第47話 ストレス発散をします!
明けましておめでとうございますm(__)m
新年一発目、いってみましょう!
次回は1月14日更新です。
あたしの苛立ちはすべて、全て“変態魔族”に当てさせて頂きます!!
勿論、魔族は未だに動けてません。何故ならあたしが、陰陽術で身動きが出来ないように縛り付けてますからね(笑)
変態魔族さんや、動けないからってこちらに睨み付けなくても、ねぇ? 殺気混じりですが、こちとら日常茶飯事で殺気を身に受けていたわけで。
「あのさぁ? さっきから睨み付けてるけどさ?」
魔族さんに話し掛けると、何をやるか分かったらしい翔太が、待ったをかけようとするが。
ふんだ! 絶対に邪魔はさせん!
「殺気っていうのはこうやるんだよぉ?」
僅かながらに魔力を使った威圧感も含めて、あたしのかなり本気の殺気を叩きつける。
「……ぐっ!」
ほう、耐えたか。かなり鍛えてるらしいし、もしや殺気に慣れてるのかな? 苦しそうだけどね?
「お、おい!? 咲希っ!? 頼むから殺気出すなら事前に言えっっっ!!」
真っ青な上に涙目の翔太には悪いが、お前は何を温い事を言ってるんだい?? 2回目勇者よ、これくらい慣れろよ!
「無茶いうな! お前の殺気なんて慣れるか!?」
あら、口に出てましたか。すまん、ストレート過ぎただろうか?
まあ、近くに居たから、殺気がどえらい強さで感じられただろうが、果たしてあたしは翔太に無茶を言っただろうか?
「ねえ、春、あたしは翔太に無茶を言ってる?」
流石に不安になってきた。もし無茶をさせて怪我でもしたら、少しずつファンを作っている翔太に申し訳ない。
ぶっちゃけると、翔太ファンに睨まれたくないだけなんだけど(笑)
『あら、咲希様の殺気は確かに強くありますが…………翔太様には大丈夫では? 全力や本気を出さなければ、ですが………』
うん、正直なお言葉をありがとうございます。あ、翔太が凹んだ。アハハ、うん、慣れろとはもう言わん。代わりに出す前に、教えよう。マジで倒れられたらシャレにならん。今現在、戦闘中な訳だし。
え? 戦いはどうしたって?
既に動きは封じましたが?
後はジワジワと恐怖に陥れ……ゲッフンゲッフン、素直にお話いただける様に、交渉しますよ?
「咲希? 何か物騒な事を考えてないか?」
「イイエ? メッソウモナイデス」
「何で棒読みなんだよ!?」
「別にー」
危うく翔太に話すとこだった。あたしの計画を…………。そのために前線にしてもらったんだもん。お楽しみは取っておかないとね??
「さーて、変態魔族さんや? あたしとお話合いしましょうか?」
この時、翔太が顔を盛大に引きつらせていたけれど、何だか魔族さんが泣きそうになっているけれど。
覚悟は出来てるよね??
◇◇◇◇◇
さて、あれから2時間くらい経ちましたでしょうかね?
翔太は特に関係ないためか、安全を確認するとさっさとふて寝を決めた。逃げたともいう。
まあ、翔太の場合、魔力が空っぽだったからね。寝て少しでも回復しようとしたみたい。
…………あたしから全力で回避した訳じゃないだろう。
一方のあたしはと言えば、魔族さんと、た・の・し・くお話しましたよ♪
ん? 魔族さんが感動の涙を流していたり、体が傷ついていたり、目が死んでいるように稀薄だったりするけど、大丈夫だよね☆
お前なにやらかした!? とか、説教が来そうだけど、誰も見てないし問題ないよね!!
証拠が無いって、何て素晴らしい言葉でしょう☆
「それにしても、まさかここまで酷いとは………」
あたしが予想していたより、マジで悪い事態になってました。魔族さんからもたらされた魔族側の事情も、マジで同情しかける程度の理由もあったし。予想より、重い事態を考えておかないとね。
しかしさー、視界の隅に見える姿に、流石のあたしも唖然。
つーか、こっちでシリアス展開してる真っ最中に、ヨダレ垂らして爆睡するかね!? あ、寝相は意外と綺麗だったよ、一応ね?
