種族とギルド
昇格したリクシオと正式に帝国兵になったティオ、身体強化箇所が増えたこともあり測定所にいこうとするところでティオのお腹が鳴り、クリフのおごりで食事をすることになる、その行先は...
「あ、そうだ、測定所に行く前に飯にしよう。そそくさと帰っちまったから飯まだだったろ。」
城内にある南行きのテレポーターに差し掛かるあたりでクリフ兄貴が起き上がり追いついてきていた。
飯と聞くや、ティオのお腹がなった
「そうじゃお小遣いをくれるんじゃったの、なら今日奢ってもらおうかの」
また顔を赤らめている、忙しい日だ。
しかしティオに奢ってもらえるなら今のところ懐が浮くのは俺だ。なんせ今回のクエスト報酬ティオの分は出ていない。
「ははっそれだけでいいのか?軍人は命張ってるからもっと給料出てるんだぞ。」
「よいよい、今後はわたしにも報酬出るしの、それにランク高いとなればリクシオより取り分多いじゃろうて。」
「その通りだ。まぁ昇格祝いとしてリクシオの分も出してやろう。」
「いいんですか?」
「どうせ今回奢ることで浮くのはお前の財布だろ?ならそれでいいさ。」
「じゃぁお言葉に甘えますね。」
「俺の分は?」
「テメーはダメだ」
「そんなー」
エディルが肩を落とす。当然と言えば当然
「そうとなれば南門を出よう、あっちなら出てすぐのところに食い場所はいくらでもある。」
クリフがテレポーターに触れ消えていく
次にティオがてててーと走っていき消えてゆく。その後ろを俺とエデイルが歩いてテレポートする
「よし、じゃぁどうすっかな、ティオちゃんもいるから酒場はちょっと避けたいな」
「私はどこでも構わんぞ!」
「ギルドハウスはどうだ?食い場所とは違うけどあそこも飯でるらしいじゃん、見に行ったことないしさ」
「昇格と就任祝いにギルドハウスってお前...」
「おーギルドハウスでも飯が出るのか、よいのぅ!」
主役の一人は乗り気だ。なら乗るのも悪くないだろう
「別に軍と仲が悪い訳では無いですし。むしろ必要時にお互いに援軍要請出すくらいですから、見に行くのもいいんじゃ無いです?」
「主役二人がいいならそれでもいいか、じゃぁ最寄りのギルドハウスは...そうだな、帝国友好支部と言われるくらい仲のいい支部がすぐそこにあるからそこにするか、規模も大きめだし」
「依頼の取り合いになったりはせんのか?」
「選ぶのは依頼主だからな、比較的軍のほうが信頼を置かれているが内容によってはギルドの方が格安になることもある」
「そうなんじゃな、仲の良いことは良いことじゃ」
ティオが腕を組んで目をつむりうんうん頷いている。いつものだ
「あそこなら歩いてすぐだ、行こうか」
..................
ギルドハウスについた一同はクリフを除き驚いていた。
想像していたより遥かに綺麗だったのだ。
「よし、入るか」
クリフが当たり前のように入っていく。
「え、あ、ちょ、待ってください」
続いて雪崩れ込んで行く。
内装も想像していたより明らかに綺麗で中央あたりに植林まで明らかにれている。
「いらっしゃいませ、クエストですか?食事ですか?」
近くにいた女性が話しかけてくる」
「今日は食事だ、四人席を頼む」
「かしこまりました」
「もっとガサツなところを想像しておったぞ」
ぼそぼそとティオが話しかけてくる
「俺もだよ...」
「お待たせいたしました、こちらへどうぞ」
導かれるままに進む、そこは4人向けの細長い四角いテーブルだった。
すると近くから話が聞こえてくる
「オイ聞いたか、帝国で凄い魔力を持った少女が現れたそうだ」
「具体的には?」
「ウィングを10人まで使える」
途端に向かい合っていた男性が噴き出した。
「マジで!?しかも少女!?」
「きたねぇ!なんとも白い装束に身を包んでいたらしい」
「いいなぁ俺も空飛びたいなぁ」
早くも噂になっていた。無理もない話だ。
話を他所にオーダーを始める
「お主空が飛びたいのかえ?」
「隣に座っていたはずのティオが3人の男性のテーブルにいる」
「お、お嬢ちゃんそうなんだよ、なんでも希少なウイングを使える魔道士が出たらしくな、俺も空飛んでみたいよ」
「よし、ならば飛ばしてやろうぞ」
そう言い2人の男性を宙に浮かせ出した。
「こらこら、ここは店内だよ、せめて後で外でやるんだ」
「はーいなのじゃ」
耳と尻尾を垂らして3人を着席させる
「も、もしかしてお嬢ちゃんが噂の子かい!?」
「いや、ち、違うぞ」
「そうですか、ありがとうウィング凄いですね」
「それほどでもない」
(黒い服を着ている、やはり別人だった、しかもウィングを持ってるのに謙虚にそれほどでもないと言った. さすが謙虚な少女は格が違った。 )
「お嬢ちゃん貴重な体験をさせてくれてありがとうな、一杯奢らせてくれ」
「大丈夫なのじゃ、今日はそこの大男のおごりで食べられるでな」
そういそういってクリフを指さす、クリフが手を振っている
「本当に大きいあんちゃんだなぁ、あの服は帝国軍人か、お嬢ちゃんも帝国軍人なのかい?」
「そうなのじゃ!今日から帝国軍人16歳なのじゃ!」
「16歳?おっちゃん13歳くらいかと思ってたよ、それにしてもその歳で上級魔法のウィングを使えるなんて凄いなぁ」
「それほどでも...」
「ほら、あまり他所の人に迷惑かけるんじゃないの」
「はーいなのじゃ」
ティオはおっちゃん達と手を振って戻ってくる
「あんちゃんだって、兄貴ももう32になるから年齢もそう変わらんだろうに」
「若々しいことは誇らしいことだぞ、威厳が無いと言われることがあるが」
ティオがおっちゃん達と話している間にすませていたオーダーが並べられる
「おぉ~!ごちそうなのじゃ!」
かなりの量があるがこの二人がそもそもよく食べるしティオも見た目によらず...まともなのは俺だけか!
