100話 邪神ハーディーン
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「人間は、お前のオモチャじゃない。自分に従わないから滅ぼすって、神はそんなに偉いのか?」
俺の質問にハーディーンは、玉座に肘を置き頬杖をついて偉そうに言い切った。
「また珍妙な事を言う。偉いから神なのだ。この世のすべてを神が決めて、神が造り、神が選ぶ。そんなもの常識であろう? 故に、神は絶対であり神は敬われる存在なのだ」
人間をとことんまで見下した、ムカつく顔をしている。
「俺は神は信じていない。まして、お前みたいな邪神は論外だ。その偉そうな態度も気にくわない」
「ほんに。人間は、400年前から何も変わっていないな。傲慢で、自分等がいかに矮小な存在だと、認めない。まぁそれは今に始まった事ではなく、400年よりも前からだが」
……今なんて言った?
……ハーディーンは400年前にマギア・フロンティアに突然現れ、宣戦布告をしたとユーリは言っていた。
それだと、まるで。
「……なんだよ。その口ぶりからすると、400年前よりも人間を知っているようじゃないか」
少しでもコイツの情報が欲しいから聞いてみた。
「そなた。女神から何も聞いていないのか?」
……え?
「その反応は、本当に聞いていないのだな。
…………フム。あれも、何を考えているのか……まぁよい。ユーリ・ライゼ・トランスヴァールから、神を倒せる力を持つ者をと、言われそなたを送ったと思っていたが」
ユグドラシルの方向を訝しげな目線で見据える。
「……どういう意味だよ。お前は……」
もしかして、こいつは……。
「フム。それ以上を聞きたければ、余を満足させてみせよ。400年も、あの男のせいで不自由の身だったのだ。退屈で退屈でな……。だから、そなたらの健闘次第では話してやろうではないか。見事、神にそれを示してみせよ」
右手を肘置きから、上へ持ちあげると手のひらを俺達へと向けて挑発のポーズを取った。
「どこまでも、偉そうに言いやがって。それに、神、神うるせぇんだよ! はあぁっ!」
瞬時に莫大な魔力を纏い、ハーディーンに突撃をかける。
「私もいきます! やあぁぁぁ!!」
シズクも、聖剣を携えて駆け出した。
「あたしもやるの! えーい! 大雷音!!」
ナエは雷属性の特級魔法を放つ。
「わたくしは、精霊の大歓喜!!
アルフィンはデバフ魔法とバフ魔法をかける。
「フム」
ハーディーンは魔法を打ち消すでも、防御を取るわけでもなく、それらをじっと見るだけで動こうともしない。
一斉に、俺の魔法装填の拳打と、シズクの破魔を纏った一刀と、ナエの特級魔法、アルフィンのデバフ魔法がほぼ同時に着弾する。
しかし。
それらは全てハーディーンに当たる前に弾かれた。
ハーディーンを注視すると、曼陀羅みたいな文字列が幾重にも折り重なり、ハーディーンの体を包む様に空中に浮かんでいる
俺達の攻撃は、その曼陀羅によって全て防がれていた。
「やっぱり。使ってたな」
これがユーリが言ってた最強のシールドってやつか。
このシールドがある限り、どんな攻撃も魔法も無効化されてしまう。
「それなら。アルフィン頼む!」
「はい! いきます!」
このシールドは、アルフィンの治癒魔法で消せることは分かっているから、治癒魔法をハーディーンにかけてもらった。
治癒魔法は、ハーディーンを包み込む。
それも曼陀羅が防ごうとするが、「ジュウジュウ」と音を鳴らして、シールドを溶かした。
「……む……。その力は。そなたトランスヴァールの女と同じ力を」
ほんの少し驚きの表情を浮かべると、アルフィンに視線を向け拳打を撃ち込もうとするのが分かった。
「やらせるか!」
アルフィンの体を抱きしめ、直感に従って攻撃を回避する。
俺の首の直ぐ後ろを「ブオンと」打撃が通過するのを感じた。
「タクトさん。ありがとうございます」
「いや、大丈夫だ。でも、これで」
「はい。ハーディーンを守るシールドは破壊された筈です」
「なるほど。余の対抗策は考えてきていたのか。人間の癖に、中々やりよる。ではその頑張りに応えてやらねばな」
シールドを破壊されてやる気を出したのか、初めて玉座から大地に降りた。
そして。
両手を左右に広げ構えを取って言った。
「元々、人間に触れさせない為にあの守りを用意したのだが。
あれを破壊出来るのなら、サービスだ。相手になってあげようではないか。神は寛大だからな」
「へえ。それはそれはありがたい事で。皆、いくぞ!」
「はい! もう一度かけ直します! 精霊の行進!」
俺達のステータスを上げて、アイツのステータスを下げる。
今度は曼陀羅に防がれることなく、ハーディーンの体にデバフ魔法が当たる。
「ぬう」
アルフィンの同時魔法が効いたのを確認して、先程と同様に、一斉に攻撃を加えていく。
シズクと左右から拳と斬撃を撃ち込む。
「フム」
それを両腕に超高圧の魔力を纏い受け止める。
だが、俺達の攻撃を受け止めた事で一瞬の隙が出来た。
ナエがすかさずに魔法を撃ち込む。
「えい! 大風猫!」
猫の形をした魔法がハーディーンに襲いかかる。
「連携は、見事」
バカ力で強引に俺達を引き剥がし、右手でナエの魔法を殴り飛ばした。
「今のでも……防ぐのか」
これでも有効打にならない。
悔しいけど、コイツは強い。
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