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第67話 お相手しましょう♪

次回は7月22日更新です!

皆様、ご機嫌よう。只今、あたし達、草原の真ん中で土修羅場しております☆

え? 何言ってるんだって? 勿論、前回の翔太の言葉に、ブチキレておりますが何か?

既に背中から般若が飛び出そうですよ(笑)


「おい、いるってどこにだよ?!」


「そうだよ、咲希さん、どこにもいないよ?」


翔太と和磨くんが怪訝そうに、あたしを見てる。けどさぁ? このあたしが気付いたのよ? いるに決まってるじゃない!


前回、罠にかかった真犯人を追って、あたしと和磨くん、翔太、ファイさん、ジュビアン神官で来たんだ。ここ、西の丘へ。


「まあね、見つけたよ――――随分と悪趣味ね? 覗きなんて」


そう言って、右手に魔力をためていく。渦を伴ったソレは、次第に丸みを帯びて大きくなっていく。


(ウィンド・)(ガン)!』


放ったのは、風の中級呪文。まあ、ぶっちゃけ当たればオッケーな品物なので、これでいいのだ。放ったのは、地面から数メートル程の空中です。拡散型のため、空中の広範囲に渡り、風の玉が勢いよく通過していきます。おー、初めて使ったけど、中々広範囲に行くのね? 広い場所はいいわね、この呪文。




ドォォォッカ―――――――――ンッッッ!!!




空中で大爆発が起きる。その所為で、辺りに煙が立ち込めて、空中は全く見えない。


「おいっ!? 何でそんなとこ……!?」


「あれって………」


先程まで、ぎゃあぎゃあ騒いでいた二人、正確には翔太だけなんだけど、次の瞬間、あたしの行動に唖然。

勿論、唖然としたのには、理由がありますよ?


「初めまして、かしら? 覗き魔さん? 随分と覗きが板に付いているようで?(笑)」


あたしの話す先には、煙が風で流され、ようやく見えた空中に浮かぶ、透明なバリアに守られた、紫色の髪の二人の人物であった。

対するあたしは、宮廷で見られるような、超優雅な挨拶です。多分、二人が唖然としたのは、これかな? ……………失礼だけどね!

右側の人物は、まさに威風堂々とした野性的な男性。外見は30歳くらいに見える。髪は短く、紫色の髪もかなりはっきりした色合いである。着ているのは重量級の黒い鎧。背に背負っているのは、真っ赤な宝玉がついた、これまたかなり重量級と思われる大剣。かなりの実力者とみるべきだろう。つーか、重くないのかな??

左側の人物は逆に、隣の人物より華奢で、髪は肩で切り揃えている。髪の色は、まるで宝石のように、透明感がある、そんな色。顔立ちも、まだ若い感じがする。更に、服装も控えめなゴシック系の魔術服。ローブを含む全てが、深紅の色で統一されている。何か冷静沈着って感じ。それにどっかで見た顔のような……………? おっかしいなぁ、魔族に知り合いなんていないんですけど?

まあ、出来る相手だからこそ、ちょっと挑発の意味を込めて、いい笑顔で言ってみた(笑) んだけどね〜……………。


「お前ら、人間の割に随分と好戦的だな?」


そう言ったのは、右側の筋肉男。ニヤニヤしながら、あっさりとあたしのかけた挑発を放棄。


「あら? 事実でしょう?」


こちらも余裕の笑みを見せるけど、こう、威圧感? プレッシャー? それがビシッバシッて来てます。

今度は左側の華奢な人物が、感心したように口を開く。


「ほう、怯える事も無く、機転のきく娘だ――――ん? まさかお前か? シャキルが怯えて逃げ帰って来た原因は?」


………………は? この人、何言ってんだ??


「実験の過程で行った、呪咀だ」




………………今、何と言った?




「呪咀、ですって?」


あたしの声が、低くなる。ついでに殺気も含めた視線を、魔族さん達へ向けて全力で放った。勿論、問答無用、この威力だけで普通なら心臓が止まっちゃう威力です☆


「ほう………」


「これが無ければ、我らも危うかったな」


二人揃って感心されても困ります。だって、気付いてます?


「あんたらが元凶か! あの呪咀騒ぎ、どんだけ大変だったと思ってるのよ!?」


内心だだもれです。もう、徹夜はするわ、すんごい大変だったのよ??! それが、それが、こいつらが原因とかシャレにならんわ!!


「言っておくが、指示を出したのは別の人物だ、我々は別の任についていたのでな、担当したのは、我の弟たるシャキルだ……………あれ以来、会ってはおらんが、使い物にならなくなったと報告が来たからな」


淡々と、ただ事実だけを告げるような左側の魔導師タイプ魔族。

って、おいおい!? 実の弟に対して、随分あっさりしてますねっ!?


「随分とあっさりするのね? 貴方の実の弟なんでしょう??」


こう、何か情とかないのかね?


「魔族は実力主義、実の弟とて、実力が無ければいないも同じだ」


「へぇ〜、実力主義なんだ? じゃあ、任務に失敗した方々は、どうなったのかしら?」


ほら、やっぱり気になるじゃないですか? それなりにお相手してきましたので。


「皆、貴族位を剥奪の上、扱かれているぞ?」


これには右側の筋肉男が応えてくれました。成る程、それなりの扱いをされるわけか。


「さーて、そろそろ時間稼ぎも止めようぜ? ちびっこい嬢ちゃん?」


あら、気付かれてましたか?? まあ、このままお相手してくれるとは思わなかったけど、気付かれるの早すぎですよ…………。まだ準備が終わってないのに。

けどさぁ?


