第4話 小さな食事会
ようやく本編再開です。
翔太の一言で急遽、別室にセッティングされた食事会。
参加者は、あたし(咲希)、優香、翔太、和磨、エリー様、お付きの人達。
因みに、あたしがエリー様に、抱きつかれて殺され……ゴッホン、苦しくなった時に助けてくれた騎士様、クリスチャン・ディオールさんっていうんだけど、その人も護衛で来てた。
よく見ると、あたし好…げっふんごっふん、格好良い方でしたよ。爽やかな笑顔に、栗色の髪は後ろで結んでいて、そのまま流していて。ヤバイ、格好良すぎる!
さて……こちらでは、ちょうどおやつの時間だった事もあって、簡単に食べれるサンドイッチとフルーツの盛り合わせが出された。そのパンの間に入っていたのは、見たことの無い真っ赤なフルーツ。
「………」
咲希は流石に手を付けれなかった。それは隣にいた優香ちゃんも同じらしく、エリー様に確認を取っていた。
「エリー様、この間に挟まっている物は何ですか?」
優香ちゃんの質問に、エリー様……ではなく、いつの間にか隣にいた立派な服を着た人が答えた。
(誰かしら?)
かなり失礼だが、あたしは覚えていなかったのだ。仕方ない、あたしは気に入らない人は覚えない主義だ。
「これは、リリンーゴの実ですよ?」
当然とでもいうように、言い切る青年。
イラッ。
名乗りもせずに、急に入ってきたのも、実は気に入らないのだが。
「お兄様、咲希が怒ってますわ! せめて自己紹介くらいしてからにして下さいませ!」
あたしの視線を敏感に感じ取った(敏感過ぎる気もするが………)エリー様が、慌てて“お兄様”に注意する。
あー、そういえば、いたね。そんな人。
ここに来て、ようやくあたしも思い出した。確か謁見の間で、デブッてた王様………の隣に立っていた人だ。王さまのインパクトが強すぎて、さっさと記憶の奥に封印しかけてたわ。
封印するのは、勿論、お・う・さ・ま♪♪
そして王子様なんだけど、綺麗な金髪を首もとで結び、後ろに流しており、顔立ちはかなり凛々しい。甘いルックスとも言えるかもしれない。
「そういえば、まだ名乗っておりませんでしたね、僕はフランツ・ディー・クラリオンと申します、以後お見知り置きを、勇者の姫君方」
優しそうな笑顔を向けられるが、正直に言おう。
こいつ、好みじゃない!!
あたしはいつでも素直な子なのよ。こんな場所でも、素直に“心の中で”ハッキリと言うわ。なんで心でなんだ?って思ったかもしれないかもしれないけど、あたしだって空気読むからねー?
そしてその後ろでは、翔太が燃え尽きたように真っ白くなっていた。勿論、本当に真っ白になった訳ではなく、精神が、である。どうやら、目当てのお肉が食べれなかった事、更にフルーツだった事が余計に精神に負担をかけたらしい。うん、馬鹿だね!
「肉ぅぅぅ〜………ガクッ」
「えっ!? ショータ様? ほら、これも美味しいですから、ね? 機嫌を治して下さいませ!! 夕食には必ず出しますのでっ!」
エリー様が何とかしようと試みるも、あえなく撃沈。
そうだ、馬鹿にはコレがいいかも♪♪ 思わず顔がにやけたけど、気にしない。
ちなみに、咲希の中では翔太は馬鹿認定をされている。勿論、普段のノリの軽い時、限定であるが。
「ちょっと、翔太、耳貸して! ゴニョゴニョ……」
「?…おう………………っ!!??」
素直に耳を貸した翔太が、いきなり真っ青になった。そのまま、あたしから猛スピードで逃げると、何を感じたのか、サンドイッチを食べ始めた。食べ方は、以外と綺麗だったのを、本人の名誉のためここに追記しておく。
「サキ? 一体なにをいいましたの?」
不思議そうなエリー様に、あたしは満面の笑顔で答えましたとも♪
「ふふふ♪ まあ、ちょっとしたお話ですよ?」
それを聞き耳を立てていた回りは、心の中で盛大に思っただろうけど、ね?
――――只の話で、あんな態度をとるわけない!! と。
「お話? それだけですの?」
あえて、エリー様はそれを聞くのを避けた。何となく、それは聞いてはいけない気がして。
「ええ、それだけですよ♪♪」
そのままあたしは、持っていたフルーツサンドをパクリと食べる。
(おっ? 以外と美味しい………味はリンゴね、見た目はビミョーだけど……………)
そんな内心はそのままに、まわりに視線を走らせる。
意外な事に、優香ちゃんは時折、回りをチラチラと確認しながら食べていた。クリームがホッペについているのは、ご愛顧だろう。
てか、可愛すぎだよ! 優香ちゃん!
