西の村残党討滅「はじめての都外ソロ」
さて、ティオも預けたことだし俺は剣の鍛錬がてら一人でクエストに出よう
そう思い立ちクエスト管理課へ足を向けた
..................................................
【帝国城クエスト管理課】
「第八騎士団、リクシオ・ケテラーです。本日はソロでのクエストをお願いします」
「承知いたしました、ランクⅡソロですね。西の最寄りの村にシャドウとウルフの残党が出現しているとの報告が入っています。
この前の小隊単位で魔晶石を二つ破壊した件ですね。少し離れたところに湧き出ていたシャドウが再び村の近くに出没しているそうです」
「了解しました。」
「では西の村への派兵で登録しておきますね」
「ありがとうございます。ではいってきます」
そう言ってそう言ってクエスト管理課から離れたところ...
「あら、あなたは...」
「あ、アリアさん、おはようございます」
「おはようございます、今日はソロですか?」
「そうなんです、少し剣の鍛錬をしたくて」
「ふむ...ご同行しても?」
「お時間大丈夫なんですか?」
「ええ、本日は空いてますので」
「ではお願いします」
「では行きましょうか。西の村でしたよね」
「そうです、お願いします」
.............................................
アリアさんが俺に触れ待つこと2秒、西の村の入り口へ到着していた
「流石ですね、他人を一緒に座標指定してから転移まで2秒ですか」
「まだまだですよ、エルフ以外を相手にしても1秒以内にしなければ前線への送り出しは一人で満足に行えません」
高戦力を相手にした場合テレポートによる戦力の追加投入が必要になる。その場合いかに早く転移させられるかが被害を減らす鍵となる。
アリアさんはランクⅤのテレポーター兼白魔導士だが前線兵ではない、帝国としては前線兵以外は階級はなく、ほとんどランクそのものが階級の代わりになっている。
だから昨日同じ一等兵であるティオに対してランクVのバッヂで相手が委縮したのだ
「おや、あなた方は先日の小隊の方!近辺の残党の討伐に来てくれたのですか?」
「あ、村長さん、おはようございます。ええ、申請を受けてきました。残党がシャドウとウルフのみとのことなので私とこの方で対処します」
「あなたは...ランクⅤ!こんな近辺にランクⅤが派兵されるなんて...」
「私は補佐員です。ですのでランクはⅤですが前線戦闘員ではありません」
「そうだったのですね、では討伐はこちらの...」
「リクシオです。こちらの方はアリアさんです。改めてよろしくお願いします」
「リクシオさん、アリアさんよろしくお願いします」
.....................................
「あら、あなたは....あの小さい子は今日は一緒ではないんですか?」
村の女の子が話しかけてくる
「今日は別行動なんですよ」
「あらあら、別の女性と一緒にいるなんて嫉妬されてしまいますよ」
ふふふと笑われて去っていく
「そういえばティオちゃんは一緒ではないんですか?
「はい、今日からお隣のエミのところでお世話になるようになっていて今日一日お買い物でも行ってるでしょう」
「なるほど、そろそろ行きましょうか」
「では行きましょうか」
手元の魔計石を見る、ほのかに黒が拡散している。ティオがいなければこんなにはっきりと黒が分かるのだ...ん?
「そういえば黒のみに反応する魔計石欲しいですね」
「言われてみればそうですね。いくら魔計石が方向を指してくれているとはいえ強力な魔力を持つ人からすれば見難くてしょうがないでしょう」
「帰ったら申告してみましょう。まずは魔晶石があった北から」
.............................................
森の中を進み人の出入りの少ないであろう、草の背が高くなり始めたころ
「ウルフ一体、前方に確認」
流石風魔法使いのテレポーター、目視する前に確認している
「目視できました、向かいます」
抜刀しギリギリまで近寄る....気づかれた。走りながら剣を投げる
剣を右に避けたのを確認、そのまま全速力で追いかける
ウルフが着地した直後に身体強化緑を施した右足の蹴りが入り剣のあるほうにウルフが飛んでいく
そのまま両足に緑を付与して加速し追いかけ剣を引き抜く、木にぶつかったウルフに対して剣を突き立て上に向かって切り上げ、ウルフは消滅していく
「あの...剣の訓練なのでは?それに今の蹴り...明らかに火属性が目に見える蹴りでした」
「あ...そうですね、剣だけで戦わないとあまり意味がないですね...次は剣だけで戦います」
「エンチャントもしてみましょう」
「ふん...」
目をつむって集中する
「ん....?ランクⅣ付近まである赤ですねこれ」
目を開けると明らかに燃えている剣がそこにはある
「ってあっちち」
あわてて手に青のエンチャントをする
「リクシオさん過去最高の魔力ランクはいくつですか?」
「つい最近Ⅱです、エンチャントはⅠでした」
「事実上ランクⅢも上がってますね。」
思い当たる物...
