出会い
【惑星ホド】
中でも最大戦力を誇る国家『帝国』にある『帝国第八騎士団』二等兵という最も下っ端なリクシオ・ケテラー
彼は日々鍛錬に勤しんでいたが中々強くなれないことに哀しみを背負っていた。
そんなある休日に何でも願いを叶えてくれるという『願いの丘』へ足を向けた。
「足りない...!足りないんだ!今の俺じゃ...父さんと...母さんを...!」
「皆...!皆...!俺の願いを...!俺に力を...!!」
..........
「今日で何度目のお願いだろうなぁ」
なんて考えながらも毎週末、10日毎に1度、二日目の休日の誰も来ない早朝願い事は欠かさず来るのであった。
「あれ、俺より早く人がいるなんて珍しい?」
..........
気が付くと俺は倒れていた。早起きしすぎたのかな?なんて呑気に考えながら体を起こす。
「!?」
目の前で少女が倒れている。急いで駆け寄り呼吸、脈拍が安定していることを確認する。
幼い顔立ちをしている為定かではないが13歳くらいの黒髪のミディアムロングの女の子、透き通るような白い肌と、ダボダボの白い服を着ている。
「寝ているだけかな、無理もないなぁ、ここはいつでも夜だから」
この魔力を帯びた木々に囲まれた場所『願いの丘』は常に満天の星空と、中央に一番星の見える不思議な丘、
気候が乱れることはなく木々によって囲まれた少し高い場所。
呑気に構えながら少し離れた場所に座る。ここには寝るにはちょうど良い背の低い草が生い茂っている。
「う...ん...あれ?」
少女が目を覚ます、「よく眠れた?」なんて呑気なことを口走りそうになる
綺麗な水色の目をしている。
「よく眠れた?」
口走った。そして帰ってきた返事は至極真っ当な返事だった
顔立ちに似合ったかわいらしい声
「お主は...誰じゃ?」
お主?じゃ?老人みたいだなぁなんて考えていると予想外の言葉が紡ぎ出されていた。
「ここは...? 私は...?」
おっとまったそれはまだ聞いてないしこちらが聞きたいことがある
「ここは願いの丘だよ、俺はリクシオ、君の名前は?」
「名前...私の名...? 思い出せぬ...」
真の意味で表情が無い、というか目に生気が無い
「本当にあるんだなぁ記憶喪失、それもこんな場所で」
「こんな場所とは...なんじゃ?」
「ここは願いの丘って呼ばれてるんだよ、なんでも願いが叶うと言われている不思議な場所、いつの時間でもこんな星空が見られるんだ」
そう言って天を指さしながら空を見上げる
ん?いつもより少し違うような...
「願いの丘...か...ならば今すぐにでも私の記憶を返してもらいたいものじゃ...」
まずい、余計に暗い表情になってしまった、
「言い伝えだけだよ、それより本当に思い出せないの?名前とか家とかは?」
「駄目なようじゃな、何も思い出せん」
見た目15歳にも満たないくらいか、白装束のやけに落ち着いた少女、どうにか元気づけられないものか...
「そうだ、俺はいつもここに願い事にくるんだ。英雄のように強くなってやるんだって」
「英雄とはなんじゃ」
「本当に何を覚えているのってレベルなんだ...英雄って言うのは皆から憧れられてる人たちのことだよ。ある人は強く、ある人は賢く、ある人は優しくそんな人々から尊敬の眼差しを向けられているような人たちのことを『英雄』って呼ぶんだよ」
我ながらかなり無理があり突拍子もない話だ、本当に何も知らないなら今すぐにでも鼻で笑われても...
「叶うと良いな、その願い」
ふふっと笑った。目に生気が宿ったようだ
焦って考えていなかったけれどもかなり可愛い、とそんな場合ではない
「っと、名前も家も思い出せないんだったっけ、名前...どうしようかなぁ」
「名無しでは不便であろう、好きに呼ぶがよいて」
「そうだ、昔の言葉の中には願いのことをオプタティオと呼ぶことがあったんだって、全部とるのも前を取るのもアレだから後ろを取って『ティオ』にしよう!」
「『ティオ』か、即興にしては良い名ではないか、よかろう」
「行き場もないだろうしよろしくな、ティオ」
そっと手を差し出して座ったままのティオを立たせてあげた。




