表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/292

第72話 再会&国王陛下と話し合いです☆

次回は、9月2日更新です。

本日はサキちゃんの特別な人が出ます(笑)

些細な事で喧嘩した優香ちゃんと翔太を気にしつつも、あたし達は一路、陛下の執務室へ☆

向かうメンバーは、お馴染みになりつつあるファイさん、そして水氷の神官と呼ばれるジュビアンさん。うん、まさしく無表情。お似合いだよ、ジュビアン神官。


「サキ様、私の顔に何か?」


ギクッ、き、気付かれた!?


「な、何でもないですヨ?」


焦りつつも、足は動かしてますよ。このお城、無駄に広いから歩くの大変なんですよ………。あぁ、手狭な我が家が懐かしい。


「サキ様、あの魔族は本当に出れないのですよね?」


かなり不安らしい口調のファイさん。あれ? 説明したよね?


「大丈夫よ、あたしがうっかり解除でもしない限りは、解けないから」


あの結界を解ける存在は、果たしているのかしら?

まあ、陰陽師で更にあたし以上の腕前なら、もしかしたら………?

なんて馬鹿な考え事をしているうちに、無事に執務室へ到着。ふぅ、迷子は御免被るわ…………。

実は以前、一人で歩いて迷子になってしまった事がある。偶々通りかかった親切な騎士さんに連れられ、ようやく自室に戻った時は、本当にホッとしたわね。あれ以来、あたしは1人で出歩かないようにしてる。近場ならまだしも、ちょっと記憶が怪しい場所へ行く場合は、ファイさんなり誰かしら連れてます。ノー、迷子!!

……………後から聞いた話、かなり危険な場所等もあるそうで、本当に迷子にだけは成りたくないと思ったわよ。


「失礼致します、陛下」


ファイさんの後に続き、あたしとジュビアン神官が室内に入ると。そこには陛下の他、複数の人物が。

入って正面には、確かに陛下が豪華な椅子に座ってる。ここはいい。

問題は、手前の客人が座るソファーの方ですよ!

あたしから向かって左側、そこには何故かフランツ殿下と、中年の確か……宰相様だったか。そちらが座り、何やら二人揃って顔色が悪い。何かあったのね…………。二人の顔色見て確信した、してしまったあたしは悪くないはずだ。

そして、右側の見慣れない二人の人物。

1人は女性。この世界では珍しい黒い髪をショートカットにし、上の方にリボンをつけていて、なかなかに可愛い顔立ちの、日本人がおりました。着ているのは、間違いなくこの世界の服。動きやすそうな、ワンピース。

そして、もう一人。こちらの人物を見て、あたしの心臓は止まるかと思った。

それは相手も同じだったようで、大きく目を見開いて、こちらを見てた。


「咲希……なのか………??」


唖然とした口調の時点から、相当ビックリしているもよう。勿論、あたしもビックリしてますよ!?


「えっ……………ソウ兄、なの?」


懐かしい、記憶の声より低くなった、男性の声が、あたしの名を呼び、あたしも震える声で彼のあだ名を呼ぶ。


「何でお前がここにっ!?」


「そっちこそ、何でここにいるのよっ!?」


驚愕のあまり、声が裏返ったけど、それより何でいるのよ!?

ビックリし過ぎて、お互いが固まっていると、そこに第三者であるフランツ殿下が、怪訝そうに此方を見てた。


「お二人はお知り合いなのですか?」


もっともな質問をされました。




「「親戚です!!」」




「「「「「「……………………」」」」」」


綺麗にハモリましたよ! 懐かしいわ〜。よく昔は本当の兄妹みたいって、笑われてたからねぇ〜。

つーか、皆で無言って、酷いと思いますが!?


「ふ、ふむ、勇者ソーイチ殿、ふむ、説明をしてもらえるであろうか?」


流石に王様も気になっていたらしく、何故かソウ兄に聞いてました。ちょっ、あたしは!?


「咲希は相変わらずな訳か………、とりあえず説明しますが、俺と咲希はちょっと遠い親戚関係にあたります、細かい部分は省きますが、咲希の婚約者の姉と、俺が婚約してたんですよ、まあ、義理の兄妹とでもいいますか」


「成る程、確かにそれなら納得です」


フランツ殿下? 何が納得なんでしょうか??


「サキ殿とソーイチ殿、二人共に性格が良く似ておりましたから………」


「「はぁ!?」」


今度はあたしとソウ兄の声がハモッた。つーか、あたしと性格似てるか!?


「…………殿下、お二人で遊ばないで下さい、ことは急を要するのですよ?」


殿下の隣に座っている宰相様に、冷静に突っ込まれ、流石に悪いとは思ったのか、殿下がわざとらしく咳をする。


「ゴッホン、すまない、ちょっと取り乱してしまった」


と一応の謝罪をし、話をしてくれました。


「で、何だか急用みたいだし、サキ殿達の話を聞こうか」


今度は素晴らしい迄のニッコリ笑顔で問われました。背中に何かオーラがあるんですが!? ちょっ、笑顔が怖いですよ!?


「恐れながら、途中までは私が説明致します」


そう言ったのは、ファイさん。キリリとした表情が素敵です♪ そして内容は、一連の青い炎事件と魔族さん達の関わり、更に首謀者たる魔族二人の拘束を説明して終わりました。流石です。要点をしっかりと説明しております!

……………あたしが気絶した事や、お話し合いと言う名の尋問に触れない辺り、よく分かっていらっしゃる。流石、ファイさん! 惚れますわ♪♪


「ま、魔族を拘束ですとっ!?」


あ、宰相さんが胃の辺りを押さえながら、顔色を青くしてる。陛下もだらだらと脂汗かいてるし。普段通りはフランツ殿下だけ、かな?


