美味しいし、人々も明るく優しくて、本当に素晴らしいと思います。色々な種族もいてそれぞれが考え方から文化も違ったけど、皆このマギア・フロンティアを大切にしている姿を見て、俺もこの世界が大好きになりました。だからこそこの世界を何としても護りたい。この戦いに必ず勝って皆さんとより素晴らしく、暖かい世界にしていきたいと思います。

 ハーディーンは俺が倒します。だから、皆さんはそれぞれの場所で力を示してください」



 前方を見渡して戦士達の様子を見る。

 皆真剣な顔で目に力を込めて聞いていてくれていた。

 俺は一つ大きく息を吸い、腹から声を出した。



「必ずこの戦いに勝ちましょう! 全軍突撃!!」



「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」」」



 十万人が右手を天に掲げ節々に勝つぞ! と叫びながら行動を開始した。



 隣に立つアーロンさんが声をかけてくる。



「素晴らしい号令だった。やっぱりタクトに任せて良かったな」



「自分では分からないですけど、精一杯やらせてもらいました」



「間違いなく皆に響いたよ。もちろん我々もね」



「素敵ねタクトは。早く平和にして、二人っきりで……ふふ」



「それは、断固拒否いたしますわ! タクトさんお疲れ様でした。わたくしもやる気を出させて頂きましたわ」



「そうですアルフィン様と止めさせて頂きます。皆さんもタクトさんの号令を聞いて覇気が高まっていましたよ」



「お兄ちゃん良かったよ。皆も元気になってたの」



「それなら、良かったのかな」



 とりあえず大役を終えられてホッとした。

 やっぱり大勢の前で話すのは、緊張する。



「それではタクトさん。わたくし達も行動開始致しますか? 皆様も既に動かれています」



 広場を見ると、準備を終えた隊が順次ワープをしている。

 呑気にしていられないなここは先陣を切るつもりでいかないと。



「よし! それじゃあ。俺達も行こうか。暗黒大陸へ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=123401350&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