少し離れた所には、黙々と食べる翔太。此方もチラチラと回りを警戒していた。やはり二度目の勇者らしく、貫禄はある。
……………口の回りにクリームがついていないのが、なんだかオチが無いようで悔しいが。
そして何故か人だかりが出来ているのは、和磨のまわりだ。よく見れば、いつの間にか王子が和磨と仲良く話をしている。どうやらあの二人、気が合うらしい。
あたしには分からないけど、もしかしたらこれから和磨は使えるかもしれない………とか、王子が考えてそうで怖い。純粋に仲良くなったと思いたいけどね。
………まあ、あたしもチラリとその辺を考えたので、人の事は言えないが。
でも、あの張りつけた王子スマイルで、一体何を考えているのか、あたしでさえ、予想できないのだけど。
やっぱり王族こわい………。
素直に、あたしは心の中で思った。
◇◇◇◇◇
そして和気藹々?てな雰囲気で、小さな軽食会は幕を閉じた。あたしは、最後にはあのリリンーゴだかいうフルーツが気に入って、何故か世間知らずなはずのエリー様が色々と教えてくれたのには、ちょっとビックリしたけど(笑)
リリンーゴはこの国の特産品で高級フルーツだった! これからたまに出してくれるって、約束してくれたよ♪ メッチャ嬉しいよ!
さてエリー様の詳しさは、なんでもこの国の王族は、しっかりとした教育をされるらしい………………。
皆も気付いた? 王様は………うん、無かった事にしよう。気付いてはいけない事も、世の中には大量にあるもんだよ!!!
「では皆様を、まずは能力値確認の間へご案内致しますわ」
そう行ったエリー様に、あたし達、翔太、和磨、優香ちゃんの勇者様ご一行………なんか、温泉旅行とかのツアーみたい(笑)と騎士クリスチャン・ディオールさん(以下、長いのでクリスさんで)と、他の騎士の皆様(美形ぞろい♪)、神官の偉いさん?、侍女さん達…………って結構おおくない?
いや、今気付いた、あたしが遅いのか!?
まあ、いっか(笑)
そうしてあたし達は、能力値確認の間へと足を踏み入れた。
どうも、いつもお騒がせ、秋月でございます。
まず始めに、なんと! なんと!! な・ん・と!!!
この小説に、お気に入りをしてくだされた方が!!! 本当に、本当にありがとうございますm(__)m 未熟者ですが、精一杯頑張って書いて行きたいと思います。これからも宜しくお願いします(^Q^)/^
そして、こんなめでたい時には、スペシャル番ミニ小説にしなくては!!!
もう1つの作者の連載は、真面目がイメージなので、こっちはハッチャケます(笑
翔太:おっ!? 今回は何かメンバーが違くないか?
咲希:あら、本当ね。作者、大丈夫かしら?
エリー:ふふふ、確かに今日のメンバーは始めてですわ。
クリス:はっ、本日はお日柄もよく、このようなおめでたき席に…
王様:ばかもん、今回は堅苦しい席ではないぞ?クリスよ……
咲希:うわー、珍しくクリスさんが呆れられてるよ、(王さまに……)
王様:(ん?何故か余を見る周りの目が冷たいような…………?)
クリス:申し訳ありません、陛下。私はあまりこのような席には、なれておりませんゆえ………
翔太:おい、誰か作者を読んでこい、絶対に人選ミスだぞ?
……………………。
秋月:はーい!!呼ばれたんで出てきましたが…………何ですか?この空気!!! おめでたい席ですよ!?
咲希:………作者、ここに座れ
秋月:?翔太:よし、スペシャルらしいスペシャルお説教の始まりだ!
咲希:勿論、覚悟はいいかしら♪
秋月:えぇぇぇぇ―――――!?ちょっ、た、助け…て………………………………ガクシ…
エリー:もう、皆様、何をやってるんですか!!! 今日はスペシャル番ですわよ! ゴッホン、常日頃からご愛読いただきまして、わたくし達も嬉しいですわ♪
王様:うむ、余もまさに嬉しいかぎりじゃ!
クリス:これからも、どうぞ………せぇ――――のっ!!!
『『『『『天と白の勇者達を宜しくお願いしますっ!!!』』』』』
並びに、作者からも宜しくお願いします。ガクッ
感想・誤字脱字・文法の間違い等々、 ありましたら、気軽に頂けますと光栄です。
なお、作者はメンタルは強くありませんので、優しくいって下さると嬉しいです。宜しくお願いします。