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第65話 町へ降りましょうか

次回は7月8日更新です!

本日は久方ぶりの(多分)ギャグ回です!(笑)

とりあえず、先に言います。

今日は、新しい侍従が出来てから、既に3日後です。そう、3日もたってます!


はい、見事に熱が上がって、ちょっとヤバかったんですよ〜〜〜!!(涙)


つーか、目眩、頭痛、吐き気、寒気…………咳以外は全部やらかした、ぐらい具合が悪くなったわよっ!! あのバカ王子、もう少しまともな時に侍従決めればよかったんだよ! 後で絶対にプチ呪いをかけてやる!! ハゲにでもなっちまえ〜〜〜!!!


……………とまあ、とにかくだ。あたしは無事に生還したわ。凄く苦しんだけどね………?


「じゃあ、改めて町に行こうか」


そう言って振り返れば、そこには本日の探索メンバー達が。右から、ファイさん、和磨くん、レイヴァンさんの三人。まあ、本来なら、和磨くんじゃなくて、翔太の予定だったんだけど、治癒魔法が得意な和磨くんがいた方がいいだろうという、過保護な皆の総意である。

平気だと思うんだけどなぁ〜………。なんて思うのは、あたしだけなのかな?


「サキ様、本当に普段着で宜しいのですか?」


ファイさんの問いかけに、あたしは満足げに頷く。

本日の皆のお召し物は、町でも浮かない、地味な普段着。勿論、設定は作ってきたよ? 女の子はあたし一人だから、婚約者と兄弟と護衛の人に見えるようにしてもらいました。ファイさんには、護衛役として帯剣をしてもらってるし。

因みに、だ。間違いなく、あたしと和磨くんが兄弟に見えるよう、服装は近い色の物を選んだ。だって仕方なかったのよ…………。

まさか、ファイさんはいいとして、レイヴァンさんが、剣を持っても、護衛に見えなかったなんて、どうすればいいのよ!? 勿論、和磨くんも、だよ?

二人とも、ひょろりとしていたのが災いし、全く護衛に見えないんだよねぇ…………。仕方ないから、和磨くんが兄弟役、同じ黒髪だから大丈夫として、問題はレイヴァンさんの方。彼があたしの婚約者役になったんだけど…………。

うん、何か不安。凄く生真面目な為か、言葉は全て丁寧な敬語。

ほら、全然、婚約者に見えない!


「サキ様………、先程から百面相をしておりますが、そろそろ参りましょう」


「うん、分かった」


レイヴァンさんに促され、はっとして前を見る。

急に黙り込んで、百面相し始めたから、心配をかけたみたい。ごめんよ、皆。


「…………レイヴァン殿、普通に接して下さらないと、困るんですが」


レイヴァンさんの、あまりに真面目な姿に、流石のファイさんも引き気味だね。その隣で、和磨くんはクスクスと笑ってるけど(笑)


「いいんじゃない? 妹が婚約したけど、婚約者である彼が真面目過ぎて心配だから、お節介な兄が付いてきた…………ほら、筋書は出来たし、いいでしょ?」


まあ、良かったと言えば良かったかもしれない。本当に筋書の通りに、和磨くんもファイさんも振る舞ったから。

お陰様で、お店に行くたびに、同情の目で見られたよ!!

レイヴァンさんの真面目さが、まさかの好評価。あたしには同情の眼差し。因みにファイさんも同じく。和磨くんは、過保護なお兄さんな為か、呆れた顔をされていたよ。アハハ。


「う〜ん………、変だなぁ、そろそろだと思うんだけど」


既に何件かお店を周り、既に太陽は真上にありました。あたしが悩んでいると。


「へぇ〜〜〜〜、嬢ちゃん、可愛いなぁ〜? 俺達と遊ばないか?」


まさか……………。内心で、盛大な溜め息をついて、声をした方を見れば。

ニヤニヤしながら、数人の男達が来ましたよ。下衆な奴らであるのは、一目でわかった。直ぐにファイさんが前に出るが、ちょっと人数が多すぎた。相手、10人くらいいるし。


「あたしとレイヴァンさんで、援護するから、和磨くんとファイさんは前衛で!」


あたしは直ぐに、指輪を杖の形に変える。


「イーリス、出番だよ?」


『はい、サキ様』


声は聞こえるけど、今回は姿は見せないご様子。まあ、町中で特殊な武器たる物を、易々と見せていい訳がない。まあ、魔法使いのあたしは、杖があった方が楽だから、仕方ないんだけどね?