「ブレス....」
「ブレスとは?」
「闇以外の4属性魔法です。対象者の魔力ランクを3段階上昇させる最上位魔法です。推定ランクはⅨ以上とされています。」
「Ⅸ以上...!今の帝国にそんな魔導士は...」
「俺の把握してる限りでもいません...」
「心当たりは?」
「いえ特に...」
「とりあえず今は魔物の討伐に集中しましょう、魔計石を見るにここより西に反応があります、あちらは海へ向かう人通りのある場所ですので早めに処理しましょう」
「分かりました」
.................................
「次はハイシャドウですか、これくらいなら相手取ってくれないと困りますね」
「向かいます、ソロで相手取るのは初めてなのでもしもの場合はお願いします」
今度は剣を手に赤のエンチャントを施し向かっていく
ハイシャドウは早々に気づきお互いにぶつかり合う形になる
ハイシャドウの右手に剣で対抗する。続いて向かってくる左手を身体強化緑を込めたガントレットで受ける
いつも通りワンクッション置いて風の爆発と共にはじき返し体制を崩す
少し体制をくずしたハイシャドウがバックステップを行うことで体制を立て直そうとする
その前に右手の剣を押し返し転倒させ、ハイシャドウをX字に切り裂く、ハイシャドウは消えていく
「見事な御手前ですね、帝国最低戦力者とは思えない腕前です」
「その最低戦力って言うのはやめてほしい感が...」
「そうですね、ランクⅢ相当を前に無傷で生還したあたり最弱とは言えないでしょう、さて次の掃討へ向かいましょう」
「次の反応は...丁度南複数にありますね、向かいましょう」
「複数ですか....様子を見に行きましょう」
.....................................
「ふむ、シャドウ2、ウルフ1ですか」
「ハイシャドウと比べれば楽なものでしょう」
「そうですねっ...」
走り出す。今度は緑のエンチャントを施す。距離にして手前シャドウ、直ぐ右にシャドウ、左奥ウルフの順だ
まず一体目のシャドウに横なぎに剣の面を叩きつけ吹き飛ばす、風の影響でかなり距離が開く
その隙に近くにいるもう一体のシャドウの方へ向く、すると既にジャンプして引っかきに目の前まで来ていた、剣で防御態勢を取る。
金属と爪が擦れる音がし、不安定な状態になったシャドウを着地する前に身体強化緑を加えた右足で真上に高く蹴り上げる。
後ろのウルフの様子を見る、こちらも目前まで迫っていたので左手のガントレットで受け止める。
そのまま勢いをつけて頭上に振り上げ、剣を突き立てた。瞬間世界がスローに見える。視界内の情報が良く頭に入る
突き立てた剣を後ろに向かいながら両手でウルフを切り裂く。切り裂いた勢いのまま反対側に落ちてきたシャドウへ向かって剣を振り下ろした
吹き飛ばしたシャドウが迫ってくるのが見える。このまま振り下ろしてからの対応では間に合わない
逆手にし振り下ろした剣をそのまま地面に突き刺し、軸にして再度足に身体強化赤を加え蹴りを叩きこむと塵となって消えていった。
なんだ...今の感覚は...世界がゆっくりに見えたぞ...