「はい、あたしが張った結界に、閉じ込めてあります、無事に話し合いも出来まして、魔族側の事情も幾つか分かりました」


すらすらと肯定していくと、何故か皆さん微妙なお顔。


「「「「「話し合い………?」」」」」


………………………


………………


………



何故にそこっ!? それぞれに思いはあれど、何故か共通してるのは。

ファイさんサイドは。


『あれは普通の話し合いではありません!』


殿下、陛下、宰相様サイドは。


『果たしてサキ殿は、どんな話し合いをしたんだ?!』


てな感じかしら?

どちらも失礼だな、おいっ!?


「あー、ふむ、サキ殿、どんな内容か教えてくれるか? ふむ」


頭痛でもするのか、陛下は頭を右手で押さえつつ、しかし目は真剣なもの。茶化したように見えるけど、やはり陛下は一筋縄ではいかない相手。


「まず、魔族の基礎からいきますか」


魔族は、魔王を頂点とした国である。魔王がいる間、国王陛下と今現在は言われている存在は、宰相と同じ存在になるそう。後は人間の国と同じ、階級制度の貴族達、更に下の兵士、更に下の平民となるそうですよ。

さて、お話し合いで分かった事は、現宰相であるアクダッチャーという公爵が、何か企んでいる事を、説明しました。

他にも細々した事を説明して、1時間程で話は終わりました。


「……………ふむ、とりあえず魔族に関しては、サキ殿に任せよう」


何やら疲れ切ってしまったような王様。よく見ると、一気に10歳位、老けたように見える。

……………後で滋養に良い物でも、用意した方がいいわね。


「で、ソウ兄達は何でここに?」


今更だけど、魔族の事で、頭が痛いあたし達側なんだけど、何で来たんでしょうね? 普通、勇者は自分の国から、滅多には出ないはずなんだけど。


「あぁ、それはまだ僕達も聞いてないんだ、彼らが居ても構いませんか? ソーイチ殿」


フランツ様の言葉に、ソウ兄と隣の可愛らしい女性は、二人揃って頷いてますし、大丈夫らしい。一体全体どうしたんだろう?


「まずは改めて、自己紹介を」


そう言って、この世界の共通の挨拶らしい、右手を胸に当てて、優雅な仕草で軽く礼をする。


「ヴァストークの勇者、大神 蒼一」


「同じく、ヴァストークの勇者、花月 美穂」


隣の女勇者さん、優しそうな人だなぁ。もしかしたら、ソウ兄の彼女だったりして(笑)


「本日、クラリオン王国に来たのは他でもない、新たな勇者への目通りと挨拶、そして…………とある事に力を貸して欲しいのです」


いつになく真剣なソウ兄の顔に、あたしも昔の癖でつい、つられて真剣なものになる。


「挨拶に対しては、我々も構わないが…………とある事とは、一体何だろうか?」


そう答えたフランツ殿下も、流石に困惑顔。

そして今の発言には、本来なら有り得ない事が含まれていた。本来、勇者と呼ばれる者は、滅多に他国へは行かないのだ。今回、ソウ兄達が来ている時点で、おかしいのである。そして、他国へ協力要請をしている時点で、更に変。自国の事を、他国に解決してもらう、もしくは手を貸して貰う時点で、国にとっては恥なのである。そんな事、聡明なソウ兄がするとは思えない。

……………他国に協力要請する程の事とは、一体何だろうか? もしかして、緊急事態!?


「実は、我が国にも魔族の被害がかなり出ている、本来なら俺達も国を離れるのは、かなりヤバい状態なんです」


なら、何で来たのよっ!? 普通なら突っ込みますよ!? ツッコミはしないけど。話を脱線させたくないし。多分だけど、ここにいるクラリオン王国側の人は、皆内心思ってるわよ?

ソウ兄の言葉を繋ぐように、今度は美穂さんが続ける。


「でもっ、…………どうも、魔族側に、我がヴァストークの情報が漏れてるみたいで…………」


沈鬱な表情の美穂さん。もしかしたら、既に何かしら、起きてたりして?


「犯人側の怪しい人物は、特定出来たし、捕まえるのも時間の問題だったんですが……………ここで問題が発生しまして」


珍しくソウ兄が、苦い物でも食べたかのように、眉根を寄せる。


「「あのバカがやらかしたんです!!」」


ハモッた。って、何か嫌な予感。今、二人はバカって言ったよね? 翔太みたいな、良いバカじゃなくて、悪い意味のバカよね!? 大丈夫なの、ヴァストークよ!


「えー、因みにバカとは、どなたでしょうか?」


フランツ殿下、顔が引きつっておりますよ!?


「我々、勇者仲間の一人、西藤(さいとう) 一心(いっしん)の事です!」


ソウ兄? 何か顔が怖い。キリリとしてたはずの顔が、怖い。目が、ワラッテマセン(汗


「何でそこで、勇者が出るんです?」


あたしが疑問を出せば、ヴァストーク勇者二人は、揃って微妙な顔。んー?


「…………あいつは寄りにもよって、裏切り者の方に、無意識な発言の所為でついちまったんですよっ!!」


あぁ………………。確かに、そりゃ不味いわ。勇者二人が顔色を悪くするのも頷けます。


どうやら、この問題は、避けて通れないみたいです。トホホ………。


読了、お疲れ様でした!


本日はサキちゃんの特別な人登場! 新キャラですよ!!

何やら、おもいっきり苦労性な方が出ましたが、きっと幸せになるはずです。

さて、次回はサキちゃんとのお話(笑) 大丈夫かしら? 何って、苦労性の人が。


ではでは次回、お会いしましょう☆


感想、ご意見、誤字脱字、いつでもお待ちしております☆ 甘口でお願いしますね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