ウィッシュアームズ
【帝国第八騎士団室】
日が落ちるころに1000人規模が収容できる第八騎士団の部屋に呼び出された俺とティオ
「団長、お話しとは?」
「ティオちゃんが切断された部位を修復したことは聞いてるわね?」
「はい、ランクⅦ相当の魔術です」
「ということは固有武器、ウィッシュアームズが使えるはずよ」
「ウィッシュアームズ」
そう言って団長が剣を置き、緑を基調とした白で装飾された盾を両手で持つ
すると盾が緑色の光を放ち半透明な大きな盾となった
「これがウィッシュアームズ、願いの力が具現化した物よ。私の場合守るための力と言われているわ」
これが知楽の言っていた願いの力...
「団長のアームズ初めて見ました...」
「これと同じものではないけれど、ティオちゃんも具現化できるはずよ」
「ティオもウィッシュアームズを...」
「私にも...」
ティオが手を前に差し出して集中している
「自分の願いを形にするの」
「私の願い...」
ティオが呟くと両手に白い透明な腕輪が現れた
「それがティオちゃんのアームズ...腕輪ということは魔力放出関連かしら」
「コレ切断された腕をくっつける時にも出たのじゃ」
「とすると恐らく回復強化ね、その状態で魔力の出力を計測してみましょう」
そう言って団長が取り出したのは小型の魔測器、魔計石が組み込まれゲージ状にⅠ~Ⅹまで数値が書かれている。貴重品だ
「これに向かって魔力放出をしてみて」
「ふんっ...」
ゲージが伸びていきⅧの手前で止まる
「腕輪が光ってないということは実際に魔力解放が行われているときはもっと伸びているはずよ」
「確かに切断部を治療しているときは腕輪が光っていたのじゃ」
「私の盾の場合は更に大きく光って魔力による障壁が発動するの」
「これが私のウィッシュアームズ...」
「他にも第一騎士団団長は複数の「召喚剣」皆の未来を切り開く力
第二騎士団団長は「銃」対象を打ち抜く力
第三騎士団団長は「サイス」難事を刈り取る力
第四騎士団団長は「ハンマー」困難を打ち砕く力
第五騎士団団長は「刀」剛を受け流し返す力
第六騎士団団長は「槍」障害を貫く力
第七騎士団団長は「杖」魔力を強める力
そして私の「盾」皆を守る力。つまりティオちゃん、あなたは団長クラスで私以上の魔力を持っているのよ」
「ティオが団長クラスの力を...」
「それだけの力を持つと郊外に出ると魔物に狙われやすくなるわ」
「そういえばこの前西の村へクエストに行ったときも隙だらけだったカレンさんではなくティオを狙った奇襲を仕掛けてきました」
「今後そういうことも増えてくるわ、そういえばリクシオも格上相手によく時間稼ぎしていたみたいね、村の人から聞いたわ」
「力及ばずでしたが...」
「内臓と骨がやられておったのじゃ、気が気ではなかったぞ」
「ありがとうな、ティオ」
ティオの頭を撫でてやる
「せっかくだからリクシオもやってみなさい」
「わかりました」
小型魔測器に向かって魔力を放出、願いを込める
「ギリギリランクⅢに届かないくらいね、最近急成長してるじゃない!」
知楽は魔力は願いの力と言った。あれから何度もこの内容について考えているが、きっかけとして思いつくのはティオと出会ったことだけだ
やはり守るべき者ができたから...?でもそれなら他の人だって負けてないはず...
「どうしたのじゃ?難しい顔しおってからに」
「いや、俺にも守るべき個人ができたんだなってさ」
「それは私のことか!?照れるのじゃ~」
頬に手を当て顔をふりふりしてる
そんなティオの頭を撫でてあげる
「一定以上の魔力を持つ者の願いが具現化されると言われているウィッシュアームズ。
リクシオもこの先強くなり続けていけばいつか使えるときがくるかもしれないわ」
「はい、精進します」
ティオの頭を撫でてる俺の頭を団長が撫でる構図ができあがった
「そういえばリクシオは自分に合った装備は見つかった?」
「人を相手にするときは結局は肉弾戦だと思ったんですけど、
魔物相手に戦うときは武器があったほうがカウンターも致命傷になりえるので、やはり何か持ちたいと思っていたところです」
「ウィッシュアームズは願いが形になったものだけれども、基本的に使い慣れた武器が具現化したものになるわ
それも含めて対魔物用に使いやすい武器を探してみましょう....
