第70話 あたしVS魔族さんです( 3)
お久し振りです(・∀・)ノ
次回は8月19日更新です。
さあ、魔族のお二方! 存分におもてなしを楽しんでクダサイナ? あたし達は、結界の外で見学してますが(笑)
「って、咲希さん!? まだやるの!?」
和磨くんたら、煩いわよ? 全く、せっかく前から考えていた連チャンコンボを試せる機会なのよ! やらなくてどうする!!
思わず、手を握り締め、ガッツポーズしたあたし。よし、絶対に成功させよう☆
「どうやら、まだまだ持久戦をやりたいみたいね?」
クスリと笑うあたしに、まわりはどん引き。まあ、仕方ない。裏の顔なんて、皆には滅多に見せないし。多分、このメンバーでは、初めてではなかろうか?
「サキ様!? 何考えてるんですか!? やりすぎですよっ!!」
ファイさんの絶叫を華麗にスルーして、あたしは技を言おうとして……………。
『降参するから、頼むからこれ以上は勘弁してくれ〜!』
魔族さん二人の言葉で、断念した。チッ、折角のチャンスだったのに。
不完全燃焼とはこの事よね?
もし、降参言わなかったら、翔太に頼んでた大技が炸裂していたはずだった。
「はぁ〜、翠嵐、翔太を回収して戻って来てね〜」
あぁ、久方ぶりに発散出来ると思ったのにぃぃぃ―――――!!!
「とりあえず咲希さんは落ち着こうか」
和磨くんが、どこかほっとした顔で、あたしを止めにかかる。くっ! 不意討ちとか出来ないじゃないか!?
「ただいまぁ〜」
頭にお約束のように葉っぱを着けた翔太が、翠嵐の風で戻ってくる。ちょっとボロッとなってるのが、何とも言えない哀愁を誘う。翔太よ、一体全体何があった?
「イヤー、咲希に吹き飛ばされてさー、その吹き飛ばされた先には、何とビックリ! 鳥みたいな魔物がいてさー、全力で走ってきた!」
「そ、そうなんだ………」
まさかのお言葉に、ビックリしつつ、和磨くんが、答えてくれました。すまん、流石に当人が返事とか出来ないでしょ?
「いやー、咲希の式神様には感謝だわー、結構危なかったし」
ん? 翔太が危ない?
「翔太、そんなに強い魔物だったの?」
和磨くんも気になったらしく、怪訝そうに聞くと、何故か遠い目をされた。
「流石にな? 群れのど真ん中に落ちて、状況判断して間もなく戦える程、強くねぇぞ?」
あぁぁぁ、何か御愁傷様。翔太、本当に本当に申し訳ない! スライディング土下座、やっちゃう? やっちゃうか?
「ハイ、ストップ! おまえが土下座とか、こちらが心臓止まるわ!」
やろうとしたら、何故か全力で翔太に止められた。てか、心臓止まるとか、失礼過ぎよ!?
「何でわかったし!?」
「咲希さん、全部顔に出てるよ………」
和磨くんに苦笑された。おかしいなぁ、あたし、昔からそういうの平気だったはずなのに。
「オォ〜…………」
余りのショックに、思わずうなだれるあたし。
と、そんな漫才してるあたしらに、それを止めるお言葉が。
「勇者様方、そろそろ宜しいでしょうか? 魔族の者達が危険な状態ですが?」
「「「あ゛………!!!」」」
ジュビアン神官のお言葉に、全員で我にかえる。
やべぇ! 忘れてた、テヘペロ☆
「紕ノ斗! 戻っておいで!」
『もうか!? まだいいだろっ!?』
「終わりよ、終わり! 強制的に戻した方がお好み?」
『ちっ、分かったよ!』
あら、今回は随分と素直だこと。まあ、助かるけどね(笑) また寝込みたいとは思わないし。
素直にお札へインした紕ノ斗を懐に仕舞い、視線を魔族さん方に向ける。
あたしと視線が合ったお兄さんは、何故か青ざめ、隣のおじちゃんは顔を強ばらせていた。
え? 何で?
まあ、理由は何となく察しが付いたけど。
「いやー、驚いたよ、お嬢さん…………これでもオレらは侯爵なんだが、手も足も出ないとはなぁ………」
青ざめた魔族おじちゃん、あたしへの呼び方が嬢ちゃんから、お嬢さんになってますよ!?
「……クソッ!」
若いお兄さん、とても乱雑な口調になってますよ(笑)
そう言ったお兄さんは、先程から顔色は悪いし、フラフラしていて、どうやら一人では立てないみたい。隣にいるおじちゃんに支えて貰ってるんだけど…………ね? うん、その、腐女子の方々が大好きな光景だよなぁって、あたしは思ってしまい、ちょっと引いた。意味が分かっているらしい翔太から、呆れた視線を向けられたけど。うん、今回はチャラにする。翔太に対しての罪悪感が半端無いわ。
「変な真似をしたら、即効で次が行くから、覚悟してね?」
笑顔で言うと、二人揃って何度も頷いてた。な、何か、怖いよ? 必死過ぎるよ!?
「お前が言うな!」
翔太に軽く頭を叩かれた。痛くなかったけど、何故に考えていた事分かったし!?