「ちびっこい?」


ちびっこい、だと?


「お、おい? 咲希?」


「サキ様? どうなさいました?」


翔太とファイさんが、引きつった顔で聞いてくるけど、そんなの関係ないわっ!! よりにもよって、あたしが気にしていることを!!! よくもよくも言ってくれたわねー!?


「そうね、時間稼ぎなんて、やらなくても良かったわ」


あたしの声は、とても平淡なもの。そう、淡々とした言葉なのに、それに比例して、周りのメンバー達はあたしから少しずつ離れていく。


「咲希がキレた!? 巻き込まれる前に離れた方がいいぞっ!!」


……………後で覚えとけ、翔太。自慢のハリセンで吹き飛ばしてくれるわ!!


ゾクッと来たらしい翔太、ふん! お前が変な事を言うからでしょうが!? 自業自得じゃ。


「んじゃ、ちびっこい嬢ちゃん? ()るか?」


ニッコリと笑ってはいるものの、言ってる事は物騒である。


「悪いけど、貴方みたいな筋肉質なオヤジの相手を、あたしが出来るわけないでしょ? って、翔太! そんなに逃げなくてもいいでしょうがっ!?」


気付けば、翔太はかなりの距離、離れていた…………。敏感なんだか、バカなんだか…………。何とも言えない残念さを感じる。


「だってさぁー、お前ぇー、怒ってるんだもーんー」


……………アホか。


微妙に遠い所為か、間延びして聞こえる。


「んじゃ、筋肉質のおじちゃんは、翔太と楽しみなよ?」


「お、おじちゃん!? 俺はまだまだ若いんだが!?」


何やらぎゃあぎゃあ喚いているが、とりあえず無視。勿論、ちびっこい発言は忘れておりませんわっ!!


「翔太、全力でやってこい♪」


親指を上げて、目が笑っていない笑顔で、翔太に声援と言う名の、強迫をかける(笑)


「なあ、ちびっこい嬢ちゃん? あんなひょろい奴、直ぐに終わるぞ? いいのか??」


一応、気にはなるらしいが、筋肉おじちゃん? ちびっこいって、また言ったな!?


「おい、てめぇ! 何がひょろいだ!? 咲希、こいつは俺がきっちりヤルから安心しろ!」


こちらもいい笑顔で、あたしに向けて親指を上げる翔太。あぁ、君にも分かるか、この気持ち。グッジョブだ、翔太☆


「では、貴方達の相手は、我がしましょう」


冷静な左側の人物、魔術服の魔族は、右手を顔の高さまで持ち上げ、指でパチリと音を鳴らすと、あの透明なバリアがすっと消えた。

……………あたしの攻撃系が一切効かなかったのは、かなり悔しい。こんなのを平気で作れる辺り、高位の呪文に精通していると考えていいよね。あたしの警戒レベルが、また一つ上がったわ。


「えぇ、お相手願いましょうか? 魔族のお兄さん?」


わざとそう言えば、隣にいた筋肉おじちゃんは、微妙な顔をしていた。まあ、そうよね? 自分はおじちゃんなのに、相方はお兄さんと呼ばれたのだから。まあ、複雑よね…………。


「俺と3歳しか違わないのに…………」


ボソリと呟いた筋肉おじちゃんに、あたしら全員が唖然。

え? マジで? どう見ても、40歳くらいだよ? え? もしかして、老け顔ってか…………。いるんだね、魔族にも。


「……………御愁傷様?」


思わず同情の眼差しで、筋肉おじちゃんに言えば、顔を真っ赤にして怒鳴られた。


「そんな同情いるか!? 俺だって苦労してんだよ!」


確かにしてそう。だから、老けたのかしら?


「さて、小さなレディ? お相手願いましょうか―――――――地獄(ヘル・)(ファイム)!」


えっ!? ちょっと、いきなり上級呪文ぶっぱなすか!?

思わず舌打ちする。


「チィッ――――水海(シー・)津波(グランド・ウェーブ)!」


あたしの目の前で、巨大な業火とあたしが召喚した津波がせめぎ合う。目の前で、もうもうと水蒸気が上がる。


「たくっ! ファイさん、和磨くん、前衛!! ジュビアン神官は、あたしと二人の援護! 相手の魔法はあたしが何とかするわっ!」


水蒸気のお陰で、辺りは霧に覆われて視界が悪い。


さーて、上手く反撃できるかしらね?


かなりの強さの敵に、いくら準備してきたとはいえ、不安になってきたあたしだった。


読了お疲れ様でした。


本日はようやく今回の黒幕のお二人登場。何げに酷いこと言ってますが、国が変われば郷に従えということで。

まあ、今回は見事に咲希ちゃんがキレておりまして。何といいましょうか。

こいつら子供か!? と何度か突っ込み入れながら書いてました(笑)


さて、そろそろバトル回が来るわけですが、最初は咲希ちゃん視点、次が個人戦たる翔太視点を考えております。


まったく、彼らに穏やかな日はないのか??(←もろ、作者の所為ですが)

何とか平和な一日が書きたい今日この頃(笑) 当分無理ですね! 話の流れ的に…………。



感想、ご意見、誤字脱字、諸々お待ちしております。なお、作者はメンタル弱いので、お手柔らかに。

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