西の村残党討滅「思わぬ奇襲」
剣を構えた隣にアリアさんが戻ってくる、日は既に高く登っている
「魔物達がこっちに向かってきているので恐らく逃げ遅れはあの人だけです」
「わかりました。この数は相手にしきれますか?」
「ちょっと厳しいかもしれないので連携のとれるあの一緒にいた背の高いエディルか、鍛錬中の兵士の増援を数名お願いします。このまま西の森の方へ引き連れます」
「わかりました、ご武運を」
そう言うとアリアさんはテレポートしていく
さて、十人長クラスならこれくらい相手取って当然な数、俺だってできることを証明するにはいいチャンスだ
とりあえず言った通り西の森のほうへ走り出す、こちらのほうが足が速い
魔物は主に魔力を感知して襲い掛かってくる、近くにもう人は見当たらないが魔力放出をしながら走る
すると建物の死角からもう一体シャドウが向かってきた。ハイシャドウ2とシャドウ2、多分イケる
西への道を抜けて少し森に入ったまだ背の低い草の見渡しの良い場所で振り返り構える、ランクⅠになったんだ、これくらい処理できないと...
先頭のハイシャドウAの突進攻撃、剣でガードし少し後ろに下がり衝撃を吸収する
突進してきたハイシャドウを飛び越えようにハイシャドウBの叩きつけ攻撃、これも剣に緑のエンチャントを施しガード
いつも通りワンクッション置いて斜め上にはじき返す、そこにハイシャドウAの右手引っかき攻撃、ガントレットで受け止める
「これじゃ思ってた以上に防戦一方だ、少し受けるか」
受け止めたハイシャドウAの腕をつかみ左手に身体強化緑を施し左に向かって勢いよくぶん投げる。その間にはじき返し着地したばかりのハイシャドウBを左上から斜めに切りつける
ハイシャドウBはこれをバックステップで避けようとするが浅く剣が当たる
「浅い!」
バックステップしたハイシャドウBの下からシャドウが引っかき攻撃をしてくる、防御が間に合わない
姿勢を落とし、胸当ての鎧で受けるお互いに勢いがあった為シャドウがはじき返される形になる
振りかぶっていた剣をシャドウに向かってエンチャント赤で右下から切り上げる、シャドウ一体目撃破
そこに着地したハイシャドウのジャンプ叩きつけがくる、右の肩当で受ける、が思っていた以上に重い
「団長に比べればなんの!」
切りつけた勢いのまま右の肩当で体当たりをする、体制を崩したハイシャドウBに向かってエンチャント赤のまま左下から切り上げる
綺麗に当たる、ハイシャドウ一体撃破、よしと思っている横からさっき投げ飛ばしたハイシャドウの蹴りが横から入る
「っつ、蹴りもできるのかよ」
そう言いながら崩した体制を立て直そうと後転して立ち上がる、更に右から追いついてきたシャドウが引っかき攻撃をしてくる
「お前にかまってる場合じゃない!」
左上から斜めに切り上げシャドウは消えてゆく、そのスキをついてハイシャドウAが突進を仕掛けてくる、気が付いた頃には距離は無く、姿勢を落とすことで左肩当てで受ける
右足と左肩に緑を付与、右足を曲げ腰を更に低くし衝撃を吸収し、体を伸ばして勢いよくはじき返す!