「ある意味、最強よね? 翔太って」
だってそうでしょう!?
こっちではお話合いという名の尋問してたんだよ!? 何で平然と寝てるのさっ!? 意味分からん!! 結構、煩かったよね? 悲鳴とか、悲鳴とか、悲鳴とか!
『咲希様、戻って来て下さいませ』
懐にしまった春に冷静に突っ込まれました。
「うん、分かるんだけどさ…………もういいや、翠嵐、翔太起こしてー」
『へぇ、手段は?』
「好きにしていいよー」
『ほな』
何やら翠嵐の目がキラーンと光ったような? あれ?
『勇者はん? 起きる時間やで!』
顕現した翠嵐は、勢いよく両腕を振り上げる。そこから強風が舞い上がり…………あ、翔太が吹き飛ばされた(笑)
「何だ!? 敵襲か!?」
おー、いい感じにパニック状態だ!
けどさー? 流石二回目勇者。すぐに状態を判断しちゃったみたい?
つーか、耳栓してたんかい! そりゃあ静かに寝てるわ………。
「咲希ー! てめぇ、殺す気か!?」
「いやいや、手加減してたでしょ!」
「だからって、普通に起こせよ!」
「何となくー?」
「何となくで人を殺す気か!?」
「いやいや、人殺しはこっちではしてませんよ?」
「……………おい」
あれ? 正直に言ったのに、何故に沈黙なさる?
「んで、お話し合いとやらは終わったのか?」
不機嫌真っ只中な翔太に聞かれ、すぐに意味を悟る。成る程、話をそらしたいのね?
「うん、聞きたい事は全部聞いたよ、予想以上の収穫かな」
以前から、魔族さんが来たらお話合いをしようと考えてました。まあ、今までの方は牢屋から逃げられてしまいましたので。後から牢屋番の人と、責任者みたいな人達に土下座されたんだけど、何故だ!? その場にいた殿下、彼らに何を言ったんですか!? 明らかに命を持って………なんて言いかねない雰囲気でしたので、こっちが焦ったわ!
あ、勿論、許しましたが、逃がしてしまった罪はあるので、向こう3ヶ月の減給で話をつけました。
流石に無罪放免は許されなかった。不可抗力だと訴えたんだけどな、すまん。あくまであたしは勇者の扱い。城の制度に対し、無茶を通す訳にはいかないんだよね………。ほら、前例を作っちゃったら、自分もって言うお馬鹿さんが出てきちゃったらヤバイでしょ? 何で、あくまで減刑を願う形に留めましたよ。これなら関係者として問題なし。
「しっかし翔太、この魔族さん、どうしよう?」
「エルナマスに連れて行くしかないだろ」
「いやー………変態を連れて行ったら、魔族さんの命が、ねぇ?」
「………………だな」
しばらくの沈黙の後、翔太は頷いた。忘れているだろうから、一応念のためにいっておくが、ここは女性優遇の国である。潔癖症な女性の方々がいらっしゃる、男性の一部の方々にとってはマジで敵のような国なのだ。
そんな国に、この変態魔族を連れていったら……………。うん、命が危ないだろう。
「どうしようかしら………」
マジで頭が痛い問題である。
「それより、咲希? そろそろ行かないとヤバくないか? こいつの事は、シャーロットさんと、セルカさんに任せればいいだろうし」
「あ、そっか…………って、それは命がヤバイでしょ!?」
「あのなー、咲希、お前は鬼なんだか優しいんだか、たまに判断に迷うぞ………」
何て失礼な事を言う始末。翔太よ、それはかなり失礼な言い方じゃないかな??
「まあいいか………、判断はシャーロットさん達に頼もう」
あぁ、なら、呪文解除を……は、ヤバイから、一部解除しましょうか?
「翔太、一部解除するから紐の方よろしく」
「ん? よくわからんが紐を持てばいいんだな? りょーかい」
「カイ……」
解くのは地面に繋がっている部分。そこを紐にして、持ちやすいように輪をつくる。イメージは犬のリード。え? 大の男に犬の扱いでいいのかって?
勿論、理解した上でやってますけど何か?
