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第63話 新しい侍従を決めましょう

本日は新しいキャラクターが登場☆

次回は6月17日です。


とんでもない事実が明らかになった後、あたしはものの見事に熱を更に上げてしまい、意識が戻らない事態に。何とか神官様方のお力を借り、危機的状況下から助かったけど、目が覚めてからも、ベッドの住民となっております。


「う〜〜〜〜」


暇だ、暇すぎる!

実はビックリ事実暴露会?があったのは、昨日。そう、あたしは丸々一日、見事に爆睡していたのである。既に熱はある程度、落ち着いており、後はゆっくりするだけ………なんて、なるはずもなく。そう、何故かならなかった。


「さあ、サキ様、新しい侍従を早急に決めてもらいますよ?」


「はっ?」


開口一番にふざけた事を抜かしたのは、この国の王子フランツ様。

何故か時計が10時を指すと、ブラオさんと、ジュビアン神官、ファイさんに、ジークさん、ローグさん、更にフランツ殿下とエリエンヌ姫までいらっしゃり…………。あたしのベッドの周りはイケメンと美少女だらけ。

あら? あたしってば、実はモテモテ!?…………なわけもなく。

はい、実はとんでもない問題が発生しました☆


「えー!? ちょっ、他の皆も呼んで下さいよっ!?」


流石にあたし一人で決定は無理なんですけど!?



さて、皆が来る迄の間に説明致します。何故、こんな事態になったのか。

実はあたしが倒れてから、とある問題が起きたのです。そう、侍従不足ですよ! まさか、こんな事態になるなんて、誰が思いますか!!

事の発端は、ファイさん一人で、全員の侍従をしていた時のこと。あたしが倒れた事により、貴族のご機嫌伺いの使者が多く来たために、オーバーワークになった事が問題として上がったのだという。

通常、歴代の勇者は、一人につき数名の侍従役を置いていたそう。だけど、あたしらは普通の高校生。人を使う事に慣れていないため、ファイさん一人でこなせていた、らしい。が、あたしが倒れた事により、そのバランスは見事に崩壊。ファイさん一人では回らなくなってしまったのだ。


「咲希ー? 緊急って何かあった…か………って、ワオ」


翔太、あんたの反応は分かる。あたしもビックリしたもの。後ろから来た優香ちゃんと和磨くんも、このメンツには驚いてた。


「では、皆様が来たところで、改めて説明致します」


そう話始めたのは、ブラオさん。今回は彼が説明役を引き受けるみたい。まあ確かに、あたしらの先生役を引き受けただけあって、説明や解説はかなり上手な人だ。進行を頼むのにうってつけの人だわ。


「実は侍従がファインリード1人と言うのが問題になりました、故に新たに侍従を任命して頂きたいのです」


この後も、斯く斯く然々と説明は進み、とうとう誰かを至急、任命しなくてはいけなくなりました。


「そこの双子でいいんじゃね?」


唐突に指名したのは翔太。いきなりの指名に、ジークさんとローグさんは僅かに驚いていたけど、拒否する気はないみたい。確かにこの二人なら大丈夫ね。優香ちゃんも和磨くんも異論は無いみたいだし。


「では二人とも、侍従役をしっかり頼むよ」


フランツ様に了承を頂き、めでたく正式決定しました。


「「はい! 頑張ります!!」」


綺麗にはもった二人の声は、本当に嬉しそう。目がキラキラしてるのよ。しばらくは用事を頼むのは、二人にかな?


「あれ? でもさー? 騎士さんばかり侍従にしていいの?」


ふと疑問に思い、問うてみると、何故か皆さん微妙な表情。これは何かあると、あたし達に言ってるようなもんよ?


「実は一人、私から推薦したい人物がいるのです」


珍しく歯切れの悪いブラオさんは、扉に控えたメイドさんに目線を向けて頷いた。どうやら最初から指示が出ていたもよう。でも何で、歯切れが悪いんだろうね? 何かあったのかな?


「失礼致します」


そういって入って来たのは、初めて見る人物。本来なら、じろじろ見るのは失礼なんだけど、あたしはしっかり観察させてもらう。多分、これからあたし達に深く関わる人物なんだろうから。

歳の頃はファイさんとあんまり変わらないみたい。紺色の髪を短くカットした、何ていうか、いかにも出来ますな人。顔立ちも凛々しくて、ちょっと冷たい印象かな。瞳は青。そして何より、服装が魔術師の着るローブなんだよねー。つまりブラオさんの部下なわけですが、ブラオさん本人は何か浮かない表情なんだよねー?


「宮廷魔術師団青部隊所属、レイヴァン・イグレシアスと申します、以後お見知り置きの程を」


右手を胸に当て、優雅に礼をする姿は、貴族のそれ。イグレシアスって、確か前に貴族図鑑を見せてもらった時に、載っていた名前の一つ。階級は確か―――――侯爵。


「彼は、イグレシアス侯爵家の次男でね、優秀な魔術師なんだよ」


そう説明するフランツ様も、何故か苦笑い。

彼が着ているローブは青。階級は中級魔術師かな。確かに歳のわりに、階級は高いだろう。因みに、ブラオさんの紫色のローブは、上級魔術師のもの。刺繍が入ると、その階級の中でも、上の階級、つまりリーダー役を表すそう。ブラオさんは、この前の功績で、刺繍入りローブになったんだー。

後で御祝いを贈らないとね☆

こういう場合は、やっぱりお酒? いや、日本のお料理もいいかも?


