-もう一人の旅立ち-
言われるがままリロードし弾丸にエンチャントを施す、炎上、冷却、防風、重化、電撃、回復弾
「ほお、本当に何でも使えるんだねぇ、全てランクⅡ以上と見た」
木人を見るとボロボロだ、木刀や身を当てるであろう部位がいくつか落ちている
「各種属性を行使する際に目の色が薄く変わったのが見えた。もしかして使う属性に合わせて得意属性が変わるんじゃぁないのかい?」
「そんなことあるんですか?」
「ここまでこいつはわけわからないことだらけだったんだ、ありえない話でもない」
「あくまで推測だけれど特定の属性を使い続けることで目の色、得意属性が強化されていくかもしれない。やりたい魔法に応じて使用頻度を考えるといいかもね」
「なるほど」
「よし、次は剣にエンチャントしてみな!」
言われるがままエンチャントを開始、加熱の赤、冷却の青、軽量化の緑、基本色はどれも最低限使いこなせる
「驚いたね、弾丸にランクⅡ以上の時点で察してはいたけど本当にここまでできるとは、魔力自体は高くないみたいだけど、どの属性も使えるようだね
その様子だと複合魔法も使えるだろうさ」
「せっかくですから放出もしてみてください、例えば赤の単純放出、ファイア。青の単純放出、アクアボール。緑の単純放出、ソニックブーム
無言で頷き、ボロボロになった木人に向かって赤の放出、青の放出、緑の放出を試み、どれも成功する。
「ひゅ~3大属性どれもⅡ以上で使いこなせるのね、やるじゃない」
「そんなものなのか?」
「普通はどれか一色が使え、他の2色は相対的に使いにくくなっていきます」
「それより複合!他の複合が見たい!」
「具体的には?」
「そうだねぇ、例えば木人から駆け落ちた部位を持ち上げるイメージをしてごらん」
言われた通りににイメージをする、すると浮き上がった
「それが青と赤の複合の中にある重力にあたる魔力だよ。さっき放った弾丸の中に電気を帯びたものがあったろう?あれも赤と緑の複合色だよ」
「ほー」
気を抜くと浮き上がっていた棒が落ちた
「まさか電気に続いて重力まで使えるとはね、楽しいねぇ。次は霧をイメージしてごらん」
「霧...」
空気中の水分が多くなり薄い霧が発生する
「はっはっは!たまげたな!なんでもできるじゃないか!その度に目の色が変わるんだ、面白い拾い物したよこれは!」
おもちゃにされているような気もするが自分が特質であることは十分に伝わった
それにしてもいろんな魔法があるんだな?
「3大属性については分かった、にしても複合魔法にもある程度種類があるようだな?」
「そう、3大属性は主に色に分けられる。赤から反時計回りに説明するぞ、
まずは代表的な赤、青、緑。その間にも色がある、赤と青の間には紫が、青と緑には空が、緑と赤には黄がある。
更にその間にも色がありこれも反時計回りに説明するぞ、紫は赤よりから幻、時、重。空は青よりから氷、空、霧。黄は緑よりから木、雷、土。計12色の単色がある」
「ん?つまり円形になっているということか?」
「そうだ、本来なら反対色になる魔法はほぼ使えないと言ってもいい。が白魔法、黒魔法を使用できるようになると話は別だ」
「俺の目の色....2人も黒い目をしているな」
「そ、ある程度魔力が鍛えられると...いわゆる『魔力練度』だ。魔力練度が高くなると、放出を多用すれば単色が、身体強化を多用すれば白が、エンチャントを多用すれば黒がそれぞれ練度が高まっていく」
「白と黒は単色では使えないのか?」
「理論上使えるんだけどイメージが難しいんだよ、白は光、黒は闇、それぞれ木人に向かって単体でイメージしてみな」
まず白、光をイメージする、光のレーザーが飛んでいき木人を少し焼く
「次は黒、やってみな」
闇...目が少し黒くなり黒いレーザーが飛んでいき木人の当たった個所が消える
「ほら、どうしても放出はレーザー型、またはボール型になるだろう?、エンチャントや身体強化も白と黒は単色では確認されてないと言って良い」
そう言ってアニキは短剣で指先を小さく切って見せる
「ほら、これに向かって治るように念じてみな」
言われるがまま治るように念じる
すると相手の体内のマナの流れが手に取るように感じられるようになる、傷口にそれを集中させる
怪我がゆっくりと治っていく
「これが白と水の治癒魔法だよ。やっぱり使えるんだねぇ」
「黒魔法との複合は生体に害が出るものは体内のマナが守ってくれるから、
