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第71話 裏幕を知りましょう

お久しぶりです☆

次回は、8月26日更新です♪


「んで、あんたらの真の目的は何なんだ?」


翔太の淡々とした声が辺りに響く。


「アクダッチャーとか言う奴が、国王に信頼された優秀な奴であるのは分かった、だがな? 優秀な奴が、たかが裏切り者を探すだけに、優秀な駒を投入する訳が無いんだよ、そうだろ? つまりだ、まだ他に何かある、そう思うには充分な証拠だろ?」


翔太の指摘はかなり適切なもの。うん、違和感半端無いわ。翔太って、ふざけてる姿しか見たこと無かったし? 何か新鮮だわ〜。

そう思っていると、大人しく聞いていた和磨くんが、一歩前に出る。


「今の話を聞いて、思ったんですけど、皆さん忘れてませんか? 魔王はまだ、生まれていないんですよ? 今現在の最高位の権力者は、国王陛下のはず、何故、アクダッチャーさんは陛下に伺う事もせずに、勝手に動いているんでしょうね?」


………………あっ!

和磨くんの指摘で、ようやくあたしも気付いた。そう、国王の指示で動くならまだしも、アクダッチャーは自分で指示を出しているんだ。


「何か企んでいる、そう考えるのが普通ですよね?」


そして元の話に戻る。


「……………我らは、意見を言える立場にない」


「俺達は実行部隊だからなぁ、いくら怪しくても、陛下には意見は言えるが、取り合ってもらえるかどうか………」


二人も現実的に無理だと思っている。現時点で疑惑なのだから、確かに無理よねぇ。


「そうそう、何でそもそも、魔王の誕生祝いが世界なのかしら?」


あたしが口を挟んだら、何故か皆が、あっ、と言った。言ったわよね!? 何、なんなのよ! その反応!


「魔王とは、そういうものだろう? 違うのか?」


とは、魔族おじちゃん。


「先代は、世界を欲しがったから、ではないんですか?」


とは、魔族お兄さん。


ん?? あれ? 彼らも知らないの!?


「アクダッチャー様が、魔王様には世界をプレゼントするのが善いと……………」


「そう! そこよ!」


あたしの指摘に、魔族さん二人がビクッと反応する。

あの、そんなにビクビクしなくても……………。ま、まあ、いいか。


「新しく生まれる魔王まで、世界を欲しがるか分からないわよ? 逆に嫌がるかもしれない」


なのに何故、そこまでして世界を求めるのか?


「ま、今のあたし達の情報じゃ、何故かまでは分からないけれど、その宰相様は要注意人物に変わらないわね」


取り敢えず、あたし達がここで言い合ってる場合じゃない。


「さあ、魔族のお二人さん? じっくりと全てを語ってもらうわよ?」


ウフフ♪ ちゃーんと、お話してね☆


あたしが、魔族のお二人さんと話している中、後ろで我らが男性メンバーはこそこそと話してました。ちゃんと“お・話・し・合・い”だからね?

例え、そこに自白剤が使われようが、悲鳴が上がろうが、笑い声が上がろうが、お話合いです!!


「うわ〜、咲希はあれで話し合いとか言ってたけど、ヤバイだろ!?」


「さ、咲希さんの、あんな姿、初めて見る…………ブルブル」


「……………私は、果たして治癒を手伝った方がいいんでしょうか?」


「やっぱりサキ様は偉大です! 一生ついていきます!!」


若干名、バカを言っているが、念のため順番は伝えておくわ。

上から、翔太、和磨くん、ジュビアン神官、ファイさんである。

本当に、ファイさん? 何かズレてません?! 上3人はまともって、いつもの貴方はどこ行った!? つーか、和磨くんはまだしも、翔太がまともな事を言うなんて、変にも程があるわよ!?


…………まあ、取り敢えず。それから三時間かけて、辺りが夕闇に染まる頃、お話し合いは無事に終了。やっぱり前に来た公爵様は、三流だったもよう……………。彼らに聞いた話の中には、目から鱗の話がぎょうさん出て来たしね〜。


「さーてと、このお二人さんには、話は終わったし、帰ろうか」


「え? サキ様、彼らはどうするのです!?」


ファイさんの口が、あんぐりと開いていて、面白い事になってる。


「ん? 放置よ?」




「「「「はあ〜〜〜〜!?」」」」




全員で大合唱(笑)


「何を考えてるんですか!?」


「そうですよっ、咲希さん!!」


「サキ様、理由をお願いします」


上から順に、ファイさん、和磨くん、ジュビアン神官様です。はあ、何の為に、あたしが結界を張ったと思ってるんでしょうねぇ??


「咲希、無言で殺気飛ばすのだけは、止めてやれ」


翔太を見れば、何故か呆れたような、哀れむような、そんな顔をしてました。え? 何で??

仕方なく皆を見れば、何故か顔色を青くして、皆さん固まってましたよ!!

あたし、もしかして、また無意識に殺気出してた…………?


「やっぱり無意識だったか………」


翔太、何で君が呆れたようにしてるんだい? 絶対なんか違うよね!?