「咲希さん、大丈夫?」


急に名前を呼ばれた為に、そちらを見れば、和磨くんが心配そうに、こちらを見てました。あら? 考え事をしていただけなんだけど、な? あれ? もしかして、具合悪くなったと思われた?! だってあたし、まだ寝たままで話とか聞いているしね…………。


「へーき、ちょっと考え事してただけだから」


ハハハと、渇いた笑いをしつつ、レイヴァンをちらりと見れば、全く動いていない彼の表情。もしや表情筋が固まってるとか?


「その………レイヴァンは若くして青のローブを許されている実力者です、真面目に頑張る彼を、慕っている部下もおります」


なら確かに問題はないはず。なのに何故、ブラオさんの表情が硬いのか。


「実は他にも、我こそはと自薦してくる者が後を立たず……………、我々の方で自他共に認める存在として、彼を推薦いたしました」


それなのに、何故かレイヴァンさんを見る目が微妙なものなんでしょうか? もうさっきから気になって気になって…………。誰か聞いてよー!!


「俺は構わないぜ? 優香や和磨は?」


翔太、まーったく気にしてないでしょ。話を振られた二人は、戸惑っているみたい。まあ、初対面では普通は戸惑うか。


「あれ?」


今、視界の隅に何かを見たような……………?


「咲希?」


「いや、何でもないよ」


気のせいかな? その割に、妙に気になるソレ。流石に式神様を出してまでやることではないんだよなー。


「サキ様? 何か気になる事でも?」


流石、気が利くファイさん♪

でも頼んでいいのかな? 確かに気になるし、うん、やっぱりお願いしましょう☆


「実は、部屋の隅にバッタが………」


――――バッタン!


「えっ!? 何事よ!?」


音がした方を見れば、そこには各々が色んな反応をしてた。

殿下とエリー様はビックリした顔で、そっちを見てるし、翔太は大爆笑中。優香ちゃんは泣きそうな顔でオロオロしてるし、和磨くんは呆れた顔で額に手をあてつつも、それの所へ向かい介抱してるし。ファイさんはそっちよりあたしを心配してる。双子は急な事態にフリーズ中。多分、ショックが大きかったもよう。ジュビアン神官はやはり、神官さんらしく直ぐに和磨くん共々、それを介抱中。で、ブラオさんは分かってたみたいで、諦めたような感じでため息をはいてる。

えー、音の原因である彼、レイヴァンさんはといえば、ものの見事に気絶中です。白目を出して気絶する人、久しぶりに見たわ。昔はよく遭遇してたから、あんまり新鮮味はないけどね。しかし凄い音したけど、大丈夫なのかな…………?


「えっと、ブラオさん? 何故にこうなったのか、説明プリーズ!!」


恐らく、ブラオさんは知ってるはず。こうなった理由を。だって明らかにさっき、諦めたような表情してたもの。それって、理由をしってたからだよね?


「あー、その、彼は真面目で優秀な魔術師なのは本当なのです、が、一つだけ、残念な点がありまして………………」


言っている傍から言いにくそうに、レイヴァンの姿を何度もチラチラと確認するブラオさん。何か言っていいのか、悩んでる感じだね?


「その……………、彼は、大の虫嫌いでして…………」




「「「「「はあ〜〜〜〜〜!?」」」」」




虫嫌いって、それだけで気絶? ちょっと深刻すぎやしないか!? だって魔術師って、虫も調合に使ったりしたよね!? 肝心の魔術師が虫がだめなら、どうすんのさ!?


「サキ様、大体の考えている事は想像できますが、誠に残念ながら、彼はそれを除いても、優秀な人材なのですよ」


「って、ちょっと? 何で考えていた事が分かったの!?」


「顔に全部出ております」


あらら、またですか………。最近、素の表情ばかり出してるから、あっさり考え事ばれてるし。いいのかしら、あたし。昔はそんなヘマはしなかったのに………。


「落ち込んでいる所、大変恐縮ですが、目を覚ます前に、元凶を取り除いて頂けますか?」


ジュビアン神官の冷ややかな声で我に返る。あはは、そうそう。この子を部屋の外に出さないと。


「ファイさん、すいませんけど、お願いします」


彼も心得たもので、さっさとバッタ擬きを手に掴み、ドアから出ていく。殺さないあたり、やっぱり人柄が出てる気がする。次男な彼は、甘やかされて育ったはずが、騎士学校でしっかりもののお兄さん役に成長したらしい。お陰様で、すっかりあたしの世話役になってしまっていますよ。

………………うん、なんか申し訳ない。


「とりあえず、レイヴァンさんは保留と言う事で、暫く様子を見ましょう」


あたしからは、残念ながら、そうとしか言えなかった。




これから先、大丈夫なのかしら?


読了お疲れ様でしたm(__)m


本日は久しぶりに新キャラ登場です♪

ワー! パチパチ!!

彼、レイヴァンさんはちょっと癖のあるキャラになりそうです(笑) きっと多分これから色々と活躍してくれるはずです。

皆さん、かなり引いてましたが、大丈夫ですよね?


次回は事件のおさらいです。新事実は出るんでしょうか?

次回もお楽しみに♪


感想、ご意見、ご質問、誤字脱字、いつでもお待ちしております。なお、秋月はメンタル弱いので、甘口で下さると助かりますm(__)m

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