関話 それぞれの思い、考え
初めての閑話です。
本日は“優香&和磨”ペアです。
Side:優香
気付いたら、私は不思議な場所に立っていました。
「新たな勇者様がいらっしゃったぞ!!」
誰が言ったのかは分かりませんが、これはなんでしょう? 私は確か学校の帰り道を歩いていたはずです。近くには仲の良い友達がいて、横断歩道で別れたのも覚えています。確かその時、隣のクラスの男子がいたはずです。彼は一度も同じクラスにはなった事がありませんが、学校はずっと同じでした。
…………まさか、異世界に飛ばされる事まで、一緒になるとは思いませんでしたけど。
私達が困惑していると、そこに新しく誰かが来ました。
一人は物語に出てくるような美しいお姫様。ふんわりしたドレスがとっても似合っています。
そしてもう一人。
「もしかして………聖白沢の生徒!?」
心から驚いた声でした。
そう、私の目の前にいる女の子からです。彼女は美人さんです。美しい方の美人さんでは無く、可愛い方の美人さん。
「そうですけど………ここはどこですか?」
隣の青年さんが聞くと、綺麗なお姫様が答えてくれました。
「突然、申し訳ありません、ここはクラリオン王国の宮殿ですわ、私は、この国の第2王女、エリエンヌ・アウディ・クラリオンと申します、気軽にエリーと呼んで下さいませ」
丁寧に説明して下さって、ありがたい限りです。ここの姫様は、とても良い方ですね。それにとてもフレンドリーな方です。
「お名前を伺いたいのですが?」
そういえば、名前をまだ言っていませんでした。
「はいっ、神白 優香です」
「僕は、白鳥 和磨といいます」
隣の方、和磨さんと言ったのですね。今まで同じクラスになった事がありませんでしたから、名前を知りませんでした。
「で、そちらで僕達を眺めている、明らかに僕達と同じ様な方は、どちら様ですか?」
私も気になってました。この方も私と同じく、召喚された方なんでしょうか?
「あたしは天城 咲希、少し前に召喚されたの、二人と同じ勇者だよ、宜しく」
「宜しく、咲希ちゃん、私の事は優香って呼んでね?」
「うん、優香ちゃん、宜しくね」
「僕の事は和磨でいいです」
「了解、和磨くん、で、質問なんだけど、二人とも聖白沢学園の生徒だよね?」
キラキラした目で見てくる咲希ちゃん。もしかして、この学園に憧れていた人なのかもしれません。私もこれは自慢できる事なので、ちょっと嬉しいです。
「ええ、そうですけど………まさか私立松石高校の方ですか?」
「そうだけど、良く知ってたね? 結構うちの高校はマイナーなはずなんだけど?」
不思議そうにした咲希ちゃん。松石は逆で、とっても有名な進学校です。制服も可愛くて、薄い茶のブレザーに、スカートはチェックのグリーン。胸元の緑のチェック柄のリボンも可愛いです。
「それは知ってますよ、うちと同じく五段階評価で、五を貰ってる学校は松石しかありませんから、それに志望校でしたから」
そう言い終わった時、何故か咲希ちゃんの額に青筋が立ちました。
「サキ!? 押さえて!! 押さえて下さいっ!!」
何故かエリー様が咲希ちゃんの隣で、お馬さんを宥めるかのように「どうどう」って言っています。
「……………………うん、おちついた、おちついた、オチツイタヨ?」
「サキが壊れそうですわっ!」
エリー様がパニックになったように叫んでいます。エリー様は咲希ちゃんがお気に入りなのですね。私も手伝わないと。
「咲希ちゃん、戻って来て!! カムバッ――――――ク」
何となく浮かんだ言葉を言ってみました。うちのパパがたまに言います。
「…………何? この安いコント」
でもこの言葉の所為で、和磨くんに変な誤解をさせてしまいました。
そして――――――。
―――――ブチッ
何かが切れる音がしました。
まわりの人も気付いたそうですが、私には分かります。これは咲希ちゃんからです。
「と、とにかく、謁見の間に参りましょう!! お父様にご報告しなくては、いけませんもの!」
この時、エリー様が話題を無理矢理かえました。
「和磨くん、何で咲希ちゃんを怒らせるの!?」
「…………?」
和磨くん………あれは、自覚なかったのですね。
「ふふふ……ふふふふふふふ…………」
急に笑いだした咲希ちゃんに、ビックリしました。何か心境の変化でもあったようです。
「サ、サキ? お父様の許へ参りましょう? ねっ?」
「ふふふ……うん、わかりました」
でも咲希ちゃん、何だかスッキリしたようです。
良かった、良かったよ―――――――!!
◇◇◇◇◇
とても煌びやかな越権の間に行くと、何故か王様が真っ青になってました。私は王様はもっと堂々としていたと思ったんですが、違っていたんでしょうか?