風を2重に付与された勢いは強くハイシャドウAは投げたときよりも勢いよくノックバックする
その隙を見逃さずはじき返した勢いのまま前進、全力で剣に赤のエンチャントを施し右下から斜めに切り上げる
「やったぞ!これで一人前だな」
そう言いながら体を屈め魔計石を取り出す、黒の反応はもうない、右側から、つまり村のほうから緑の反応が近づいてくる、増援か
そう思っていると右腹に衝撃が走る
「ぐっ!」
吹き飛ばされ木に衝突する。気を失いそうになるも何とか持ちこたえ起き上がる
攻撃された方向を確認すると増援ではなく、人による攻撃だった。
「あの衝撃は風属性の爆発か...」
敵と思われる人物を確認すると右足に風が見える、村のほうに目をやると人による襲撃を受けていた。
「こんな帝都の側で賊か...!」
「おい、よそ見してる場合かよ」
早い、足に付与した風を爆発させることで急速に接近してきた。
左足による踏みつけを咄嗟に左ガントレットを斜めに突き出すことで受け流す。
背中ががら空きになった相手に対して右手に身体強化赤を加え首めがけて殴りかかる
ところが受け流された勢いをそのまま回転に加え右回し蹴りを先に腹にもらってしまった。
「がっはっ」
内臓と骨がやられた音がした。
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「なんじゃお前は、あっさりやられおって」
はっとすると真っ白の世界に知楽がいる
「一度討伐した村にまた急にあんなに何もなくシャドウが出るわけなかろうて、賊が引き込んだんじゃ」
「つまりその賊にやられたのか」
「正確にはその賊の用心棒にじゃの、せっかくのブレスも午前中に無駄使いしよってからに」
「やっぱりあの魔力強化は知楽がやったのか...」
そういえば頭をつつかれたと額を触る
「そういえばこの際聞いておきたい、なんでシャドウは人を襲うんだ?」
「なんじゃ唐突に、シャドウは人の持つ願いの力にひかれて襲い掛かってくる」
「魔力放出が強いほど狙われやすくなるってのは願いの力がってことなのか」
「お主はまだ見たことないかもしれんが人を襲い、取り込むことによて更に強力になっていく」
「取り込む!?取り込まれたらどうなるんだ?」
「そのシャドウの一部、主にコア、魔晶石になる」
「そんなこと帝国の座学じゃ一度も...」
「そりゃそうじゃろう、戦えなくなるものが増えるじゃろう」
「元に戻る方法は無いのか?」
「魔晶石を壊すとハイ終わり、そこまでじゃ」
「そんな...」
「そんなことよりいいのかえ?賊が村を襲い始めておるぞ、最初の確認したときより戦力が上じゃから送られてきた増援では苦戦しておるようじゃ」
「そうだ、早くいかないと...」
「ほら、特別じゃぞ」
そう言って額をつついてくる
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目を覚ますと増援と賊との戦闘が始まっていた。
その中に一際強く体格の大きいものがいる。俺を殴り飛ばした奴だ
「お主よ!目が覚めたかえ!?」
となりを見るとティオが心配そうな表情でこちらを見ている
「ティオがどうしてここに...」
「たまたま増援の知らせの時に居合わせたのじゃ、心配させおって」
そう言って抱き着いてくる
「治してくれたのか、ありがとう。でも今は行かなくちゃ」
「また怪我をするかもしれんのは嫌じゃ!」
「大丈夫、心強い味方がいるんだ、ティオ俺にスカイを付与してくれ」
「...うむ」
むすっとした顔でスカイを付与してくれる、足が軽くなる
「よし、じゃぁ後は任せてくれ、他の負傷者の回復を頼む」
「わかったのじゃ、気を付けて行ってくるのじゃぞ」
立ちなおし走って向かていく
目視できるだけでも賊は7名、そして用心棒1名
帝国兵の負傷者は4名、今も戦っているのが7名中にはエディルもいる
両足に緑を付与し走る、走る、走る、徐々にペースが上がっていき空を蹴っているのが分かる
勢いにのったまま帝国兵とつばぜり合いになっている賊の横腹に向かって膝蹴りを入れる、蹴られた賊は吹き飛んでき家にぶつかり気を失う、まずは一人
その勢いのまま真横に空を蹴り次の賊へ向かう体制を崩した帝国兵に、今にも切りかかろうとしている賊がこちらの突進に気が付いて向きを変えてくる
集中し回りがスローになる、アクセルを発動する、タイミングよく振り下ろしてくる刃を寸前に真横右に空を蹴り方向を変え刃を避ける、
更に左で空を蹴りその場を維持し振り下ろしてがら空きになってる頭部に一回転して右踵落としを叩きこむ、更に一人
回りを確認すると順次増援が送られており援護班含み帝国兵が計20人に達していた。人数的に圧倒的に有利になったのを確認しエディル並みにでかい用心棒へ向かい空を蹴る
エディルと他の一等兵と向き合っているところ、空を何度も蹴り加速した状態で懐に向かって右膝蹴りを叩きこむ、吹き飛んだ用心棒を空を蹴り追いかけ
「ぐあっ、お、お前はさっき倒したはずじゃ」
着地する前に左足で上に向かって蹴り上げる、この間ずっと足に緑を付与したままである