「男がリードに繋がれて犬扱い…………」
絶句し微妙な視線を魔族に向ける翔太。そういうのが好きな奴なら、それこそ涎ものだろう。が、普通の精神をしていたなら、間違いなく泣く。
まあ、それを分かっててやってるんだけど(笑)
「貴様等なんぞに捕まってたまるかぁ!!!」
「えっ!?」
「おいっ!?」
そこにはまさかのパンツ一枚の変態魔族が立っていた。それも足元には、あたしが使っている陣とは違う紫色の陣が展開中。
って、これワープタイプの陣じゃないか!?
馬車の中で勉強した時に、たまたま目について覚えていたんだけど…………ブラオさん、まさかのこんな時に役に立つなんて、人生何があるか分かりませんな。
「ってさせるかー!」
あたしの呪文も展開中なのだよ! そう簡単に逃がしてなるものか! ついでにあるイタズラも施していく。
「逃げてやるぅぅぅー!!!」
男も必死、あたしも必死。マジで逃がしゃあしねぇぞ! 変態魔族!!
「どぉりゃぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!! ワァァァァァ―――――プゥゥゥ!!!」
「あっ!」
ヤバイと思ったその時には、もう遅く…………。目の前の陣が強い光を放つと、最後にポンッという音が。
逃 げ ら れ た ! !
「何やってんだよ!?」
目を白黒させてる翔太、すまん。
「ごめん、翔太………まあ、術はかかったままだから、うん」
「……………そういう問題か?」
うろんげに聞いてくる翔太、すまん。マジで逃げられると思わなかったんだよ!
最後、いきなり魔力が上がったんだ。多分、元々かなりの魔力があったんじゃないかな。精神が限界を突破した、みたいな?
「まあ、でもねぇ」
意味ありげに笑うあたしに、翔太の視線が突き刺さる。
「何をしたか、きっちり話そうな?」
笑顔、スッゴい笑顔なのに、何で怖いんだろうね?? 目がマジ何ですが…………。
逃がしたのは悪かったけど、あたしが只で逃がす訳ないじゃない!!
「ふふふ、きっと今頃、魔族さんは逃げた事を後悔してるんじゃないかな?」
「はっ?」
きっと、魔族の国で素敵な毎日を送るでしょうね☆
「お前は何をやったんだぁっ!!」
この後、翔太の怒声が上がったのは言う迄もない。
ハハハ、いいじゃん、お茶目なイタズラだよ?(笑)
読了、お疲れ様でした。
本日は変態魔族さんの不運なお話。咲希ちゃんを潔癖症にした覚えがない秋月。ちょっと、魔族さんに同情。
流石に目が虚ろって………咲希ちゃん何やったの!?
さてこんな感じの今年最初の本編更新、無事に間に合って良かった!
活動報告に小話が出ておりまして、実はそちらにかなり時間を取られてしまいまして、押せや引けやの大騒ぎ………。大忙しな年末年始になりました(笑)
小話では現代にいた頃の咲希ちゃんを出してます☆
陰陽師の超ご都合主義なお話ですが、気になる方は宜しければ見てやってくださいm(__)m
ではミニ小説どうぞ♪
咲希:明けましておめでとうございます!
和磨:今年もよろしくお願いしますm(__)m
咲希:さあ! 新年一発目よ!
和磨:張り切ってるね? 咲希さん。
咲希:まあね♪ 初夢が良かったのよ。
和磨:へー、どんな夢だったの?
咲希:白い蛇が出てきて、ついていったら茄子がいっぱい畑に実ってて。
和磨:随分と縁起がいいね?
咲希:それから、空を見たら沢山の鷹が飛んでて。
和磨:まだあるの!?
咲希:うん! 正面に凄く綺麗な富士山が見えた!
和磨:全部網羅した初夢!?
咲希:で最後に。
和磨:まだあるの!?
咲希:アマテラス様が出て来た!
和磨:…………………。
咲希:あれ? 和磨くんどうしたの?
余りの事にフリーズした和磨くんでした(笑)
今年もよろしくお願いしますm(__)m
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最近、ジャンルがコメディかな?と悩み始めた秋月でしたー。本当にファンタジーでいいんだよね?