「「いただきます!」」
「そういえばさっき飛ばした中に背が低くて立派なお髭のおっちゃんがいたのぅ」
「そういえば種族について詳しく話してなかったね。種族については4種確認されていて、まず俺達一番人口の多いヒューマン何事も平均的にこなせると言われている、
次に多いのが前話した耳と尻尾が生えていて手足が動物のようになっているビーストマン。彼らは身体強化の応用で手をヒューマンのようにすることができるよ。
次にドワーフ、全体的に背が低くいけど素で力持ちな種族でエンチャント等武器の扱いを得意としているよ。
最後にエルフ、一番人口が少なくぱっと見はヒューマンと似ていて耳が長いのが特徴で、魔力感応力が高く身体能力がヒューマンに劣るのが特徴だよ」
「しゃっきのお髭のおうっちゃんがドワーフなんじゃな?」
「そういうこと、いつも言ってるけどご飯食べながら喋るのやめなさい」
「まぁ俺は力でドワーフに劣らないけどな」
クリフが自慢そうに言う、巨体で筋肉マンな彼は確かにそうだろう、というか今叱ってます
「んぐぐ、ということは団長はエルフなんじゃな?」
ティオが一気に呑み込み訪ねてくる
「そう、本来は直接マナに干渉して魔法を行使するのが得意な種族で魔導士が多いんだけど、団長はエンチャントを得意としてるね。
片手剣と盾を主武器とした鉄壁の名を誇る徹底した防御態勢に、片手剣に赤と緑を同時エンチャントした雷属性での一撃を武器に戦うよ」
「なるほどのぅ、いろんなのがおるんじゃな」
ナイフとフォークを手にしたまま腕を組みうんうんと頷いている
「その癖は良いとしてナイフとフォーク持ったままは危ないよ」
「おっと...」
そういって食事に戻る、既に結構食べている
正面にいるクリフとエディルに目をやると既に皿を積み上げていた、黙々と食ってる
「ギルドについてもう少し知りたいのぅ」
「では私のほうから説明しますね。どこまで知っていますか?」
丁度丁度料理を届けに来たお姉さんが話しかけてくる
「世界各国に支部があること、共和国を主活動としていること、ランクがⅩ~Ⅰまであること、前金クエストを放棄で指名手配になることがあること。ここまでなら知っておるぞ」
「きちんと勉強してますね、ではクエストの管理やランクについて詳細を説明しましょう。
クエストについては既に説明があったように国家とは違い、前金が確定ではありません。
国家ではあらかじめ報酬金を国家に渡し、兵がクエストをこなす、達成で全額支払い、未達成で半額支払いで残り返金になりますが。
ギルドの場合は物が報酬になることがあります。基本的に前金があったり無かったり、他にもクエスト達成後に追加報酬をくれる依頼主がいたりと様々に報酬の支払いが行われます。」
「国家のクエスト制度についても初めて聞いた気がするが、そうなんじゃのう」
「国家とギルドの更なる違いは依頼料金とその請負者の戦力の管理ですね。
例えば国家は戦力を管理し、それに合わせて国家側からクエストがいくつか指定されますが、ギルドは自分からクエストを選択する方式になっています。」
「確かに昨日クエストを受けた時は予め決められておったのぅ。」
「ギルドでは自分のランクと同じランクのクエストなら同時に3つまで受けることが可能で、更に自分より一つ上のランクであれば一つまで受けることが可能です。」
「自分よりランクの高いクエストを受けると報酬が増える以外にメリットはあるんですか?」
ティオが頬張っている代わりに問い掛ける
「ギルドでは自分のランクより上のランクのクエストをこなすことでランクを上げることができます。
具体的には自分がランクⅠの場合ランクⅡのクエストを3回達成することでランクが上がります。もちろん自分のランクより下のクエストも受けられますよ。
その場合依頼者から感謝の印として追加報酬が出やすくなる傾向にあります。」
「おお!太っ腹じゃな!」
そう言ってティオがおなかを叩く、見てわかるくらいかなり膨れている
「これでいつでもギルドのクエストを受けられるようになりましたね!困っている人はたくさんいますので国家所属の方でも歓迎していますよ!」
しまった!押し売りだったか!
そう言ってお姉さんは手をひらひらさせながら去っていく
「よかったな、ギルド仕事もこれでできるようになったぜ」
「空いてる日はギルドクエストを受けるのも悪くないな」
クリフとエディルがケラケラと笑いながら話しかけてくる、食べ終わったようだ
「でも軍も忙しそうじゃぞ?空いてる日なんて休み以外にあるのかえ?」
「軍での仕事は千人規模の大隊、百人規模の中隊、10人規模の小隊が主にあって。一週間に1回だけどれかの規模のクエストに強制参加になる。
それ以外は各自クエストをこなすようになっていて、簡単に言うとどれだけクエストをこなし、稼いだかで評価が増加する。」
「なるほどのぅ、今までは帝国指定のクエストをひたすらこなしてたわけじゃな」
「そう、主にエディルやグレン達とね、だからこの二人とならそれなりに連携がとれるわけ。」
「確かに最弱と呼ばれてる割にはしっかり戦えておったような気がするのぅ。」
「よし、じゃぁ皆食べ終わったしそろそろ測定所にいこうか」
「「ご馳走様でしたー」なのじゃー」