5メートルほど浮き上がった相手に対しスカイで空中を追いかけ通り過ぎる
「さっきはやってくれたじゃないか」
「ぐっ、き、貴様!」
体を一回転加え鳩尾に向かってガントレットを叩きこむ。と同時に空中を蹴りだし威力を上げる。地面に急降下していく
「がっあっ」
更に空を蹴り追いかけ、着地と同時に腹部に膝を入れようとする。が相手も風使い、着地を緩和し前転してそれを避ける
「くっ」
用心棒は腹を抑えながら体制を立て直す
地面に埋まった膝を引き抜きこちらも体制を立て直す
先に動いたのは用心棒、右足と右手に緑魔法を付与し2重に加速のかかった右ストレートを打ち込んでくる
が、既にアクセル状態のリクシオには余裕で目で追えるスピードにある、左半身を下げ半身にすることでそれをかわし
通り過ぎる相手に対して右足で蹴りを入れる
「がアッ」
蹴り抜いた右足を吹き飛ばした用心棒と反対側に回し今度は、スカイで空中を蹴りだす。
空中を蹴る勢いを利用し移動と共に体を縦回転させ、転がってきたところに上から踵落としを腹に叩きこむ。すると声も出さずに気を失った。
こちらの戦闘が終わったころ他の帝国兵による賊の鎮圧も終わっていた。
「す、すげーなお前!いつのまにそんなに強くなってたんだ!?」
エディルが驚きを隠せず話しかけてくる
「スカイはティオによるものだよ」
「それにしてもよくあの速さで連撃を叩きこめるな」
「まぁちょっとね、夢の中でお告げがあってね」
と知楽のことを濁す、話して信じてもらえないことは無いだろうがエディルに話すのは今はその時じゃない
「とりあえずコイツも拘束しよう、かなり強く殴りつけたけどいつ目を覚ますか分からない」
「もう拘束しましたよ」
そう話しているうちにアリアさんが告げてくる
「ありがとうございます」
「さっきの動き、アクセルですか?」
「はい、夢の中であるお告げのようなものがあって、その後一定魔力だけブレスをかけてもらえるんです」
「詳細を聞きたいところですがまずはこの場の収集にあたりましょう」
「わかりました」
回りを再度見回すと割れたガラスや外からも見える荒らされた室内など、気を失っている間にいろいろあったようだ
既に負傷兵はティオによって回復が終わり、皆で片付けに入っていた
「お主よ大丈夫じゃったか?」
「ティオ、役割をこなしてくれてありがとう」
そう言ってティオの頭を撫でてあげる、そういえば制服を着ている
「どうってことはないのじゃ」
「さて、割れたガラスやらお片付け手伝おう」
「はーいなのじゃ」
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「リクシオさん凄かったよ!あんな動き初めて見た!」
村人が割れたガラスを片付けながら話しかけてくる、そんな俺は割れた窓を取り外している
「魔法と訓練の組み合わせで動けたようなものです、今日は剣の訓練ついでに来ていたのですが結局人を相手にするときは肉弾戦ですからね...」
「あの賊はこの村から暴動で追放された人が一人混ざってます、その報復と略奪に来たのでしょう」
「よく帝国のすぐ最寄りのこんな村を狙ったものですね」
「ははは、おかげで大事無く助かりましたよ」
「本来は何かが起こる前に対応するのがベストなのですが...最近このあたりに魔物が出現していたのは意図的なものだったんですね」
「悲しいことですがやはりそういう輩もいます、今回はリクシオさんが圧倒的な力で鎮圧してくれたのもあり他の団員さんにも負傷者がこれ以上増えずに済みました」
「圧倒的ですか....確かに大きな力を使用しました。でもそれで負傷者が減ったなら良いことです」
「さて、こちらはもう大丈夫ですよ。お手伝いありがとうございました」
「いえいえ」
そう言い建物を出ていくと...
「うっぐ」
「心配したわよ!応援に駆け付けた時には気を失ってたって聞いて無理いってこっちに来たんだから!」
(ママだ...)
(ママだ...)
(ママだ...)
団長の胸に顔をつっこむことになった、柔らかいが鎧が当たって痛い
「話は聞いたわ、活躍したそうね、そしてアクセルも」
「一時的にですが...夢に知楽という人物が現れ、その人がブレスをかけてくれるんです」
「しらく...?」
「ご存知なんですか?」
「...いえ聞き覚えが無いわね」
「そうですか...」
団長クラスだと何か手掛かりがあるのではないかと思ったのだが残念
「それにしてもブレスというとランクⅨ以上の魔法ね、しかもそれを夢の中から、只者じゃないわ」
ある程度本当に何者なのか、それとも潜在的な自分の意識なのか、謎は絶えない
「アクセルか、それとティオちゃんのスカイを使用した疑似アクセルワールドは見事なもんだったな」
後ろからエディルが声をかけてくる
「取り合えず残りの場の収集は任せましょう、正直なところ今回は無理な魔力放出で疲れました...」
「そうね、この場は任せて撤退しましょう」
「今回の件でリクシオは昇格には十分に値するわ、推薦を出しておくわね」
「ありがとうございます!」
西の森クエスト、追加クエストクリア!




