シャドウ討滅「魔晶石の位置特定」
西、北、東にチームを分けた日中班はそれぞれ魔晶石の探索に当たる、一方西チームに当たっていたリクシオは自分の身体強化箇所の増加に喜んでいたのであった。
腹を空かせて晩飯時に戻ってきた俺たちは目の前のご飯で空腹が抑えられなかった
「最近まともに作物の世話ができてなかったと聞きましたがこんなにいいんですか?
報酬までもらっているのに...」
「いただきますなのじゃー!」
「いいんですよ、動物に作物が荒らされてるわけではありませんし、何より被害が出る前にこうしてお越しいただいてますから。」
「夕飯をいただきながらになるが念のため時間が惜しい、軽いミーティングといこう」
一等兵の先輩がそう告げる
「まず俺たちのほうだ、北ウルフが計5匹ほどいたが特に問題なく処理した」
「次は私たちですね、東シャドウ2とウルフ1でした。被害は無しです」
この人は一等兵のカレン、この小隊唯一の女性銃撃士である
「西はシャドウ1ウルフ1でした個別撃破で被害は無しです」
「全員特に問題なさそうだな、様子からするに魔晶石は北側だろう」
クリフがドアを開けて入ってくる
「ここからは夜間組の俺たちの番だ、ゆっくり休憩しておいてくれ、もし緊急時にはたたき起こしに来るがな」
「緊急時なんてあるのかえ?」
「お昼時にちょろっと言ったように夜魔物は同種が集まると融合することがある、シャドウはハイシャドウに、ウルフはハイウルフにといった感じだ
大体は融合した数に応じて大きくなるだけだが、大きくなると数いたころよりも随分と強くなる傾向にある、そうなるとかなり危険だ」
「なるぅほどのぅ」
「こら、だから口にもの入れて喋らない」
「それじゃ、いってくるぜ」
「気を付けていってくるのじゃぞー」
「さて、ではミーティングの続きといこう、今回特に目立ったことはあったか?」
「んーと特に思い当たりませんねぇ。」
「こちらも報告通りに魔物がちらほらうろついていて処理したくらいでした。」
「どこも同じなようだな、まぁ夜間になると光に向かって集まってくるから防戦になるだろう
3匹の融合したハイシャドウ、ハイウルフ程度なら十人長がなんとかしてくれるが5匹融合になると流石に手を焼くだろうから
まぁそれプラス何匹かーになってくると2等兵が起こしに来るだろう」
「そこぅはあいてむはんじゃないのかえ?」
コイツはまた...
「アイテム班は怪我の治療に手一杯になるからな、二等兵の緑魔法使いが足に風を付与して急ぐってのも一つの戦場作りの役割になる」
「なるぅほどのぅ」
「まとめると被害は無し、警戒は報告通り、以上でいいな。予定通りに事が進んで何よりだ。あとは各自次の呼び出しまでゆっくりしていてくれ」
この後あんなことになろうとは誰も思いもしなかった...
.......................
「ティオちゃん無事だった~?リクシオや他のメンバーに変なことされてなぁい~?」
何故団長がここにいるんだ
帝国騎士団長の座にまでなるといつも急務で前線にいるはずだそれが何故ここに...
ニコニコとティオにほおずりをしている
「ここはご飯もおいしくて快適なのじゃ!リクシオ達も戦闘頑張っておったぞ!日中は全員無傷なのじゃ!」
「リクシオも偉いわね~!よしよし!」
お決まりか、胸で苦しい
俺自身身長は低いほうだがそれでも幾分身長の低いエルフである団長に対して
俺は少し前かがみになる形で胸に抱き寄せられている
(ママだ...)
(ママだ...)
(ママだ...)
(ママね...)
(ママだ...)
幼い頃から帝国に預けられ、その頃からエリエルから弟のような息子のような扱いを受けている。
他の帝国寮に入ってる子達にも同じような扱いをしている
「皆も無事なようで何よりね!安心したわ!」
「それより団長忙しいのでは...」
「転送者に頼んでテレポートしてもらったのよ!ほら!」
といって扉の後ろにいた人物を引きずり出す
「どうも...」
「あ、アリアさん」
彼女はアリア・ベル、主に白魔法と風魔法を得意とした魔導士で
空気空間で座標を読み取り、白魔法で形成する上位魔法であるテレポートを得意としている
エリエルの幼馴染でかなり大人しい、というか人見知りである。
「というか一緒に連れてきちゃって!アリアさんも忙しいでしょうに!」
「いいのよ!すぐ帰るから!アリアもティオちゃんの話したら心配してきてくれたのよ!」
(お、この人もなかなかママみがあるぞ...)