とは言っても今までもこれといったものが使いこなせなかったのよね...」
「そうなんですよね...」
「パティキュラーと呼ばれる武器を知っているかしら?」
「第三騎士団団長のサイスのような特有武器のことですよね」
「そう、一般武器以外から探してみてはどうかしら?」
「そうですね...急務ではありませんが戦力に関わりますね」
「いいえ!これは急務よ!明日から今一度訓練所に行って合う武器を早々に見つけなさい!」
「明日からですか!?ノルマのクエストもあるのに...」
「今週はまだ日にちもあるでしょう?。一等兵になったのだからちゃんとした武器を見つけないとね」
「格闘は基礎中の基礎ですから...じゃダメですよね、明日装備の見直しに行ってみます」
「そのパティキュラーとはどんなものがあるのじゃ?」
「本人が希望するだけの数...とも言えるかな、剣、斧、槍、弓、銃、杖、錬成陣以外の武器や複合形状、特異形状の武器をパティキュラーと呼ばれるよ
サイスは斧の特異形状とされてるね、他にも槍と斧の複合武器、ハルバード。片刃の複数回鉄の重ね打ちされた剣、刀。更に弓と銃の複合、ボウガン。剣と銃の複合、銃剣。魔法と音楽の複合...
「わ、わかったのじゃ。その辺で大丈夫なのじゃ。いろいろあるんじゃのぅ」
「あるにはあるんだけど滅多に使われないよ、特に帝国では選択訓練の中に含まれてないからね」
「戦う人が使わないくらいじゃから数えるほどしかいなさそうじゃの」
「その通りよ、サイスなんてエル...第三騎士団団長しか使ってるのみたことないわ。
ハルバードも恐らく3人程度、刀も3人程度、他の武器もそれくらいよ」
「扱いが大変なんじゃのぅ」
「魔法に限っては杖だけってわけじゃないんだけど、棒術と魔力石に込められた力の複合物だから好まれてる
ティオの腕輪は戦闘に立たない人が魔力増強に使うことがあるかな」
「私の腕輪は比較的少数ということなんじゃな。武器というわけではないが私も欲しいのう」
「ティオちゃんには既に腕輪のアームズが使えるから本来必要無いんだけども、白魔法が込められた好きなもの持つのがいいわね、明日一緒に見てらっしゃいな」
「剣は持ったことがあるがまともに持てなかったのじゃ」
「ふふ、私の片手剣はともかく、リクシオの剣は比較的両手向けでもある剣だから重いわね」
「しっかり鍛えてるのぅ」
そう言ってティオが俺の背中をバシバシ叩く
「俺はアイテム士やってたけど本文は前線兵だからね鍛錬は欠かしてないさ」
「そういえばアイテム士とはなんじゃ?」
「その名の通り、アイテムを管理、使用するのをメインとした錬金術師の下位クラスよ。錬金術師はアイテムに更に魔法を加えた物になるわ」
「あの爆発した石もかえ?」
「爆裂岩だね、あれは石に赤と緑の魔力を混ぜた錬金術による物だよ、魔力干渉で爆発するようになってる」
「団体でクエストをする際には欠かせない管理者よ、主に前線兵ではない二等兵が属されることが多いけれど
決して戦力外というわけではない重要な戦力で、管理の名の通り支給品の管理をして被害を最小限に抑える一角なの」
「アイテム士がいない小隊はどうなるのじゃ?」
「アイテム士のいない小隊は代わりに錬金術師が最低一人配属されるよ。隊規模で行動する場合その人がアイテム管理もするんだ」
「全て管理されるのか?」
「流石に個人で所持している分までは管理しないよ、けれど戦闘の際に沢山物を持ったままなんて不可能だからね、
このポーチ3つに入る程度、それぞれ小型アイテム6個または中型アイテム1個が限界だね」
「小型アイテムとはどれくらいじゃ?」
「ほら、このポーション瓶が丁度2列に6本入ってるだろ、こっちのポーチには包帯が2列に3個ずつと、こっちには保護テープ6枚」
「こうして除くと結構入ってるのぅ、この瓶割れたりせんのか?」
「ほら」
その場に落としてみる
「ああ!」
コツンといって地面に落ちる
「お?」
ティオがきょとんとしている
「強化瓶だよ、そこそこの衝撃を与えても割れない」
「びっくりしたのじゃ」
「まぁだから瓶は少し高めで、ポーションの中身は軍の白魔法を使える人達が量産して支給してくれるんだけどね」
「軍所属はお得じゃなー」
ティオが腕を組んでうんうん頷いている
「ポーションは魔法が込められた水だから飲むことも傷口にかけることもできる」
「元はただの水なんじゃなぁ」
「そうだよ、水と白魔法の錬金術、白魔法の基礎の一つでもあるよ」
「私にもできるかのぅ?」
「これに白魔法を当ててみて」
ポーションを差し出す
「ほっ」
ティオ手元が光再び半透明な腕輪が出現する
ポーションが透明に近い水色から青に変わる
「これは上位ポーションだな、十分素質がある」
「ほほう、水が回復薬になると便利じゃのぅ」
「上位ポーションを作れるのは軍でも更に数少ないから特別手当が出てるわ、ティオちゃんも参加したらどうかしら」
「そうじゃのぅ、時間があれば作るとしようかの」
「さて、じゃぁ今日はこれくらいにしましょう、明日は装備探しいってらっしゃい」
「了解しました」




