シャドウ討滅「魔法と属性」
戦えないなりの動きと初めてティオに見せたリクシオ達は、村に着く直前で魔法を行使していない時にティオに耳と尻尾が生えていないことに軽く触れ、村にたどり着く、1小隊で15体の魔物を数秒で壊滅させた戦力を前に村人たちは見るのも初めてではなかろうに興奮していたようだった。
お昼が過ぎたころ、団員達は十人長であるクリフを除き、ツーマンセルで警戒にあたることとなった。
一応ティオはまだ正式な軍人ではない為人数にはカウントされず、ペアにはエディルと警戒することになった。
「まずは魔晶石の方角を絞ろう、南からこの村に来たから西、北、東から探索していこう」
「「了解」」
村を出て西の少し離れた森の中を警戒に当たる。
日が高く登り背の高い草があまり生えておらず森の中とは思えないくらい見渡しが良い
恐らくある程度の近場は踏み入りが多い為背の高い草は生えてないのだろう
「リクシオはいいよなーそんな可愛いこ拾っちゃってさー」
「ちょ、おま言い方考えろ言い方」
「事実でしょうよぉ、はいズルでーす」
「なんなんだよ...」
「そなた等は仲が良いのぅ」
「一応幼馴染だしね、エディルの方が年齢は一つ下の20だけど」
「改めて自己紹介しようか、ティオちゃん、俺はエディル・ライア、十人長であるクリフ・ライアの弟だ」
「なんと!兄弟であったか」
「腰にあるこの片手剣を使用した戦闘を主にしている、俺はアイテム班ではなく戦闘班だけど、アイテム班のこいつ(リクシオ)との連携を考えよくペアにされてる。
見ての通りこいつとは違い前線に立つからフルプレートの装備だよ。戦力としてはそうだなぁ少しだけ赤(火)のエンチャントソードが使えるくらいかな。」
「こやつも腰に剣を下げておるぞ?」
「使いこなせないんだよなぁ」
「あーあー聞こえなーい」
「お、単体のシャドウだ、あれなら一人で倒せるんじゃないか?鍛錬にいってこいよ」
「そうだな、できることなら経験値にしていきたいし」
言うや否や走り出す、距離20mほど
シャドウ相手なら3体、ウルフ相手なら1体までなら普通に対応できる
足に意識を集中し魔力を込める、これで少しは加速になる
エンチャントランクⅠしかも体の二か所までしか集中できない、属性は赤(火)
シャドウの胴体を左足で蹴り上げそのまま上から右拳を叩きこむ。
バウンドしたシャドウに向かって一歩踏み込みそのまま右足で横なぎに蹴り飛ばす
スムーズに入ったコンボ、が違和感を覚える
飛んで行ったシャドウは木にぶつかりそのまま塵に消える
「アイテム班とは思えないくらいスムーズなコンボだったなぁ」
「すごいのじゃ!両足と右手に薄い火が見えたのじゃ!」
「今なんて?」
「のじゃ!」
「お決まりだけど違う!その前!」
「? 両足と右手に火が見えたのじゃ」
ティオは何か変なこと言ったか?と言わんばかりのきょとんとした表情でこちらを見つめている。
ティオの言った通りであれば今俺は3か所にエンチャントをしたことになる
俺は2か所までしか体にエンチャントできなかったはず
「おい、ティオちゃんの言う通りなら...」
「分かってる、俺の身体強化箇所が増えたことになる」
「そうなのか?」
「魔法には3種類あって。放出、エンチャント、身体強化の3種類がある。魔法は複数同時に発動できて人や魔法内容、環境によってその数や威力が変化する。
例えば今のティオが10人同時に飛ばして8人までコントロールできるように、俺は身体強化の二か所までしかコントロールできなかった。」
「私が3か所火が見えたとなると?」
「俺自身違和感があったから恐らくマナ感応力の高いティオには低ランクのエンチャントでも見えたんだろう。」
「やったな!鍛錬の成果が出てきたぞ!昔は一か所だったしな!」
これでまた一歩強くなれた...!