「ふむ...やはりとてもですが最低戦力と言われた人の動きとは思えません。低戦力相手とはいえ手際がとてもスムーズでした」
「正直なところ自分の体とは思えないくらい快調に動けています。今までは基本防御に回り隙を見て攻撃を叩きこむスタイルで精いっぱいだったのですが
身体強化とエンチャントが強くなったおかげでかなり攻勢に出られています」
「それだけではありません、エンチャントや身体強化している場所の流れも確認している限りでは十人長並に見えます」
「気分は絶好調なのですが言われてみればそれ以上に周りも見て動けてます...」
「3体同時に相手にしてノーダメージであればランクⅡの申請も可能です。私の方からも推薦を出しておきますね」
「本当ですか!?つい最近ランクⅠにやっと上がれたと思ったらもうランクⅡだなんて...」
「前線歴はそれなりにありますよね?」
「はい、一応アイテムの使いどころの知識のおかげでアイテム士としてもう5年は前線に出ています」
「だとしたら魔力の強化を切っ掛けに鍛えられた周りを見る力と、肉弾戦の動き等がかみ合い始めたのかもしれませんね。
それにしても倒しきるまで10秒かからずですか、剣の扱いもなかなかの手練れに見えます、よく2体同時に切り、そのまま地面に突き刺すなんて発想ができましたね」
「それなんですが、頭上に持ってきたウルフに剣を突き立てた時点から世界がゆっくりに見えたんですこれってもしかして,,,」
「赤と青魔法のアクセル...ですか。思考を加速させる身体強化魔法の一つ。最低でもランクⅣ相当の魔法ですね」
(そんな魔法をどうして急に...)
「傍から見た限りでは恐らくアクセル発動中は他のエンチャントや身体強化ができる段階では無いようです」
「ランクⅥ相当から使用できるといわれるアクセルワールド、赤と青の思考加速と緑による身体強化で実現可能な高速戦闘、第一騎士団団長の得意魔法の一つですよね」
「そう言われていますが実際に見た物は極僅かですね、と言いますかあまりにも早すぎて目で追えないとまで言われています。
そのうえスカイまで使いこなしているので空中での高速戦闘を得意としていると....実際に見た人が少なすぎて噂とまでされています」
「もう一度使えますか?」
「やってみます」
風に揺れる木の葉を目に集中する....アリアさんも目印に小さく手を振っている
が、スローにはならない
「ダメみたいです」
「エンチャントは?」
「これが今の限度です、先ほどまでの覇気はありませんね」
願いの力が魔法の正体と知楽は言った。だとすると戦闘中だけ願いが強かった...? 特に意識してはいなかったが集中はしてた
「まぁ考えてても仕方がないですね、残りを倒してしまいましょう」
魔計石を取り出すと南東と南西に反応がある
「南西から行きますか」
「おまかせします」
.....................................
「ん、シャドウ単体ですね」
「目視出来ました。これくらいならもう...」
そう言って歩いて近づくとこちらに気がついたシャドウが飛びかかって来た、それを赤の剣でさっくりと切り捨てる
「流石に敵ではないですね」
「...ランクⅠになれる最低条件を覚えていますか?」
「シャドウ、ウルフ等低級魔物を一人で倒しきることですね」
「そうです、ランクⅡは4対を同時に相手取る、または10体以下融合のハイシャドウを相手に生還することです。
シャドウ2、ウルフ1を同時に相手にして無傷、ハイシャドウを相手にしても数秒で倒しきる。限定的ですがアクセルも使える。これはもう立派にランクⅡを超えています」
「言われてみればその通りなんですけども自分の事となると嘘みたいですね」
「あなたは自分を過小評価しているようです、そのせいで5年間アイテム士をするハメになっていたのかもしれませんよ」
「確かにいつもは誰かと一緒にクエストに出てフォローメインで立ちまわってました...」
「これからは一等兵ですのでしっかり前線お願いします」
「そうですね、面倒見なきゃいけない相手も増えましたので」
のこりは東に強めの反応...ん?ここから東?
「まずいですよ!東は村のあるほうです!」
「急ぎましょう!テレポートします!」
........................
村の中にテレポートしてくると目測ハイシャドウが2体入り込んでいた、サイズは小さい
村の人は家に閉じこもってるようで被害はおおよそ出ていないと見える。
「たすけてぇ!」
誰もいないと思いきや逃げ遅れがいた!シャドウに追われている。声を出したことでハイシャドウも気が付いた
「アリアさんあの人の元に飛んで適当な建物の中へ!」
「わかりました!」
ぱっととなりにいたアリアさんが消え村人を抱きかかえる形になり2秒、姿が消える。
その号令を聞きさっきより少し大きいハイシャドウがこちらにターゲットを変えてくる
ハイシャドウになるといきなり動きのレベルが変わるといっても過言ではない、そんな相手を2体とシャドウを1体
「これは骨が折れるぞ」
剣を構えた




