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転生の始まり

よろしくお願いします!


 


 突然だが俺は。

 三十五年の人生を終えた。

 いつも通りに会社に出勤しようと、そこそこの交通量のある大通りを歩いていたら、道路に飛び出した子供が車に轢かれそうな所を目撃した。

 頭で考えるよりも先に体が動いて……子供を歩道に突飛ばして代わりに俺が車の下敷きになった訳だ。


 即死だったらしく、痛みは感じなかったからまだ良かったのかもしれない。

 誰も好き好んで痛い目に会いたい訳ではないだろう。

 それは俺も同じで、出来ることなら痛いのは勘弁願いたい。

 それなのにこんな事になったのは、ちょっとだけもしかしたら他の人よりも困っている人がいれば放っておけなかったり、悪い人は許せなかったり等その度合いが大きかったのかもだけど。

 まぁ。

 そんなこんなで、普通にどこにでも居る善良な市民だった俺は――現在白い不思議な空間にいた。


「ここ何処なんだろうな。多分漫画とかだと、あの世だとは思うけど。でも、三途の川を渡った記憶はない。て、ゆーかトラックに轢かれた後から、記憶はないんだけど」


 周囲をぐるりと見渡して見るが、白、白、白。

 淡い白色一色で、建物も無い。


「まいったな。誰も居ないんだろうか。漫画とかゲームだとこういう時、イベントが起きるんだが」


「こんにちは」


「うおわぁあっ!!」


 数秒前に周囲を見渡した時誰も居なかった筈なのに、いきなり背後から声をかけられ動いていない筈の心臓が鼓動を早めた気がする。


「え? 何で? 誰も居なかったのに……」


 振り向くと、美しい銀髪で絶世の美女と言ってもいいほどの容姿の、どこか神々しい雰囲気を持つ女性が立っていた。


「……えっと……どちら様ですか? ……あと、ここはどこですか?」


 突然声をかけられてびっくりしたが、ここが何処か気になったので一応質問してみた。

 この人は明らかに普通の人とは違う雰囲気を感じるから、もしかしたら何か知っているかもしれない。


「驚かせてしまいすいません。ここは、現世とあの世の狭間に位置します。そして私は……貴方がたの言葉では、女神と言う存在になります」


 この女の人は女神だった。

 やっぱ女神ともなると、美人と相場は決まってるんだろうか。


「貴方は子供を庇い車に轢かれて亡くなりその後、魂がこちらに流れ着いたのです。……人は亡くなった時には、皆ここに来ることになっているのです」


 やっぱあの世みたいな所なんだな。


「私は貴方が生きている時から、この場所から見させてもらっていました。どういう生き方をして、どういう風に人々に接していたのか。貴方は、真面目に生きて困っている人がいれば助ける。とても良い生き方をしていましたね。……本当は長生きをしてもらいたかったのですが、人にはそれぞれ運命が定められています。そして……貴方の運命は特別……」


 俺の運命が特別……なんだろう気になる。


「そんな貴方に実は……お願いがあるのです」


「お願い……ですか?」


「はい。是非とも一つの世界を救って欲しいのです」


「えっと……いきなり過ぎてちょっと何を言っているか……」


 いきなりこんな場所で世界を救って欲しいと言われてもな。

 俺が戸惑っているのを感じたのか、女神は説明を始める。


「申し訳ありません。混乱させてしまいましたね。

 説明をさせて頂きますので、わたしの話を聞いてもらえますか?」



「はい。俺もどういうことか気になるのでお願いします」



「それでは説明させて頂きます」



 そうして、女神から様々な説明をうけた。



 救って欲しい世界とは、凶暴な魔物が蔓延り(はびこり)、邪神なるものが人類を滅ぼし、世界征服しようとしている異世界だという。邪神が世界征服をして、聖樹ユグドラシルを破壊されると他の平行世界。しいては、俺の前の世界にも侵略されると説明された。



 正直信じられる話ではなかったが、前の世界には家族や、親しい友人達もいる。

 もし本当の事ならそこに侵略されることは何がなんでも防がないといけない。

 もしそんな事になれば皆が……。

 その為に俺に出来ることがあるんだろうか。



「そして、私からのお願いですが。

 その異世界に、アルフィンと呼ばれる王女がおり、王女は邪神に対抗できる力を持っています。

 貴方には彼女を護り、共に邪神を倒してほしいのです。

 邪神は強力で、そのまま転生しても対抗することは叶わず殺されてしまいます。力を貸してくださるならば必要なギフトを与えます」



 異世界に、王女に、邪神か……。

 その邪神が俺の家族達を危険にさらそうと言うのなら、俺に阻止できる力があるのなら。

 やってやろうじゃないか!



「どうでしょうか? 私のお願いを聞いてもらえないでしょうか?」



「正直信じられる話ではないですが、あなたが嘘をついている様子でもないですし。それに俺の家族達を護りたいから。

 ギフトをください」



「私を信じてくれてありがとうございます。それではギフトを授けます」



 そこで俺は、転生することを承諾して、ギフトを貰うことにした。



 そのギフトが


 ①イケメン


 ②魔力(女神いわく魔力は本人の資質により、変動するらしい。俺のはかなり多いみたいだ)


 ③ステータス表示(魔物のステータス、人物名、称号等、自分のも見える)


 ④英雄の身体能力


 ⑤???の称号(称号? これは分からないな)


 ⑥???(これも分からない)


 ⑦経験値ブースト



 5個目と6個目は異世界に行った時に分かると女神が言っていた。


 イケメンにしてくれたのと、年齢が若くなったのは何故か聞いてみると。

「オマケです」らしい。

 少しでも、異世界で俺が特をするようにと、長生きして欲しいからだと身体を20才にしてくれた。


 それと転生先もアルフィン王女の近くまで送ってくれる様だ。



 7個もギフトを貰ってしまった。

 イケメンは正直嬉しいかな前世はほとんどモテなかったし。

 鏡がないので自分の顔が見れないので、確認出来ないのが残念だ。


 魔力は物騒な世界に行くなら戦う力は必要だし、身体能力も経験値ブーストも嬉しい。


 ステータス表示は助かる魔物は見たことないから、情報が分かるのは大きい。



「それでは。そろそろ転生先に送らせて頂きますね」



 貰ったギフトを確認していると、いよいよ出発の時が来たみたいだ。



「転生先はどんな世界なんですか?」



「魔法がありのファンタジーの世界になります」



 完全に異世界だな。

 そういえば魔法の使い方分からないけど大丈夫だろうか。



「最後に、転生しましたらある人物が助けてくれるはずです」



「ある人物って誰ですか?」



 女神に聞こうとすると。

 俺の体を光が覆った。

 転生が始まったみたいで、段々と体が透けていき、意識も段々と薄れていくのが分かる。

 そういえば、前世の俺を見ていたとか、俺の運命は特別だと、女神が言っていたが……どういう意味だろう?


 今までとは違う世界で生きていくのに、不安とプレッシャーはあるが皆を救える様に頑張ろう。


 そうして俺は異世界に転生されました。

お読みいただきありがとうございますm(__)m



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