第74話 皆様にご紹介します♪
本日は新キャラ登場!
次回は9月16日です。
皆様、こんにちは(・∀・)ノ
皆のアイドル☆ 咲希ちゃんですよ〜♪ って痛い、痛いからっ!! 冗談、冗談だからっ!!!
ごっほん、では改めまして。
クラリオン王国勇者の咲希です。
本日はヴァストークより、勇者様お二人を招いて、王宮の一角で、お茶会ならぬ、勇者会議?が行われております。
「はじめまして、ヴァストーク勇者の花月 美穂です、皆さんの先輩勇者になります」
まずはご挨拶から。本日の美穂さんは、青い大きなリボンを頭に着けて、水色のシンプルなワンピースです。優しい感じの彼女には、ぴったりの装いで、とってもお似合いです。
「はじめまして、ヴァストーク勇者、大神 蒼一という、俺はそこにいる咲希の義理だが兄でもある、分からない事とかの質問等もしっかり応えるからよろしくな!」
爽やかに言い放ったソウ兄。本日のお召し物は、ゆったりしたローブである。だよねぇ、ソウ兄は後衛タイプだよね。もしかしたら、とか思ったあたし、バカだろ。
「んじゃ、次は俺がやる!」
元気一杯の、我が勇者仲間の問題児が手を上げる。
「俺はクラリオン王国勇者、天上 翔太だ、勇者は二回目になる、先輩方よろしくな! そして俺の癒し! ブルードラゴンのカイトだ、こいつの事も宜しく頼むな!」
あら、思ったよりも、ま・と・も☆
本日の翔太の着ている服は、半袖のシャツに、青いズボン。明らかにラフな格好だ。
「あ、それじゃあ、次は私! 神白 優香です☆ 先輩方、どうぞよろしくお願いします! この子は、私がお世話をしてます、アカネです、可愛いんですよ♪」
次は元気で可愛い優香ちゃん。黄色のワンピースに、髪はポニーテール。ゴムには、ピンクの花飾りがついている。その腕には、赤いドラゴンのアカネちゃん。紹介されると、手を上げて、挨拶してた!
可愛い〜☆
「次は僕ですね、初めまして、白鳥 和磨です、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願いします、この子は、僕が世話をしているヒスイです」
丁寧に頭を下げた和磨くん、その横で、一回り大きくなったヒスイが、礼儀正しく頭を下げる。うん、各々の性格によく似てきてるよね? 因みに、和磨くんの本日のお召し物は、緑色のシャツに茶のズボン。中々にお洒落な格好ですよ。
「では最後に、改めまして、クラリオン王国勇者、天城 咲希です、そこにいるソウ兄の義理の妹です、こっちはあたしが世話をしているヒカリです」
小さな体を器用に使い、頭を下げたヒカリは、とってもご機嫌です。まあ、あたしが色々とあっちこっち行ったり、体調崩して寝込んだりしたから、久方ぶりにずーっと一緒にいられる事が、嬉しいみたいなんだよね。
「噂には聞いていたが…………クラリオン王国の勇者は、まさに勇者街道まっしぐらだな」
苦笑いしてるソウ兄には悪いけど、“まだ”あるわよ?
「ソウ兄? 驚くの早すぎ」
「はあ!? これだけでも凄いのに、まだあるっていうのか!?」
目を見開いて唖然としてしまったよ。隣の美穂さんは、そんなソウ兄を見てクスクス笑ってる。この人も大らかな人だよねぇ。
「美穂? 笑ってる場合じゃないだろっ!? もうこいつらおかし過ぎだろ!」
唾を飛ばす勢いで、美穂さんに食って掛かるソウ兄は、昔から変わらない、いや、それ以上に進化した、苦労性お兄ちゃんになってるみたい。
……………ソウ兄、こっちでも苦労してるんだね。
「ソウ? 貴方の妹ちゃんに、誤解受けそうな図になってるわよ? 早く撤回しないと、辛いんじゃない? これから先」
哀れみすらこもった視線が、容赦無く、ソウ兄に向かっていく。哀れ、哀れ過ぎるよ! 味方かと思った美穂さんにまで、言われてるし!?
「は? って、違うからな!? 俺は正常だからな!? いつもいつも問題持って来るのは、お前達だからな!?」
「ソウ兄………」
それは苦労性と言うんじゃないかな?? もう無自覚な苦労性なのかな?
余りに哀れになってきて、じっとソウ兄を見れば、彼はマジでへこんでた。こう、ジトッとキノコでも生えそうな、そんなどんより空気を纏ってますねー。
「あ、あの? 美穂さん、ほっといていいんですか?」
和磨くんが心配そうに、ソウ兄を見ながら、美穂さんに伺えば、あっさりと返された。ウインクしながら☆
「ほっといていいの、そのうち治るから」
あたしがあっちにいた頃は、ここまで酷くなかった。つまり、美穂さんと、今回問題になった、もう一人、西藤一心さんが原因と………。美穂さんはあまり無いとして、これは一心さんが原因よね? 恐らく、一心さんの周りも含めてだろうし。
……………ソウ兄が哀れ過ぎる!!
「あ、何か質問とかある? 私はお昼頃には帰らないと不味いからさ」
そういえば、早く帰らないといけないって、昨日も言ってたっけ。
「あの、帰る時は馬車ですよね? お昼頃では、すぐに日が沈んでしまうのでは?」
確かに、言われてみれば。ここからヴァストークの王都へは二週間程かかる。急ぐならば、もう出発しないと不味いのでは?
「あぁ、大丈夫よ? クラリオン国王が、“門”を使う事を許可してくれたから」
んー? 美穂さん、今、知らない単語言わなかった??