「取り敢えず、何で“放置”なのか教えてくれ」


頭痛でもするのか、右手で頭を押さえる翔太に心配と、そしてイライラしながらも、理由はしっかりお答え致します。


「あのね? 何の為に、この巨大な結界を張ったと思ってるの? これは中の物が、あたしが解除しない限り、絶対に出れない結界なのよ?」


そう、さっき言っていた“水攻め”。この結界だからこそ、出来る技なのだ。通常の結界は、外から来る物、攻撃などね? それから内側の者を守る、というのが一般的なのである。今回、あたしが張ったのは、逆の効果があるわけ。外からの物は守らず、内側からの攻撃や出る事を禁ずる結界。つまり、彼らは出られないのだ。


「勿論、転移とか、その他諸々も対処済みよ♪」


可愛く言ってみた☆


……………んだけど、何で皆は微妙な顔をしてるのかな? すんごく、失礼じゃない!? だって、前に翔太と戦った魔族さん、体に鎖を着けたまま転移されちゃったからねぇ〜。何気に悔しかったのよ! 一度の失敗で、学んだんだから、勉強の上では必要だったと思いたい。


「えっと、雨とか降ったらどうするの? 咲希さん」


和磨くんがおずおずと、質問するけれど。確かに、そういう事もあるだろう。けどね?


「何であたしが、敵を気遣わないといけないの? それに、それくらいは自分達で対処出来るでしょ?」


……………………。


……………。


……。


あ、あれ? あたし変な事いったかな?? 皆が沈黙しちゃったんだけど!?


「サキ様………、流石にそれは………」


微妙な顔のジュビアン神官。彼には悪いけど、魔族さん達がこの程度で根をあげる訳がない。


「鍛えた軍人が、たかが野宿で悲鳴を上げるなんて、可笑しいでしょ?」


野宿なんて、冒険者と軍人の専売特許でしょうに。


「………………確かに」


既にあたしは興味も無い彼ら。それでも結界を解かないのは、それだけ彼らが強く危険な存在だから。


「んじゃ、帰るわよ〜」


あたしの号令で、皆は渋々従い、一路お城へ帰ります。



◇◇◇◇◇



「も〜ぉ!! 皆ひどいよ!! 私を置いていくなんて!!!」


はい、今現在、優香ちゃんから、我々一同は説教を受けております。てっきり誰か説明してくれていたと思いきや、誰もしていなかったそう…………。

うん、そりゃ怒るよね。


「本当にごめんね? 優香ちゃん、あ、あのね? ちょっとした問題が起きたから、解決しに行っててね?」


「うん、それは分かるの、皆が緊急で出た事は教えて貰ったから」


ん? じゃあ、何で怒ってるのさ?

あたしの内心が分かったのか、優香ちゃん。ぷっくりとリスみたいに頬を膨らませ、可愛くお怒りです。


「何で私だけ置いていったの!? 皆だけずるいよ! 私も外の任務いってみたいのに!!」


えっ!? そっち!?


「今回は捕まらない優香が悪いんだろ? 次の機会があるだろうし、仕方ないしな」


翔太がバッサリと切った。うわ〜、優香ちゃんの顔が引きつってるよ!?


「……………でっ……!」


優香ちゃんの声が漏れ聞こえる。あ、あれ? 何かやばくない!?


「ん?」


呑気な翔太は全く気にしてないようだけど、それがとうとう優香ちゃんの最後の何かを切ってしまったみたい…………。


「私の気も知らないでっ!! 翔太くん何て、大っ嫌いっ!!!」


「っ!? お、おいっ! 優香!?」


翔太が止めるのも聞かず、優香ちゃんは走って行ってしまった。


「今のは、翔太が悪い」


和磨くんが、翔太にまっすぐと視線を向けて言う。言われた翔太は、苦虫を何匹も噛んだような顔をしてる。


「………同感、翔太らしいっちゃ、らしいけど、今回は翔太も悪いよ、あんな言い方されたら、優香ちゃんだって怒るよね」


あたしも和磨くんに同意するわ。あんな風に、心配してくれた人を、責めてしまったら。優香ちゃんは優しい。だからこそ、辛かったはずだ。あたし達に置いていかれて……………。

緊急事態だったし、勇者が誰か残らないと行けなかったんだけど、それでも説明をしなかった部分は、あたし達の非なんだ。


「翔太、貴方なら分かるでしょう? 置いていかれた者の辛さや苦しみは…………」


二回目勇者の名は、そこにもある。彼は既に背負っている。――――――多くのモノを。


「……………クソッ、すまん、ちょっくら頭を冷やしてくるわ」


頭をグシャグシャかき回し、どんよりした足取りで歩いていく。こっちは自覚しただけいいかな。


「サキ様、我々は国王陛下に報告いたしましょう」


ファイさんに促されて、あたしとファイさん、ジュビアン神官は一路、国王陛下のいる執務室へ。



はあ〜〜〜〜〜。陛下が気絶しなきゃいいんだけど……………。

だ、大丈夫、よね??


読了、お疲れ様でしたm(__)m


秋月煉です!


夏の暑さも落ち着いてきた今日この頃。皆様、いかがお過ごしでしょうか?


秋月は、お盆の最中が忙しかった。お客様が多いのは、いいことなんでしょうね?

さて、今年は無事に海水浴にも行きましたが、実家で久しぶりにヤツと会いました。


そう、ム・カ・デ ですよ!!


体長20センチはあるような巨大なやつ! 秋月の敷き布団の下から、でやがりました!!

勿論、悲鳴を上げまして、帰宅した父に退治してもらいましたが、刺されなかったのは不幸中の幸いですね(;^_^A



では、次回お会いしましょうね。

感想、ご意見、誤字脱字、いつでもお待ちしております。なお、秋月はメンタル弱いので、甘口でお願いします。

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