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勝利の栄光を俺に!!


俺はレアと相談しつつ無事に壁の設置を終えた。中々の出来栄えに俺達は思わず声を上げてしまったぐらいだ。




「とりあえず完成だな!かなり嫌なダンジョンになったよな?」


「そうね……中々面倒なダンジョンだと思うわ。時間稼ぎには良いかもしれないわね……」




無界から俺達のダンジョンに入ると、シンプルに道が1本だけ奥へと続いて行くと言う簡単な設計となっていた。

壁の設置幅はシステム的な都合なのか、最低2mの通路を確保しなければならなかった。


30㎝の通路など攻略不可能だからな……しかたないよな。



俺はその最低2mの道幅を維持させて、入口からダンジョンコアに繋がる扉までを、空間一杯に蛇行させた。



2m間隔で蛇行する道は、敵の進行速度を遅らせるには十分すぎると実感できた。2m間隔で曲がらなきゃならないなんて苦痛だろ……



いや……実際歩いたんだけどさ、扉まで10分近くかかったのは正直驚いた。もうあんまり歩きたくはない。



ダンジョンはこれで問題ない。あくまでも今の所はだが。致命的な問題は侵入者を撃退する力が今の俺にはない事だろう……



いくらダンジョンを複雑にしようと、ただ死ぬ時間を引き延ばしているに過ぎない。




「このままだとさぁ、せっかく出来たこのダンジョンも意味がないのよね……早急に対策しなきゃいけないわよ?」


「……そうだな。ホーム画面のその他って項目に、なんか色々載ってたよな?ちょっと見せてくれ」




レアは手早く画面を操作して行くと、その他の項目を開いて俺へと向き直ると、俺はレアの横に並び画面に目を通していく。




「文字が暗くなっているのはDP不足だな、今取得出来るのは……ダンジョン内転移に、共通語変換、魅惑の看板①、ホーム移動だけだな」



【ダンジョン内転移】 【DP 1】


ダンジョン内の任意の場所へ転移することが出来る。※ダンジョン内で戦闘中使用不可




【共通語変換】 【DP 1】


どんな言葉も共通語に変換する

※ダンジョン内でのみ常時発動




【魅惑の看板 Level 1】【DP 1】


ダンジョン内に設置可能。魅惑の効果で人気者!




【ホーム移動】 【DP 1】


ホームを任意の場所へ移動させる

※知らない場所は不可

※24時間経過で再使用可






「やっぱり地道にレベリングになりそうだな……せっかくだし、ダンジョン内転移は取得するよ。共通語変換は必要だと思うか?

まあ……魅惑の看板は効果もわからないし保留で、ホーム移動も今の所は必要ないだろう」



「残りDPはまだ5残ってるから私も賛成よ!

共通語変換は……私は持っておいても良いと思うわ!

仮に陽が英語や中国語……人間界の言葉を全部聴き取れるって言うなら必要無いかもしれないわね。





いやいや……正直日本国内でさえ、方言バリバリだったらわからないと思います。


最悪言葉わからなければ更に不利になりそうだし、取得一択で問題ないだろう。





「……少しでも不利になるのは回避したいと思う。転移と共通語変換を取ってくれ」



「りょ〜かいっ!言われた通り取得するわね」




後は死なない様にレベリングをしなければならないよな……期間は1週間、その後は迂闊に外も歩けないかもしれない。早目に戦闘系スキルを取っておきたいってのが正直なところだ。



ステータスが低い分かなり不利な状況に、無意識に陽は唇を噛みしめていた。




「レア……俺達が有利になりそうな事を調べておいてくれ。俺はもう1回レベリングしに行ってくる」



「……わかったわ。あ、あまり無理しないでよねっ!」




俺は素直に頷くと、意を決して無界への出口へと向かって行くのだった。






…………



……





「ノアァァァァッ!!無理無理っ!!」



俺は今まさに、死に物狂いで走っている……あか〜んっっ!!ゴブリンでさえも死ねるのに!


ひとまわりデカくて武装したゴブリンとか無理でしょっ!?




「イヤァァァッ!!!死にたくないぃぃっ!!!」


「グギギッッギ!!」




武装している分スピードは俺の方が少し速い!一気に撒いてやるぜっ!


更なるスピードで逃げて行く陽。しかし、現実はそんなに甘くはなかった……そう、俺の貧弱なステータス……身体能力は正直だったのだ。




「ゼハァゼハァ……やば……もう無理……だ」




陽は立ち止まり、膝に両手をついて苦しそうに呼吸をくり返していた。



ヒューヒューと気管が鳴り大きく肩で呼吸する姿は、誰が見ても限界だと思ってしまうだろう。

対して、少し遅れて迫る武装ゴブリンに陽ほどの疲れは見られない。




「ヒュ〜……バ、バナナ……皮……ヒュ〜……」




陽と武装ゴブリンの間に突然現れた、黄色いそれに武装ゴブリンは、何事かと視線を向けマジマジと観察していた。

俺はチャンスとばかりに奴へと言葉を放っていく。




「い、いいか……ゼハァ……ぜったい踏むなよ……ぜったい踏んだら……ダメだぞ!」




盛大なフラグをかけた俺は、少しでもスタミナ回復に存念して行く。バナナと俺を交互に見る姿はまるで、踏むな踏むなと言われたら踏まなくてはいけない使命感を掻き立てられる、関西人の血を抑えきれないが為のものだろうか?いや、そうであって下さい!




「踏むなよ……ぜったい踏むなよっ!」




俺はここぞとばかり声を上げた!

ゴブリンは俺をジッと見つめていた……そして、そっと申し訳なさそうにバナナの皮を跨いだのだった。





テメェェッ!!!そこは踏む流れだろっっ!!





無情にも再開されてしまった鬼ごっこ……陽はホームへと向けて再び駆け出すのであった。





チクショぉぉおお!!!






第1話から読み直したところ、文面の修正が必要な箇所がいくつかありました。ホントすいません!

時間ある時に修正いたしますので、読者様の素晴らしい脳内変換にて読んで頂きたいと思います……


是非是非、お気軽ににコメントやレビューを書き込んで頂きたく思います!



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