「「「「門??」」」」
あたし達の声が綺麗に重なった。やっぱり皆も、分からなかったみたい。皆の顔が、キョトンとしてますよ! 因みに、あたし達を真似して、子供ドラゴン達も首をかしげてます。
か、可愛い………!!
「あれ? 説明受けてない? 王様とか上位職についている人達は、知ってるはずなんだけど?」
逆に聞かれましたが、あたしも流石に知らないです。でも上位の人しか使えないとか、何か理由があるはずだよね?
「美穂、説明してやれよ………、まだ知らされてないみたいだぞ?」
いつの間にか復活したソウ兄に促され、美穂さんが得意げにドヤ顔してたけど、何故か誰も突っ込みをしなかった。まあ、うん。あたしもスルーしよう!
「………じゃあ、説明するわね? 門は、国と国の首都を繋ぐ、特別な道の事を言うの、魔法でお互いに繋ぐから、予め、お互いに時間の確認や、渡る人数も把握してから行うのよ」
ほうほう、つまり、だ。流れで説明すると。
まずはお互いに人数と時間を把握し、魔法を両国で発動。そして、渡り終わると、魔法を解除する、と。
「上位の者も、国王陛下の許可が無ければ、門は使えないのよ、まあ、理由として、首都間を繋ぐ道だから、お互いに国の威信をかけて魔術師を使うんだけど…………人数をかなり使うから、人件費が馬鹿にならないのよね(笑)」
あぁ、だから上位の人しか使えないんだね。納得したわ。もう、バカでしょう、王様よ。国の威信は分かるけど、効率悪すぎ。その間、魔術師の大半は仕事が停滞するわけで。うん、使えないわな。頻繁には。
「今回は、私達がヴァストークからの使者として来てるから、特例でね、ソウはどうするの? 一緒に帰る?」
心配そうに、美穂さんに問われたソウ兄は、眉間に皺が出来てた。そしてチラチラとあたしに対して、気になる視線が。うん、多分だけど、あたしを気にしてるよねー。
「ソウ兄、久方ぶりの再開だから、心配するのは分かるけど、やることあるなら、先に終わらせてよね? 怠け者の兄を持った覚えはないから!」
ビシッと決めたはずなのに、何かビミョーな空気になった。何故だ!?
「あー………うん、お昼頃に帰るよ…………咲希に諭される日が来るなんてなぁ」
ソウ兄? それはどういう意味かな……………?
「お、おいっ!? 咲希!? マジで殺気は止めろ!! お前のはシャレにならんから!!」
本当に青ざめ、ガタガタと震えるソウ兄は、まさかの涙目。あ、あれ? 遣り過ぎかしら………?(汗
「昔より強く成ってやがる…………、咲希? お前は一体どんな事をやったんだ!?」
悲鳴じみたソウ兄の言葉を聞いた皆は、ぎょっとした顔であたしを見てた。まあ、幸いな事に、恐怖じみた視線じゃないからいいけど。
「小さい頃から、可愛い癖に強かったからなぁ、咲希は」
苦笑しながら、見事な爆弾を落としたソウ兄。自然とあたしの顔が引きつりましたとも!
「ちょっ! ソウ兄!?」
何で余計な事を言うかな!?
「外見は物凄く納得なんですが、蒼一さん? 強かったとは、どういう?」
翔太は、まるっきり人を不振人物として見てやがる。普段の意趣返しか!?
「あー、咲希? 陰陽師関連の説明は?」
「基本的な部分だけ、必要に応じて教えてあるよ」
そういえば、何故かソウ兄は理解したらしい。こういうところが懐かしくて、ちょっと嬉しかった。
「普通、陰陽師の家系に生まれると、霊力がある奴は陰陽師に、無い奴や、弱いもしくは視る力が無い奴は、違う道を選ぶんだ」
「力があったら即っていう強制じゃないんですね?」
驚いた様子の和磨くんには悪いが、そんな事、昔ならいざ知らず、現代はしない。やる必要がないからだ。
「やらない、何故なら外から必要な力を持った人達が、うちらみたいな業界に自然と集まってくるからな」
苦笑気味に言うソウ兄に、皆は不思議そうにしてるけど、詳しく説明するつもりはない。だってもう、あたし達は必要ない事柄だから。
「まあ、そんな不思議な家に、それも直系筋から少し離れた家に、だぞ? 咲希みたいな膨大な力を持った子供が生まれたら、そりゃあ、大騒ぎもする……………お陰で咲希は色んな奴らに命を狙われながら、厳しい修行を行った訳だ、だから小さい頃から可愛い癖に強くてな? 男子は一部以外は絶対に近寄らなかったんだよ」
微妙に肩が揺れているから、笑うのを堪えているまたいだけど、ソウ兄? 人の人生を勝手にペラペラと話すとは、やっぱり一度シメタロウカ?? きっと軽い口も理解するとオモウンダ!!
「ソウ兄〜? ちょ〜っとあっちで二人でお話シヨウカ♪」
逃げようとするソウ兄を拘束し、皆には目が笑ってない笑顔で席を外すと言ったら、あっさり許可が出た。
……………この後、久方ぶりに兄妹の語らいを“物理的”に行いました☆ 口は災いの元………なのですよ。
読了お疲れ様でした!
本日は新キャラ登場です☆ ようやく出せました! 咲希ちゃんのお兄ちゃん♪ これからた〜ま〜に〜出てきますよ。
さて、活動報告にも出てますが、実は来月上旬より、新作短編シリーズ物を書きます。まだ題名がしっくり来ない為に、試行錯誤してますが(笑)
ではまた次回、お会いしましょう♪