表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/292

第60話 楽しい休暇と不穏なベール?

いつもありがとうございます!

次回は5月27日更新です。


さーて、誰に案内をお願いしようかしら??

せっかく決まりかけたお買い物なのに、案内人がいなければ、あたし達は町に行っても、いいお店が分からない。


「やっぱりファイさんかしら?」


最近、特にあたしに付きっきりになりつつあるファイさん。何故か周りからは、あたしを止めれる一人とみなされているんですよ、彼。まあ、十中八九、あたしの所為であることは間違いないと思う。色々とやらかしてる自覚はあるよ。


「あ、そーいやぁ、ファイは今日、城にいなかったな………」


思い出したのか、手をポンと叩く翔太。はぁ!? 知ってたら先に言いなさいよ!?


「んー………、エリー様かフランツ様に聞いた方がいいかしら?」


気軽に頼める人がいない。それはそれで問題だけど、とにかく誰かに案内役を頼まないと!


「あ、双子は今日が休みじゃないか?」


「イーグさんとローグさんの双子騎士? 大丈夫ならお願いしようかしら?」


あの二人は中々にいい性格をしているから、買い物も楽しいものになるわね。双子って、護衛としても優秀だし? 会うのも久し振りだから楽しみね!


「んじゃ、俺が呼んでくるから、門の所で待っててくれ」


そういって、駆け出した翔太はあっという間に消えてました。ホント、どんな体をしてるのやら…………。


「そんじゃ、行きましょうか」


唖然と事の成り行きを見ていた二人を連れて、あたしはお城の門へ向かうのでした。



◇◇◇◇◇



翔太に言われた通りに、門で待っていれば、今更ながら初めて町に下りるんだなぁーって実感する。それに、好奇心の他に若干の不安もある。これから行くメンバーは、普通に考えても目立つ。こんな時にはお決まりの、顔の偏差値が最上位の皆様と行くんです。あたしは平凡に幼い顔立ちですからねぇ…………。睨まれないかしら? 主に肉食系女子に。


「お待たせ」


「しました!」


「「皆さん!!」」


なんて複雑な乙女心で悩んでいたら、参りました、お二方。

……………うん。久方ぶりにツッコミたい! 変に区切らないでよっ!? 紛らわしいから!


「お久しぶり〜、ジークさん、ローグさん」


内心は綺麗に隠して、一旦お出迎え。今日の二人は、髪型は左右に違うだけで同じなんだけど、服装がいつもと違う。シンプルなグレーのシャツに、茶のズボン。二人で同じ服装だから、気を抜くと間違えそう…………。


「あれ? 皆さん目立ちますよ?」


「着替えなくていいんですか?」


はい、マジで正論でございます。でもね? 今現在、着替えの無いあたしらが着ているのは、あたしは青色の魔術師のローブ一式。優香ちゃんは、鎧はまずいから、制服姿。和磨くんも同じく。


「いやー、その着替えがないから、これから買いに行くのよ」


「「あー、成る程」」


綺麗なハモリをありがとう。


「でも、このままだと目立っちゃうよ?」


優香ちゃんの不安そうなお言葉に、双子は何やら意味深に笑ってます。


「大丈夫ですよ!」


「すぐそこに服屋がありますから!」


………………はい?


「どういうこと?」


うろんげに聞くあたし。近くって、明らかに王宮御用達の可能性が高いのだけれど。


「すぐそこにある服屋は、ややお高めですけど」


「町に下りても目立ちませんから大丈夫ですよ」


ならいいかなぁ。お高めだから、あくまでも今すぐに着る物だけ買うってわけか。


「そんじゃ、レッツゴー♪」


歩いて1分、目的の場所に到着。

……………はあ!? 1分ってどんだけ近いのよ!?


「やっぱり驚きますよね」


「僕らもビックリしたし」


あぁ、二人も経験済みなのね。

そんなこんなで、店に入ると、そこは比較的シンプルなデザインの服が多いようです。内装も女性向けで、明るく品揃えも多く、うん、あたし好みだわ♪


「いらっしゃいませ〜」


奥から感じのいい女性が出てきた。年頃は30台くらいだろうか? 赤い髪をきっちり結い上げており、流行の普段着を着ている。顔立ちは優しい感じで、思わず色々と頼みたくなる感じである。


「町に下りたいから、そこに紛れるような服をお願いします」


手慣れた様子で注目している双子、つまり慣れてる。ここはやっぱり王城の御用達ではないの!?


「分かりましたわ、そうね………これとこれなんていいんじゃないかしら?」


内心盛大にビビっているあたしを余所に、店員さんが選んだのは、シンプルな水色のワンピースと、同じくシンプルながら可愛らしいピンクのワンピース。

お? 中々いいんじゃない?


「そうね、帽子や靴はこれが合うわね」


店員さんが選んだものは、どれも品が良いものの、充分町に溶け込める範囲である。センスのいい方に出会ったようです♪


「あれ? 和磨くんは?」


選び終わって着替えも終わり、気持ちに余裕が出て来た。そして辺りを見てみれば、男性陣がいない。いつの間に!?