「でもお主いま3部位しか使っておらんかったではないか、もしやもっとできるようになってるやも知れぬぞ?」
「お、そうだな。両手両足に集中してみよう...どうだ?」
「さっき話してたランクとはいくつまであるんじゃ?」
「Ⅹから順にⅠまである、さっきの戦闘中がⅠになるな」
「だとしたら今は4か所にⅠマイナス以下が分散しておるな、Ⅰが使い物になるギリギリの範囲だとしたらこれでは実践は無理そうじゃ」
「残念」
「だとしても成長は成長だ!よかったな!俺も剣にエンチャントできるようになったけどⅠの赤(火)だけだし」
「ついでにマナの話もしておこう、マナとはナチュラルマナとフィジカルマナの2種類がある」
「マナと魔法は違うのかえ?」
「魔法が現象としてマナは魔法のためのエネルギーのこと。ナチュラルマナとはその名の通り大気中や大地、植物からあふれるマナで、放出系の魔法の強弱に影響する。フィジカルマナはその人に宿るマナのことで、その人自身の魔法の強さに影響する」
「なるほどのぅ」
軽く説明をしながらリクシオたちは巡回に進む
.................
先ほどの場所からあまり離れていない森の中を進んでいると
「お、こんどはウルフの単体か、次はいいところ見せてくれよエディル」
「ティオちゃんもいるんだ、任されよい」
こちらも言うや否や走り出していく
剣が俺にも見えるくらいほのかに赤くなるまずは縦に一線
こちらに気づいていたウルフはバックステップで回避する、が
エディルは一線した勢いのまま体を回転させ更にステップ中のウルフに横一線
見事に横真っ二つになり消滅していった。
「流石戦闘班だ、あっという間だな」
「凄いのじゃ!剣から赤い炎が見えたのじゃ!」
「ティオちゃんやっぱり俺の剣気のレベルでも見えるんだね!凄いよ!」
「いや俺でもほのかに見えるようになってたよ、Ⅱとかあたりじゃないかな?」
凄いのじゃ!凄い!凄いのじゃ!凄い!凄いのじゃー!と繰り返してる二人を他所に考え込む
相手に依るのかもしれないがやはり低級魔物、武器や甲冑等の防御手段の乏しい相手には打撃より斬撃のほうが圧倒的に強い
例え防御されてもそれがどの部位でも致命傷足り得る
「そういえば属性にはどんな効果があるのじゃ?」
「エンチャントの場合赤、つまり火には切断力を高めたり、打撃箇所を加熱する効果。
青、水・氷は切断箇所や打撃箇所を凍結させたり直接水をかけたりすることができる
緑は風で強化全般に加速効果や軽量化効果が付く。」
「エンチャントの場合とな?直接行使するのとはまた別なのかえ?」
「直接属性の魔法を扱う、つまり放出は赤は炎、青は水氷、緑は風をそのまま操ることになる
攻撃する場合は主に複合使用して青と赤の水蒸気爆発や青と緑で氷を飛ばすといろいろな用途があるよ
加える属性と順番を変えるだけで例えば赤と緑にすれば炎の渦が、青と赤で溶けない氷を作ることだって可能になる」
「私の白とはなんじゃ?」
「さっきまで説明した3属性を3大属性、白と黒を2対属性と呼ぶよ。
2対属性は少し別で主に身体に関わる有効的なものには全て白属性が関わり、逆に悪手的なものには全て黒属性が関わることになる」
「ほえーいろいろあるんじゃのう」
「ほら、目の色を見てみな、これが得意属性の色だよ」
「リクシオもエディルも赤に近い色をしてるのぅ」
「そう、だから比較的赤魔法が得意なんだ」
少し考える俺にも剣に属性付与ができるんじゃないか?
「ちょっといいか?ティオ、剣を見ててくれ」
「ふむ?」
剣を構えて魔力の流れを意識する
「お?う~ん...これは...Ⅰ-といったところかのぅ」
その場で空振りしてみる確かにほんの少しだけ手元が暖かい、これでは追加ダメージは見込めないだろう
「そういえばウィングは難しいと言っていたな?あれは何故なのじゃ?」
「ウィングは白魔法の中でもまず体内の魔力を操って軽量化、そして大気中の魔力、つまり緑魔法で干渉して流れを読み取りやっと浮けるようになる。飛び回るとなれば移動先の風の魔力の流れも把握できなければならないし、他人の魔力を操る次点で相当難しい。
なのにティオはそれを10人も同時にやってのけた相当凄いよこれは」
凄い!凄いのじゃー!凄い!凄いのじゃー!
仲がいいようで何よりだ、けどうるさいぞ
「はい、ということでエンチャント、身体強化、属性の基礎勉強は終わり!
また俺たちが強くなり知識を望むなら先々でいろんな魔法と出会ったり教えてもらうことがあるだろう」
「まぁ俺は騎士学校で習ったから大体は知ってるけどな、基礎の基礎だし」
「のじゃー!」
............,..,,
その後一通り見回りをし何事もなく帰路についた。
成果としては微妙だが危険は無いに越したことはない。