「咲希さん、全部顔に出てるよ………」
呆れた視線を和磨くんに向けられました。くー! 何でこうも易々と!!
「取り敢えず、兄ちゃん達は何をしにこの国に来たんだ?」
翔太に問われ、魔族さん達は微妙に困った顔に。あら? 自分達の立場を理解してないみたいね?
やっぱり、やっちゃう?
懐からお札を出せば、本気が伝わったようで、おじちゃんもお兄さんも一瞬で顔色が悪くなった。
「キチンと答えてくれるわよね?」
ニコニコニッコリ♪
きっと今度は答えてくれるはずだ。マジであたしはヤル気だから☆ 今度は龍よね? 結界内部の物は、外には絶対に出れないから。水攻めとかステキよね?☆
「いやいやっ! お嬢さん!? 大丈夫だ、話す、話すからっ!!」
大慌てで止めるおじちゃんがうけた! ヤバイ、笑いそう(笑)
必死で笑いを止めようと我慢していたあたしに、隣にいる和磨くんは、かなり呆れていたけど、無視無視。
「じゃ、最初から話してくれ」
翔太に促され、ようやく、魔族さん側の事態が明らかになりました。ちっ、もう少し弄りたかったのに!
「俺達が受けた任務は、魔族の裏切り者を探して、強制的に魔国に送り返すこと、その為にあっちこっち人間の国を回って、ようやく見つけた訳だ」
……………ん? 送り返す?
「まさかっ!? あの青い炎は、返還する時の魔法!?」
いきなり叫んだあたしに、怪訝そうにしてはいるものの、素直に答えていく。
「ん? そうだぞ? 強引な方法だから、俺はすかんが、あ奴からの命令だからな、仕方なくだっ!! ちゃんと同意した奴は、キチンとした返還魔法を使ったがな?」
そんな理由だったのかぁぁぁ、あたしのあの忌まわしい記憶を、どうしてくれる!!
「お嬢さんが何で睨んでるのか知らんが、俺らはあ奴の命令に逆らう事は出来ないんだ………」
どこか苦々しい言い方に、何となく違和感を感じた。もしかして、魔族も一枚岩じゃないのかな?
「なあ、あんたがさっきから言ってる、“あ奴”ってーのは、誰なんだ?」
多分、今までの人間側への侵略に関して、中々に重要な位置にいそうね? 前にあたしが罠でコテンパンにした自称公爵様(笑)は、結構いい話をしてくれたけど、あんまり重要な位置にいなかったらしく、概要の説明だけしていったわね。
魔王誕生の祝いに世界をあげよう…………なんて、普通は考えないわよ? それはあくまで、表向きの理由だろうって、すぐに気付いたもの。本人は、終始真面目に話していたので、多分、気付いてないと思われる。
「魔国宰相、アクダッチャー様だよ」
…………………はっ?
いやいや、きっとあたしの気のせいだ。うん、そんな馬鹿な名前があるわけないわ。
「……………そのアクダッチャーって奴は、どんな奴なんだ?」
えっ?? 翔太スルーですか!? あ、和磨くんに睨まれた。邪魔をするなと。さいですか………。あたしもそろそろ真面目になるか(笑)
「10年前から宰相をやってる実力者だよ、宰相やってるし、位は公爵、更に国王陛下の信頼関係が半端無い、宰相の言葉は全て国王と国、後はこれから生まれてくる魔王様のためっていうし、結果も出してるから、俺達は逆らえないのさ」
うわー、完璧超人? いや、完璧魔族か? けど、10年前から?
「先代の宰相は、どうして辞めたの?」
随分と最近の事よね? 企みとかやり放題よね☆☆
「ん? 確か………何だったっけな?」
ガクッ。おいおい、魔族おじちゃんや。自分の国の事でしょうが!!
「………不正があったんです、先代宰相が横領していまして、それをアクダッチャー様が告発し、陛下のご命令で宰相の職に就いたのです」
そう応えたお兄さん。まだ一人では立てないようで、隣のおじちゃんにもたれかかったまま。
「とりあえず分かった、んで、あんたらの本当の目的は?」
そう聞いた翔太の声が、とても淡々としたものだった。
さあ、魔族さん? 本当の狙い、はいてもらいますよ?
読了お疲れ様でした!
そしてお久し振りですm(__)m
忘れた………はご勘弁願います。秋月煉です!
先週は、久し振りに、『夢渡りの姫』を投稿しました☆
まだ読んで下さっている方がいて、本当に嬉しかったです。本当にありがとうございます!!
さて、話は本日のテンシロに参りましょう。
新たに出てきた、重要人物! この方、今後も要注意です!!
そして、来週の12日にはテンシロの人物紹介2を更新します♪ 誰にしようか悩みつつ、基本的に出てくる方々にしました。面白い設定もあるかも?しれません(笑)
更に! 活動報告にて、テンシロの翔太サイドの戦闘の小話を書きました。興味のある方は、読んでみてくださいね?
では、次回8月19日に更新します!
感想、ご意見、誤字脱字、いつでもお待ちしております。なお、作者はあまりメンタル強くないので、お手柔らかにm(__)m