「お連れ様でしたら、奥のスペースにおりますよ、奥は男性用の物がありますから」


ニッコリとした店員さんが指差した方には、確かに通路があった。


「何で男性用は後ろなんですか?」


素朴な疑問である。


「あぁ、それは女性用の方がきらびやかですから、ショーケース等も彩りが良くなるんですよ」


ですよねぇ。男性用は地味だし。


「あ、咲希さん、優香さん、買い物は終わった?……………みたいだね」


声がした方を見れば、和磨くんが着替えた姿でいた。顔がかなり驚いているけれど。


「和磨くんも終わったんだね! 似合ってるよ」


優香ちゃんのニッコリ笑顔付き誉め言葉に、和磨くんも顔が赤くなった。分かりやすい事で。

そんな和磨くんが着ているのは、双子と似た服。白のシャツに緑色のズボン。シンプルだけど、中々似合っているわ。


「さーて、準備も出来たし、町に行こうか」


因みに料金は、あたしと優香ちゃんは、共に金貨一枚と丸銅貨一枚。しめて10500円。買ったのは、ワンピースに帽子、靴下と靴。

……………元の世界からしたら、とんでもなく安いわよね? まあ、平民の月収が金貨二枚くらいとしたら、かなり高い買い物だよねぇ…………。


「結構予想外………」


因みに、和磨くんはシャツにズボン、靴下と靴のしめて金貨一枚のみ。つまり10000円。うん、何か突っ込みたい!


「それじゃ、買い物に行きましょうか♪」


そこからは歩いて、珍しい町並みを見ながら、気になったお店を回って、時計を見れば既にお昼を過ぎてました☆

どんだけ夢中だったんだ!?

ビックリしながらも、5人組で入れる食堂に向かう。勿論、荷物は全て城に送って貰った。驚いた事に、そういうサービスがあったんだよね〜! 因みに、あたしが選んだのはシンプルな物。優香ちゃんは、可愛らしい物を。和磨くんは残念ながら分からない。何せ男性用の物は奥にしかないから、あたしは分からないんだよねぇ。まさか女性のあたしが奥には行けないし…………。


「サキ様! あの店に行きましょう!」


ん? そこは所謂カフェと呼ばれる場所。客も女性が多いが、男性もいるみたい。


「わぁー! 素敵なお店ですね♪」


優香ちゃんの笑顔がバッチリ似合うお店な気がするよ………。外見もオシャレだし、店の外にはメニューが出ていて、それを見ても中々に品揃えがあるみたい。

必要最小限の買い物は済んだし、休んでも大丈夫ね。お腹空いたし(笑)


「うん、ここにし…」


「キャァァァァァ―――――――ッッッ!?」


あたしが言い掛けた矢先、甲高い悲鳴が辺りに響き渡る。


「えっ、何事!?」


突然の悲鳴に、辺りはざわざわとどよめきが広がっていく。


「サキ様、様子を見て参ります、ジークを置いて行きますから、ここから動きませんように」


「分かった」


二人は視線を一回合わせると、すぐに向かって行った。


「何事かしら?」


「何か起きたのは間違いないよね………」


「そうだね………怪我人が出ないといいんだけれど」


上から、あたし、優香ちゃん、和磨くんです。


「今、ローグが確認しに行ってますから、もうしばらくお待ちください」


ジークさんは険しい顔で、ローグさんが向かった場所を見ている。

悲鳴は確かにした。その証拠に辺りの人達も唖然としているし。野次馬らしい人々も、悲鳴があった方に向かっているし、今頃現場では混乱してるんじゃないかな?


「あ、ローグさん、帰ってきたよ!」


優香ちゃんの言葉に、そちらを見てみれば、現場に向かったローグさんの姿が。


「ローグ! どうだった?」


ジークさんが聞くけど、ローグさんの顔色がどことなく悪い。表情も強ばっているし。


「ジーク、この先には行かない方がいい…………」


「だから! 何があったんだよ!?」


ゆさぶる勢いでローグさんに詰め寄るジークさん。ローグさんは此方をチラチラと確認しながら、何かを悩んでいるよう。ん?


「気にしなくていいわよ?」


一応、念のためにローグさんに告げれば、彼は仕方ないかのように、ボソボソと告げた。本当にボソボソ話すから、マジで聞き取りにくい。


「はっきり話せ! ローグ!」


忍耐がきれたらしいジークさんに怒鳴られ、今度こそ観念したらしい彼は、ようやく話した。


「人が………人が突然、“燃えた”そうなんです!」


「「「えっ!?」」」


全員、ポカーンとなる。正確にいえば、全員の頭がついていかなかったというべきか。


「人が燃えたって………どういうこと?」


ようやく声が出たのは、しばらくたってからのこと。それだけショックが大きかったっていうのもあるけど。


「僕も聞いただけなので、詳しくは分かりませんが、歩いていた人が、いきなり燃えたらしいんです…………灰すら残らなかったみたいで、道路に燃えた後があっただけでした」


あぁ、確かに言えないわ。いきなり人が燃えたなんて、ファンタジー世界だってビックリの事なんだから。


「とにかく現場に行こう、何か分かるかもしれない」


和磨くんの言葉で、動き出す皆。だから、気付かなかったはずだ。あたしの独り言なんて。


「…………ソウ兄」


火を連想するたびに、瞼の裏に甦るのは、あの日の青い炎―――――。


それはあたしの、“罪”の証なんだから。


あたしは空を見上げる。不穏な未来に、一抹の不安を感じながら。


読了、お疲れ様でした。


本日のお話、いかがでしたでしょうか?


もしかしたら、苦手な方もいたかとヒヤヒヤしながら、書いておりました。基本的にコメディみたいな、楽しい冒険にしたいのですが、たまにシリアスになりますね。このお話…………。


さて、今回ですが、忙しかったのもあり、スランプ気味です。書きたい事があるのに、上手く書けなくて、書き直しを何回かしております。はあ、文才が欲しいと思う今日この頃。


では次回、お会いしましょう。


感想、ご意見、誤字脱字、質問、いつでもお待ちしております。なお、秋月はメンタル弱いので、優しくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