「無理やり連れてこられただけです」
(違った)
「では、様子も確認しましたし帰りますよ」
「あーんまだ待って!皆とお話ししてな...」
強制連行されていった...嵐のようだったが心配してきてくれたのは十分伝わった。
本来テレポートには座標の特定に少し時間のかかるものだが帝都のテレポーターが補助器となり、そこを座標指定することで即時転送することができる
また団長自身もエルフである為マナ感応力が高く、連れて行くにはとても楽な部類に入る
「さて、ママも帰ったことだし各自休息にしよう、せっかく個別で部屋も用意してもらったしな」
「私はリクシオと同じ部屋で良いかの?」
「もちろん構わない」
「わざわざ一緒でなくてもいいだろうに」
「良い良い♪」
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特に何事もなく夜は明けた
「うむ、何事もなく良き日であったな。」
朝日を背に宿屋の入り口でクリフが得意げに言う、がところどころ治り途中の傷があるのとポーションが17個になっている。
ポーションとは白魔法と水魔法で構成された傷口の修復を促進する魔法液である。
帝都では割と格安で手に入るが外では白魔導士は貴重な為少しお高い様子。
「十人長が相手したのはどんなものでしたか?」
「北側、シャドウ5、ウルフ3、ハイシャドウが1、ハイウルフが3だ。」
よくもまぁハイモンスター相手にそれだけの傷で終われるものだ
「こちら北西はシャドウ3、ウルフ10ですね。」
「俺達北東はシャドウ3、ウルフ8」
残りの二班の方がそう告げる
4人中二人が傷の修復中のようだ。ということはクリフ兄貴は一つしか使ってないのか...
「やけにウルフが多いですね。」
「この様子だと魔晶石はハイシャドウのコアになってるかもしれないな、ランクⅠを超えることは無さそうだ、今日の日中班で決着がつきそうだな。」
「気になっておったのじゃがそのハイのつく魔物はどんな数が融合してもハイなのかえ?」
「ランクⅠの魔物がハイがつくようになるよ、例えばシャドウ10体が融合した程度の戦力以下の場合ランクはⅠでハイ、20体融合した戦力がⅡでメガという風にⅩまでシャドウの10体毎融合後の戦力を基準にランク付けされる
Ⅰから順番にハイ、キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ、ヘクサ、ゼタ、ヨタとなってる」
「戦力はバラけているときとどう違うのじゃ?」
「具体的に言えば2体が融合したハイシャドウはシャドウの1.1倍ほどの戦力、3体だと1.2倍という具合にシャドウに限らず、各個別時より戦力は1体毎に1.1倍ほどに増えていくと言われている。
つまりシャドウ100体が合体したⅩランクとなると、シャドウを約13781体を同時に相手するのと同じ戦力になるね、ランクⅨでも約5314体を相手取ることになる。」
「ひゃぁ~途方もない数じゃのう」
「ランクⅨ以上を一人で倒しのけるのが『戦力英雄』と呼ばれる人達さ」
「また英雄様の話か?お前は目の前の事から精進していけ」
クリフに頭をくしゃっと撫でられる、自分が小さいのもあるがクリフは大きい2m近くあるだろう
「どうせぱっと見でランクなんて分かりはしないんだ、守るべきものがいる以上戦う、それが兵士だ」
クリフはそう言ってのけると少し恥ずかしそうに自室へ向かっていった。
そんなクリフをティオはきらきらした目で追っている、尻尾でも振ってそうだ
「まぁもっとも夜になってやっと2~3体近場に沸いた奴と融合する程度だし、この付近で確認し俺たちに任されているのはせいぜいランク0〜Ⅰ、今回の予測最大がⅡ、ランクⅤを超えるような大規模融合も滅多にあるものじゃない」
「知っておるぞ、そういうの口にすると出るんじゃぞ」
「なんでそんなこと知ってるんだよ」
「とにかくハイモンスターが出てきた以上北側に魔晶石があるのはこれではっきりしたな。日中のうちに魔晶石を探し出して破壊しよう」
「「了解です」」
ティオと出会い3日目




