無界の争いパートナー概要
【無界】統一者がおらず世界としても不安定。現在俺がここに居る理由……無界の統一者を賭けて無界で争いが繰り広げられているらしい。
無界を統治する覇者が現れた時、7つ目の世界となり新たな無界が誕生する。
要するに……新たな世界が出来るってわけだな。
この争いは各世界から自由にエントリー出来るらしいが、無論人間界ではそんな話聞いた事もない。
「まあ、人間は人間界だけを見てるんだよねぇ……視野が狭いんだよ。人間の平均寿命も短いししかたないかな。」
「確かに人間はそんな感じだな。でも、なんかセコくないか?人間界だけ知らされずにノケモノって事だろ?」
女性は可愛らしく指を口元に添えて、考えている仕草をしていた。腕に押し付けらた胸を俺は見逃さなかった……
「ん〜……確かに。でも、人間にもメリットはあるんだよね!実は無界の争いは少し複雑なんだよ……
エントリー自体は誰でもできるんだけど、条件はパートナーと一緒に参加する事が決められてるのよ」
その後、彼女が話した内容に俺は納得してしまう。
エントリーした者は、パートナーの手助けをするサポーターになるという事だった。
無界の争いに参加出来る条件は、エントリー期間中にエントリー者はパートナーと契約した者2人と定める。
①パートナーのみが争い事に参加出来る
②パートナーとエントリー者は、覇者が決まるまで無界から出る事を禁ずる
③パートナーを変更する事は出来ない
④パートナーの魂が無界で消滅した場合、無界の争いに再エントリーは出来ない
…………
……
「最後468番パートナーが覇者となれば、エントリーした者とパートナーの願い事を各々1つ実現する事が出来る。以上がパートナー項目の概要だね。」
「……ん?了解……」
彼女は何故か険しい顔で額をピクつかせていた……。な、なんだよ⑥項目迄はちゃんと聞いてたし……
「ま、まあイイわ……私がちゃんとサポートしてあげるわよ……要するに寿命が短い人間がパートナーに選ばれる可能性が高いってことよ」
彼女曰く、神や悪魔、幽霊の寿命はほぼ無いに等しくパートナーとしてエントリーされる事はほぼ無いらしい。
稀に獣人などがエントリーされたと言う情報を聞くらしいが希少な例だろう。
獣人の平均寿命は300歳、妖精に至ってはその10倍……あからさま人間差別だろ……
無界の争いのエントリー期間は10日間らしく、現在は各世界で血眼になってパートナー探しが勃発しているらしい。
無界の争いは突発的に発生したらしく、この辺は平等だと思う。
「ん〜……大体は理解した。で、なんで俺なんだ?」
「え……あ、あの……そ、その……!」
動揺する姿に俺は確信した。この先は、俺のターンのようだな……ふ。
「君の瞳は非常に珍しいよな。黄色と水色の綺麗なオッドアイなんてあまり見ない」
「ま、まあね……私のチャームポイントでもあるのよ……」
「まるで猫の様な整った顔立と、猫の様な綺麗なオッドアイ色だな……下着の色と黒髪がまるで黒猫みたいな印象だと感じたんだ」
「……へ、へぇ〜」
確定だな……こいつはあの時の黒猫だ。不吉を呼び込む黒猫とはよく言ったもんだな。