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プロローグ

タイトルの案があればメッセージお願いします。

「先生、僕は学校にもう来ませんよ」


仮面の中からこもった声が漏れる。


氷狐(ひょうこ)、そんなこと言うな。来てみたら意外に楽しいかもしれないぞ?」


狐のお面を付けて、下を向いている僕の方を、気持ち悪いでも見る様な目で僕を見ながら言う。心に思っても見ない事をいうのが教師という者は実にうまい。そんな事を思っている僕を置き去りに彼は、学園祭がどうとか、期末試験がどうとか、進路がどうとか次々に言ってくる。


「それにお前の友達も寂しがってるぞ」


教師の言葉を聞き流していた僕にしびれを切らしたのか彼は言ってはいけない事を言った。阿保な教師には理解出来ないのかもしれないが、クラス全体からイジメを受けていた者に友達がいる筈もない。僕の頭には血が上り立ち上がって帰ろうとしたその瞬間、僕は窓の外の晴れた空に目線を移す。そこにはある筈の無い、青い円があった。円は目線を引き寄せる力の様なものを持っていて、僕は慄きつつも目が離せなくなってしまった。教師も異変に気付いたか、同様に円を見て驚き、固まる。僕は5秒ほど食い入る様に見ていたが、我に返り、走り出す。近くに置いてあった鞄をひったくる様に掴むとドアを勢いよく引き開け廊下に走り出す。青い円の中には文字が螺旋状に現れ、段々と光り始める。円の中の文字が円を覆い尽くした時には、直視する事が困難な程の光りを発していた。普通、突然こんな物が現れ得れば混乱は避けれなさそうな者だが、校舎には一切の音がなく、外にある木々の擦れる音すら聞こえてくる程だった。僕も教師も、多分この校舎にいる者、全てが原因不明の金縛りにあっていたのだ。校舎の玄関先までたどり着いていた僕は校門の外で歩いている人を眺めつつ、半ば諦めていた。でも、諦めのお陰で恐怖に駆られる事は無かった。

金縛りが起きた数秒後、校舎の全てが淡い光に包まれ、僕は背中から強く押された様な感覚を感じつつ、気を失った。

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