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121話 下見

よろしくお願いします

(*- -)(*_ _)ペコリ

 



 アルフィンとシズクの二人にずっと言えずにいた自分の気持ちを伝え、特別な関係になった翌日。



 今日は、世界中から精鋭中の精鋭がルーデウスに集まる日となっていた。

 街の警護に必要最低限の人数のみを残し、余すことなくマギア・フロンティアの総力が集められる。


 その結集の時間は、一四時頃。

 それまでに()()()()をすることにして俺達は現在、バラガン公国を離れ北大陸上空を移動していた。



「約束の時間にルーデウスに行く事になってるけどその前に、この前話した最後の事前準備をしようと思う」



「う~ん? 何かあったかな? 思い出せないの」



 小首を傾げ、必死に思い出そうとしているナエ。



「残された準備と言われますと……暗黒大陸にワープの石盤を設置しに行かれるのですね?」



 アルフィンが確認で聞いてきた。



「あ。それなの!」



 謎が解けて嬉しかったのか。

「答えが分かってスッキリしたの」とウンウンと頷いている。

 一つ一つの仕草が可愛いな。

 とりあえず頭を撫でながら、話を続けた。



「正解。全軍で突撃かけるにしても、暗黒大陸に石盤設置しないとそれも出来ないからね。下見も兼ねてこれから行こうと思うんだけど」



「そうですね。石盤もですが、敵地を知っておくのは私達にとって大きな利点になると思います」



「わたくしも賛成ですが、正直不安もあります。暗黒大陸は、ハーディーンが復活してからの情報が、ほとんどありません。ですのであの場所がどれだけ危険なのかも、分かりません」



 二人が言うように暗黒大陸に行くのは利点もあれば、ハイリスクでもある。

 情報もないし、もしかしなくてもハーディーンは守りを固めているだろう。

 当然厳しい事になるとは思っているけど、でも俺達はこの為にここまで鍛えて来たんだ。

 どのみち、俺達がこの程度でやられる様なら人類は敗北する。

 俺はハーディーンに勝たないといけないんだ。こんな所で負けるわけにはいかない。

 それに、現実として俺達四人は人類で最強の強さを手に入れた。

 だから、自信を持とう。

 俺達ならば大丈夫だと。



「俺達はこの程度でやられる程、柔じゃないよ。修行も死ぬ気で頑張ったんだ。もっと自信持っていいと思う」



 皆がどれだけ強くなったのか、俺の視点で説明した。

 こういうのは自分では分からないものだ。人に言われて気づく事もある。

 それに俺が言ったことは、お世辞でも何でもない。

 話を聞いていた皆は、最後には自信を持ってくれた。



「そうですわね。厳しくて、辛い修行を乗り越えたのです。もっと自分自身を信じましょう」



「よし! それじゃあリューガ。暗黒大陸へ頼む」



「了解した。いくぞ」



 ルーデウス帝国を越え、更に北上していく。

 北大陸を抜けて、マギア・フロンティア最北端に位置する暗黒大陸へと近づいていく。



「……魔力の質が変わったの。凄くドロドロしてて、重たい感じがするよ……。あたしここ嫌い」



「……それに、魔物の気配の数が……数えきれません。何万いえ何百万はいるかもしれません」



「……その奥に、ハーディーンの魔力反応も感じますわ。まだ完全に復活していない筈ですのに……もうここまでの魔力圧力が……」



 ハーディーンの魔力か。

 何だろう少し違和感があるな。



「……今は気にしても仕方ないか。それにしてもここが、暗黒大陸」



 上空から大陸全土を見渡したけど、光が射さず闇に覆われている。空には雷が降り注ぎ、魔物の唸り声が響いていた。


 他の場所とは明らかに違う暗黒大陸特有と言ってもいい、魔力反応とハーディーンの魔力圧力に皆は若干恐怖を感じている様だ。


 大陸の少し離れた所に止まり、上空からワープの石盤を置く場所を探す。

 なるべくなら、ハーディーンがいる近くに設置したい。

 その為には。



「魔物が邪魔だな。蹴散らすか」



 前方には地上も空も覆い尽くす程に大量の魔物が蠢いていた。

 設置するのに魔物は邪魔だ。

 まずは、その数を減らすことにした。



「皆。魔法を撃つから、ビックリしないでね。リューガ大陸の中央へ近づいてくれ」



 一応皆に知らせる。

 リューガが指示通りに飛ぶのを確認した後。

 魔力を瞬時に溜め右手を前に伸ばした。



「ファイナルアルティメット・マジック!」



 この世の全ての属性を兼ね備えた俺の最強の神級魔法。

 俺が定めた空間の範囲内にいる者全てが標的になる。

 距離も高さも、何もかも関係なく。

 実戦で初めて使ったこの魔法は、ただ一発放つだけで数えきれない魔物を喰らった。



 目の前を壁の様に覆い尽くしていた魔物は、その姿を消し視界が良好になる。



「これで、少しのあいだは邪魔されないだろう。今のうちに降りよう」



 声をかけても反応がない。



「皆?」



 一言も話さないアルフィン達を見ると。



「「「…………」」」



 リューガも含め全員が、眼を大きくし口をあんぐりとしている。



「……もう、タクトさんに関しては驚く事をやめようと決意をしておりましたが、これは……規格外過ぎですわ」



 アルフィンの口から漏れるのは存分に呆れも含まれる声質だ。



「お兄ちゃんもう人間じゃないんだね。あたしはこんな魔法一生経っても使えないもん。でも、お兄ちゃんの事は好きだよ?」



 これは、慰めてくれているのだろうか?



「もう、タクトさんだけでいいのではと思いました。私達も、連合軍も不要かもしれません」



「ワレは500年生きているが、初めて見たぞ。こんな魔法は」



 それぞれにリアクションをもらった。

 ま、まぁちょっとやり過ぎたかもしれないけど、設置しやすくなったし結果オーライってことで。



 でもハーディーンも大概だ。

 魔物の数を減らしたはずなのに、作業をしている間にまた魔物の数が増えはじめ襲ってくる。



「タクトさんは、石盤をお願いします。私達は魔物を蹴散らします」



 シズクが斬撃を飛ばし魔物を切り伏せながら言う。



「分かった。頼む」



 また大量に出てきた特級魔物を四人に任せ、俺はワープの石盤をちゃちゃっと作成し設置した。

 壊されないように念の為、石盤を囲う様に超強力な結界装置も作成し設置しておいた。

 直接ハーディーンが出向いて来ない限り、破壊される事はないだろう。



「よし、これで大丈夫だ。ここを離れてルーデウスに行こうか」



 暗黒大陸を離れ、移動することにした。

 リューガに乗り込む前に、一度ハーディーンの魔力圧力がする方向を見る。



「また、後で来る。その時にじっくりと戦おう」



 遠くからこちらを見ている気配に言葉をかけこの場を離れた。


一週間程お休み頂きましたが、これからまた頑張って参ります!

よろしくお願いします!

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