生物に向かって使用しても相当マナレベルが高くないと作用しないぞ」
「ふむ、そういえばそうだったな、なんとなく思い出してきたぞ。だからエンチャントして使用するんだな」
「極稀に白魔法で起動する武器があるが...恐らくその腰に下げてる物がそうだろうね。白い染色なんて紛らわしいから常識ある鍛冶士ならまず作らないし、欲しがる人も稀さね」
「ん?白と水の複合?今なら・・・」
ブレードホルダーから白いトリガーセイバーを抜きエンチャントを試みる
...があの時のような反応はなかった
「ダメか」
「反応しないねぇ」
白いトリガーセイバーを左のブレードホルダーに戻した
「新しい剣も買うことだしその白いトリガーセイバーは背中に通したらどうだい?」
「そういえば今は使えないけど俺だけの武器なんだよな・・・背通し用のホルダーありますか?」
「そう言うと思ってはい、持ってきておきました」
受け取り、肩を通し、剣を差し込む
「ガン機構が少し大きいからちょっとだけ上に比重が出てるけどこんなものか」
「そればかりは形状的に仕方ないですね、そんな珍しいもの見たこともありませんしオーダーメイドになるでしょう」
「まぁ引き抜きは問題ないですしこれで大丈夫です。それとハンドガン用のホルダーが欲しいですね」
「サスペンダー、レッグホルスター、ベルトホルスター、それぞれ左右がありますけどどうしますか?」
「右のサスペンダーでお願いします」
「わかりました。ちょっと中行って持ってきますね」
「これ全部でいくらするんだろ」
「値段は気にしなくていいさ、こう見えて金は結構持ってるんだ。ただし今回限りだぞ」
「ありがたい」
「防具も探しにに行くかい、そんな一張羅だけじゃ戦えないだろう」
「そうする」
自分の白いローブのような姿を確かめる
2人の方に目をやると2人とも前開きの黒いコートの軽装だが胸部に黒いのアーマーを付けている
「その服装は目立ちすぎる、まるで白魔法使い...あながち間違っちゃいないんだけどね」
「せっかくだから二人と色は揃えることにしよう」
「それがいい、その方が都合がいい」
「?」
「はい、おまたせしました。これで大丈夫ですか?」
サスペンダータイプのホルスターを受け取り、装備して調整する
「よし、これでいいな」
「さて、では会計を済ましょうか」
「では中へ戻りましょう」
ギルドハウス中庭から店内へ促される、カウンターの方へ目をやると別の人が受付をしていた
「はい、ではお会計ですね」
会計の間少し待ち時間ができる、店内を見渡してみる
「なぁ!君珍しい物背負ってるな!」
後ろから話しかけられる、振り返るとそこには先ほどカウンターにいたアウルムと同じくらいの身長の顔だけ見ると男性か女性かどちらか分からないような人がいた
「ああ!ボクはマコト・ケテル!こう見えてもれっきとした女の子だよ!」
そう言って彼女は腰に手を当てて胸を張る、確かに胸を張ると胸があるのが分かる
「なんだいその視線は?まるで胸が無いとでも言いたそうだね?」
「あ、ああそういうわけじゃないんだ、胸当てを付けていないのが珍しいと思ってね」
「ボクはトレジャーハンター!戦うんじゃなくて物をとって逃げる!故に重いものは不要!」
「トレジャーハンター」
「そんなことはどうでもいいんだ!それより君珍しい物を背負ってるね?」
「ああ、これか?今は使えないんだ」
そう言って右肩目くばせをする
「今は?余計に珍しいね、使えるときと使えない時があるなんて」
「そう、前は使えたんだけどね」
「白武器なんて珍しいよ!その目の色、白魔法も使えるの?」
「ああ、少しならね」
「君自身が珍しいね!興味がわいてきたよ、見たところ3人みたいだけどボクもパーティに加わってもいいかな?」
「話は聞いてたぜ、常に同行って訳でなくてもいいなら構わない、トレハンってことは基本アイテム士だろ?普段は補助が欲しいところだ」
目線の奥からアニキが声をかけてくる、会計が終わったようだ
「やったー!ボクは、マコト!よろしくね!」
「早速ですがクエストを受注してきました」
階段の反対側にあるクエスト受注口のほうからアウルムが戻ってくる
「王国ホドに向かう方向で3件クエストを受けてきました」
「ホドに行くの?」
「まぁそうですね、せっかくですしホドにいきましょうか」
「よし、それじゃぁ向かうか、拠点間移動でテレポが使えるから魔道車はここに置いていこう」




