初めてのクエスト受注
帝国第八騎士団に紹介されたティオはそのままリクシオの部屋で世話になることになる。
自分自身のこと、この星のことについて一通り説明し、説明されたティオは眠りについてしまう
食器を食べ散らかしたまま...
朝だ、体は目覚めてる、体内時計はばっちり...のはずだ、だが暗い。体を起こすこともできない
これはまさかお決まりの...?
意識が朦朧とするなか目も開けられずにいる、すると聞きなれない、男性とも女性ともとれるノイズ交じりの耳障りな声?音?が聞こえてきた
「枷......か...た...」
..............
はっと目を覚ます
目が開く、体も動く、意識もはっきりしている。体の上を見ると...残念ながら美少女の姿は無かった。
なんだったんだ...? よく聞き取れなかった...、などと考えながら体を起こす
「何を呆けておるのじゃ!扉のほうを見んか!」
2度目のはっとして扉の方を向くと同時に手で耳をふさぐ
「早く起きなさーーーーい!!!!!!」
いつもながら横隔膜、そして腹筋からよく出てる大きな声だ。そう団長が起こしに来たのだ
残念ながらこの声量を予測できなかったティオは体を伸ばしている、可哀そうにな
「珍しいわね、いつも峻厳なあなたが昨日は遅刻し今日は寝坊しかけてるなんて!早く着替えなさい!」
「わー!ちょ、分かっりましたっ着替えるから出てってくださいごめんなさいー!」
木の板と木の板が触れる音がする。奥から「もうっ!」と声が聞こえてくる
「あれはママ以外の何物でもないのぅ」
体を硬直させていたティオがそう口にしたが返事をしてる場合があれば即刻着替えるべきだ
幸い軽装備な俺はすぐに支度を終え出ることができゆっくりと扉を開けてから急いで集合場所へ向かう。
もちろんティオも後をついてきている、というか後ろから飛んできている、うらやましい限りだ。
朝食は無しだ!
【帝国場内中庭】
「遅れてすいません!」
城内の外へと繋がる集合場所、中庭に到着する
「なんだギリギリ間に合ってるじゃねぇか」
「アイテム係もちゃんとした役割なんだから備品チェックしとけよ。お、ティオちゃんも一緒かぁやる気が出るなぁ」
十人長、クリフ・ライアが軽口を叩く、実際ティオは幼い顔立ちではあるがかなり可愛い
「ポーション20、マナポーション20、下級包帯10、上級包帯5、弾丸100、白弾丸20、爆裂岩5...」
「それ以上もっていく気か?今回も城壁周りに近づいてきた弱い魔物の撃退だぞ、それに恐らくティオちゃんは回復魔法が使えるだろう」
そういってクリフは指先を切って見せる、ちょっと痛そう
「ティオちゃん、この傷口に向かって治るように念じてみてくれ」
「ふむ」
...? 何も起こらない
「もしかしたら体のマナの流れを理解できていないのかもしれないな。あれは回復魔導士でなければ難しい」
「マナの流れ...」
そっとティオは傷口付近に触れた、次の瞬間ティオに耳と尻尾が生えてきた
そして瞬時に傷口は閉じた。
と思ったら今度は耳と尻尾が消えた。他の団員もやはり不思議がっている
「なっ...なんて理解力の速さだ...これは回復魔導士としても一級じゃないか?団長はあの時今すぐにでも十人長といったが少し成長すれば百人長も夢じゃないぞ」
少し反応する
確かに回復魔導士は貴重で少し回復できるだけも小隊に一人最低欲しいと引っ張りだこなくらいだ
それくらい他人の体内のマナの流れを読み取る白魔法は火や水を直接操るより難しい。
センスの塊とも言えようその有り様に嫉妬してしまったのだ。
ウチの部隊は戦力としては最下位なため魔導士もいない。
などと考えていることを他所に後ろではティオの胴上げが始まっていた。
これから魔物討伐だというのに呑気なものだ...人の事を言えた義理ではないが
「さて、それじゃぁそろそろ出発しますかねぇ」
クリフの一言を元に再整列し城内、クエスト管理課へ向かう
昨日走った場所を今度は整列して移動していく。
もう慣れたがこの場所は城内でも賑やかな場所になっている。城内中央にあたるクエスト管理課へ到着する。
「第八騎士団十人長クリフ・ライア、本日のクエスト内容詳細を伺いに到着しました。」
「第八騎士団、クリフ様ですね。本日のクエスト内容は帝都最寄りの村に出没するようになってきた魔物の討伐、魔晶石の破壊が依頼内容になります。確認されているのはシャドウとウルフの2種のみですね。今のところ被害は特に無いようですが早めの対策ということで依頼がきております。」
「シャドウとウルフの討伐、その魔晶石の破壊ですね、了解しました。」
「まず魔晶石とはなんじゃ?」
俺の後ろで小さく並んでいるティオが小さな声で訪ねてくる
「まずってことは何個かあるんだな、魔晶石とは魔物が出てくる元凶のことで、魔物の出現する過程として魔晶石の出現その次に魔物の出現という風になってる。つまり魔晶石を壊せば勝ちってこと。魔晶石は単体で落ちてたり強力な魔物のコアになっている場合もある。」
「シャドウとウルフとはどんな奴らなのじゃ?」
「人の影を2頭身にしたようなのがシャドウ、狼のような黒と紫が混じったような色の奴がウルフ」
「狼のようなということは狼という奴がいるということじゃな?」
「そうだよ、狼というのは犬のように動物の種類の名前だよ、そこにいる耳が上に向かって大きく生えて尻尾のある種族がいるだろ?その種族、ビーストマンの元になったと言われているのが動物達だよ。
狼は中でも犬のようにシンプルでビーストマンが4足歩行になった全身毛でもふもふの動物のこと」
「おおぉーもふもふとな!犬と同じとな!」
「声が大きいよっ」
ティオが両手を上げ目を大きく開いてキラキラさせているのが分かる。
そういえば馬や犬、猫等の一部は覚えているんだっけか
受付や団員、周り別の軍人までもがこっちを見て笑っている、怒られなかっただけ良しとしよう。
「その子も一緒にいかれるのですか?」
「この子はこう見えて飛行魔法と回復魔法を使えるのを確認しております。支援者として相当優秀ですよ彼女は」
「それは凄いですね、見た感じ15歳くらいかな?将来有望ですね」
受付から出て話をしてくれた受付嬢さんがティオの頭を撫でている
嬉しそうなティオは尻尾があれば振っていることだろう。
「それではいってきますね」
「お気をつけて」
さて、ティオの初めてのクエスト開始だ
ティオと出会い二日目