「和磨くん、ケガとか気にしなくていいからね?」


「いや、でも………」


「こういう馬鹿な人達には、体で分からせないと同じ事を繰り返すよ? 躾けをしっかりしないと、こういう人達は理解しないから」


笑顔で言えば、和磨くんの視線が痛い。ファイさんも全力で違いますって、言い切っているし。

あ、あれ? 何か間違えたかな………??


「躾けですか、確かにこういった奴らには必要かもしれませんね!」


……………レイヴァンさん?


あなた、真面目だとは思ってたけど、もしかして素直にこの言葉通りに受け取りました? 貴方、貴族ですよね?? 普通、そのままの文面を素直に受け取りませんよね???

問うようにファイさんに視線をやれば、顔が引きつっていましたよ。おや、予想外でしたか。そうですか。


「そうだね、躾けは大切だよね? ねぇ? 和磨くん?」


こうなったら、皆を巻き込もう。ここまで素直に聞かれてしまっては、下手な誤魔化しはしない方がいいでしょう?


「なぁにをごちゃごちゃ言ってんだぁぁぁ!? てめぇら! やっちまえ!!」


うわっ、三流悪役まんまの言葉! 内心、大爆笑だけど、今は取り敢えず、こいつらを“躾”ないと、ね?


(ウッド・)(チェーン)!!』


あたしの呪文により、術が発動! 地面からにょきにょきと、成人男性の腕と同じ位の太さの幹が伸びて来て、不良さん方に襲いかかる。


「サキ様、援護はお願いします!」


そう言って駆けたファイさんは、剣をスラリと抜き放つと、手近な不良さんを剣の塚であっさりノックアウト。同じ方法で、次々と倒していく。

うわっ! やっぱり美形、特にあたしの好みな顔だけあって、そこだけキラキラして見える! 間違いなく、ファイさんがアイドルだったら、追っかけとかしてそうね、あたし。


「あれ? 和磨くんは?」


ふと気になって、和磨くんを探すけど、見つからない。あれ〜? どこ行った!?


「やぁぁぁぁあ!」


そんな声が聞こえたから、あたしから見て右側を見てみれば、巨漢の男を一人、相手にしてました。


「あー、だから見えなかったのね!」


納得、納得! じゃないよ!? 何言ってんだ、あたし! 和磨くんが押されてるよ!? もしかして和磨くん、強い人を相手にしてないかな!?

よし、こうなったら!


『秘儀・たらい落とし!』




スコ――――〜〜〜〜〜〜ン!




辺りに間抜けな程の鈍い音が上がる。上空からいきなりピンク色のたらいが落ち、男の頭部に直撃したんですよ。因みに、たらいは何故か白い花柄でした。




「「「「「なんじゃそりゃ!?」」」」」




「あら? 冗談で覚えた魔法だったのに…………」


辺りが騒然となる中、あたしの苦笑混じりの声が響く。アハハ………、冗談で覚えた魔法が、まさかの威力。空中から現れた、たらいに、頭を打たれた巨漢さん、目を回して倒れてしまった。

……………すまん、注意をそらすだけのつもりだったのに、まさかの威力。こんなに威力があるなんて思わなかったんだい!


「サキ様…………それは宴会芸用の呪文ですよ?」


明らかに顔を引きつらせたファイさんの言葉に、周りがあたしから視線を反らした。まるで見てはいけない物を見たような、そんな微妙な顔つきで。


……………穴があったら入りたい!