でも理由はすぐに判明しました。王様はお妃様に怒られていたようです。不甲斐ないと叱られていた王様、あまりに不憫です。
「お、お父様………」
エリー様は、王様のこの姿に困っているようです。
「こちらが新しく来て下さった勇者様方ですわ」
急に紹介されたので、とっても緊張します。
「神白 優香です、宜しくお願いします」
「神白 和磨です」
二人で頭を下げました。回りなんて目にする事も出来ないくらい、緊張してます。
「ゾクッ……!?……何じゃ? ま、まあ、良いわ……サキ、ユーカ、カズマ、そなた達には、ゆ、勇者として我が国を守って欲しい……ふむ」
そうは言ってますが、王様、顔が真っ青です。私もこれは分かりました。回りの皆さんも感じたようです。騎士の皆さんは気付いたようで、剣に手をかけていました。
「サキ……殺気がダダモレですわ………」
咲希ちゃんは、普通の学生のはずです。私は家が剣道をやってますから、こういうのを感じることが出来ます。でも正直に言うと怖いくらいの殺気です。これは。
「?? あたしが出したの?」
『・・・・・・・・・・・はっ?』
場が一気にコケました。もしかして、無自覚で出してたんですか。有り得ませんて!
「サキ、今のは殺気と呼べるものですわ……」
エリー様が咲希ちゃんに説明してますが、呆れているみたいですね、当然です。無自覚で出せる殺気ではありませんでしたから。あれはあれだけで人を殺せるものですし、ね。
「と、とにかくじゃ、三人には「大変です」なんじゃ!! ふむ」
王様が話していると、兵士さんが来ました。
「勇者様が……」
『?』
「動きません!!!」
動かないって、どうしたんでしょう? 呼びに来た兵士さんも困ってます。
「サキ、ユーカ、カズマ、参りましょう!」
何やら、起きてしまったみたいですね。
お久し振りです〜(^O^)/
いつものように! どうも、秋月ですm(__)m
そして今回、またしてもやらかした秋月です。先に言います。本当に本当にごめんなさいm(__)m
秋月のミスで、いつも書いていたミニ小説を掲載し忘れるというボンミスを………………本当にごめんなさいm(__)m
咲希:やっぱり忘れてたのねー。馬鹿作者〜。
優香:さ、咲希ちゃん!? それは作者さんに失礼だよ!?
和磨:いいんじゃないですか? 忘れた本人が悪いんですし。
翔太:お、オレの回が………………。オレの紹介、どーすんだよっ!! 作者、出てこい!!
秋月:ひっ――――――!? 皆、メチャクチャ怒ってんじゃん!? ごめんなさ――――いm(__)m
咲希:まあ、今回は翔太の紹介とする事で、手を打って上げるわ。ふふふ♪
秋月:は、はいっ! 喜んでお受けします。
翔太:よし、こっからはオレのターンだっ! 次からは二人になるんだろう? 次回もオレが出るからな〜! ヤッホーっい!
秋月:分かりました、お引き受けしましょう……………。
和磨:まあ、自業自得ですね、作者。ついでに、今回の語らいの話題くらいは出して下さい。明らかに、語らいが可笑しいですから。
秋月:すんません。えーっと、話題?んーと…………皆さん、着飾って、パーティーに行きたいですか?
咲希:作者…………、本気で言ってんの?
優香:私は行ってみたいけど、ドレスは動きやすいのがいいな〜♪
和磨:はあ、結局バラバラじゃないですか………。僕は遠慮します。あんまりそういった場所は苦手なんですよ。
翔太:オレも遠慮するわ。パーティーはろくな目にあわんからな。ブルブル。
咲希:………あたしもパス。ドレスは着たくない。それにしても翔太、あんたはどんな目にあったわけ?そんなに震えるような事なんて、無かったはずでしょ?
翔太:あれはトラウマになるぞ?女性があんな事をするなんて…………流石に、な?
咲希:………なんとなく、理由がわかったわ。
優香:さ、咲希ちゃん? どうしたの?元気ないよ?
咲希:大丈夫、大丈夫だから。ちょっとパーティーて怖いなと、思い知っただけよ。
和磨:でもいつかは出ないといけませんよ? この国にお世話になるんですから。
咲希:勿論、そんときは、優香ちゃんと、和磨くんに頼むから。
優香&和磨:えっ!?
翔太:おっ、それはいいな。オレは嫌だし。お前等なら大丈夫だろ?
秋月:分かりました♪ その時は二人を出しますね!
こうして、パーティーの話は、二人を生け贄にする事に決まった。 あれ?こんな話だったっけ?
皆様、楽しんで頂けましたか?今回は奮発して、皆プラス作者をだしてみましたが、次回からは通常化しますので、ご了承くださいm(__)m
感想・誤字脱字等々の感想はいつでもお待ちしております!どうぞ、これからもよろしくお願いしますm(__)m