「えっと………咲希さん、助けてくれてありがとう」


苦笑い付きでも、感謝を示してくれた和磨くん、マジ優しい!


(サンダー)鉄槌(ボルト)!』


その言葉が聞こえたと同時に、辺りに雷が降り注ぐ!


「うわっ」


「きゃっ!」


勿論、和磨くんとあたしの悲鳴が上がる。何故か、和磨くんがビックリした顔をあたしに向けたけどね!

…………ん? あたしだって乙女。甲高い悲鳴だってあげますよ? 後で覚えてなさいよ!


「お二方、今は戦いの最中です! ケガしますよ!」


と言って来たのは、レイヴァンさん。雷は見事に制御されており、確かにあたしと和磨くんには当たっていない。当たってはいないんだけどね?


「やるならせめて一言、言ってくださいよ!? 心臓に悪いですから!」


当たらないと分かっていても、怖いものは怖いんだい!


「サキ様、こっちは片付きましたよ〜」


たらいの後、逃げた奴を追って少し離れていたファイさんが、そう言いながら戻ってきた。が、辺りの惨状に、顔が引きつっている。まあ、実質的にやったのは、レイヴァンさんで、あたしはたらいだけ。和磨くんは、全くと言っていい程に何もなし。


「これは…………?」


地面にある無数の焦げた穴に、辺りに気絶しているむさ苦しい男達。中にはアフロヘアになってる人もいる。ファイさんでなくても、絶句間違いなしの光景です。


「取り敢えず、これはどなたが?」


ファイさんの口調が、とても静かだ。さらに、目が坐っている。


「まさか、サキ様が………?」


何故か一番にあたしが言われたけど、心外だ! 断じてあたしではないわ!


「ちょっと、あたしじゃありません! これはレイヴァンさんです!」


「まあ、ファイさんが疑うのも分かるけど、今回は本当にレイヴァンさんだから」


ちょっと和磨くん!? その言い方、酷くないか!?


「咲希さん、自分の胸に手を当てて考えてみてよ?」


そう言われると、反論は出来ない。あたしも色々とやらかしてますから。さっきはたらい落としやったし(笑)


「レイヴァン殿…………、やりすぎです!」


しばらくファイさんからの有難い説教を頂いたレイヴァンさんだけど、今一理解してないでしょう?


「これは躾けなのでしょう? 加減はしましたので、問題はないはずですが?」


…………………え?


もしかして、レイヴァンさん、真面目もだけど、天然だったり……………??


流石にその返答に、ファイさんも顔が引きつっている。


おい、魔術師さん達よ? まさか、皆が同類じゃないよね!?


読了、お疲れ様でした〜!


本日は前回、書かせて頂いたとおり、ギャグ回としてみました(笑)

ちゃんと笑える回になっておりますでしょうか??


次回はちゃんと説教しますよ☆ あ、ネタバレはダメですね(汗


では次回、またお会いしましょう〜♪



感想、ご意見、誤字脱字、ご質問、いつでもお待ちしております。なお、秋月はメンタル強くありませんので、お手柔らかにお願いしますm(__)m


本日は久方ぶりに、小話いきます!


咲希:久方ぶりのナンパ………なんであたしには、まともな奴が来ないわけ!?

和磨:う〜ん、僕に言われても………。

優香:え? 咲希ちゃんナンパされたの!? 大丈夫だった?

翔太:こいつより、相手は大丈夫だったのか!? まさか半殺しなんて………?

咲希:しょ〜う〜た〜〜〜? あんたは、何を言ってるのかなぁ〜〜〜??

翔太:お、おい? 咲希? 何で手に杖を持ってるんだ??

咲希:勿論、チュド〜ンの為に決まってるじゃない!!

翔太:ま、待て!

咲希:問答無用! チュドーン!!

翔太:ぎゃぁぁぁ〜〜〜…………

咲希:ふー、スッキリした☆



お粗末様でした。

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