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第41話 名前を呼びましょうか♪

次回更新は11月26日です。

今日は新たな……。



精霊さんと仲良くなったあたしは、さっそく準備にとりかかります♪♪


勿論、内心は魔族に対して、本気で呪いをかけようかしら? ってくらいに、腸が煮え繰り返ってますがね(笑) きっとこの呪い、誰も解けないと思うんだよねー。陰陽道を知らないと出来ない訳だし。きっと素敵な反応になると思うんだ(笑)

魔族よ、未知の恐怖に怯えるがいい!!


と、取り敢えず、あたしの内面は置いといて。


『サキ様♪ 準備おわったわよ〜♪♪』


先程まで見事にツンツンしてたのになー。何故か懐かれた。

まあ、理由は想像はついたよ。まさかの神様つれていたが故に、だったんだけど(笑)

何せこの世界、ピラミッドの頂上が神様なのだ。神様が一番上。会社なら一番偉い会長さん。

さて、皆さん。


今現在、あたしは式神として、神様と契約しているわけでして…………。何を言いたいかと言うと、森の精霊達に異常な迄に懐かれた、と。


『主人よ、自業自得じゃよ』


苦笑気味の樹英(じゅえい)様、笑ってる暇があるなら、このひっきりなしにご機嫌伺いに来る精霊さん達を止めてくれ。流石に疲れてきたわ…………。


「ありがとう、精霊さん」


あたしは名前を聞いていないから、結局、呼び方はこのままなのですよ。

けれど、どうやら気に入らないようで、当のご本人はご立腹らしいです。プクッと頬を膨らませる精霊さん。

ヤバイ、ヤバイよー!! チョーカワイイ〜☆ もうご褒美だよー!!


『主人よ…………』


何やら隣にいる樹英(じゅえい)様に、呆れたような視線を向けられる。


う゛っ! あたし、とうとうカワイイ魅力に負けてしまったのか!?


「そんな目で見ないでよ…………何だか人間として、自分が情けなくなってきたわ」


あたしは変態じゃないっっっ!!!


『主人よ、泣いてる暇があるなら、挨拶しておやり』


ふぉっふぉっふぉ、なんて笑う好々爺様に、あたしはうなだれるしかなかった。くそー、いつになったら勝てるんだよー。口で勝てた試しがないんだよねぇ………。


「あー、ありがとうございます、えっと、何で泣いてるんでしょうかねぇ」


『ひっく……あたしにだって名前……ひっく……あるんです〜』


ウルウルしながら、こちらを見る精霊さん。キャー、か、カワイイ〜☆


って、違う! 違うのよー(涙) 何で、何でよりによってこうなんのよー!?


『ひっくひっく、名前で呼んで下さい!』


「えっ!? 呼んでいいの!?」


名前って大切なものなのよ!? 名前を明かすのは、信頼の証なのだ。契約の時に、名を明かしたり、名を付けるのは、それが根源に繋がるから。だから、力のある存在は簡単に名前を開かさない。何故なら、その名前はその存在を縛り付ける一番の鎖となるものだから。

逆を言えば、それだけ気に入られたという事なんだけど…………。


『ねー? 呼んでー!!』


……………最初と態度違い過ぎません??

ツンデレどこ行った!?


「えーっと、呼んでも構わないんだけど…………ちょっと問題があるかも」


そう、呼んで仲良くなりたいけど、呼べ無い理由があるんだよ。


あたしは陰陽師だ。言葉を操り、式を使い、刻を読み、先を見据える。時には術を操り、万物を操り、神とさえ願い立てる。

さて、そんな言葉を操るあたし達に、名前を呼ぶ権利を与えたら。


「下手したら、契約する事になるわよ?」


そう、こうなってしまう。特にこの世界は、名前は契約に入る大切なもの。気をつけないと、契約しまくるはめになるんだ。


『いいよー☆ 契約しよ♪』


かるっ!? え、契約ってこんな軽いものだっけ!?

あたし、久方ぶりに大パニックですよ!!!

それでも肝心な事は聞くけどね!


「あたしと契約したら、ここにいられないわよ? あたしはクラリオン王国の勇者だから」


そう、これは聞かないとね。だってさ、精霊は場所や物から生まれる存在なんだよ。つまりだ、場所から離れては生きて行けない存在もいるわけで。


「貴方は、あたしと一緒にいたいの?」


精霊さんの表情を伺うように、見てみると。

ん?


『勇者なの!? 別に私がいなくてもいいしー、行きたいなー☆』


メチャクチャはしゃいでました(笑) もし犬で例えるなら、尻尾をブンブン振って、体全部を使って嬉しさを表している小型犬。


…………………。


何だろう、断ろうとは言えない。言ったら、あたしの一番柔らかい部分、良心て奴がきっと、痛む。何かそんな気がするんだよね。

陰陽師の感は、とっても大切なものだ。


「分かった、あたしで良ければ契約しよう」


『主人よ、簡単に契約はならんぞ!』


傍らに控えていた樹英(じゅえい)様に諫められ、一気に冷静になれた。冷や水を浴びたみたいに。

パニック状態だったんだね、あたし。深く深呼吸する。


「うん、もう大丈夫」


冷静になれば分かる。感は確かに働いた。けれど、違う方向で。


「契約は無理だね」


『えー!? 何で何で!? さっきは良いっていったじゃん!』


「うん、そうだね」


確かに言ったけど、違う。言葉には言霊が宿る。けれど、さっきの言葉には、それが無かった。

当たり前だ。


「貴方の力は魅了かしら? 最初と違うもの」


『…………もう破れちゃたの?』


気付けばいくらでも違和感が出てくる。最初は人間を嫌っていたのに、いつの間にかキャラクターがすっかり違っていたのだ。さらに、他の子が働いているのに、この子は全く動いていない。あたしの傍にずーっといた。

この森に住んでいるなら、彼女もまた仕事があるはずなんだから。そしてもう一つ。


「ねぇ、最初の子とは別人なんだよね? 本来の姿、見せてくれる?」


『気付いてたん? いつからやろ?』


「今さっき、貴方がブレて視えた」


そう言うと、驚いた様に目を見開いていた。ちょっとすっとしたわ(笑)


『なら、うちも本性みせなあかんなぁ、自信あったんやけど』


綺麗な京都弁の精霊さんは、一瞬真っ白い光に包まれると、ようやくその本来の姿を現した。


「………へっ?」


目の前の姿に、思わず唖然。


『ほう………鳥の姿とは、何と優美な……』


目の前にいるのは、明らかにその辺にいる精霊さんとは格が違う上位の存在。そもそも存在感からして違う。

大きさは人の三倍くらいか。全体的に薄緑色の翼を広げたその姿は、何と優美な事だろう。一枚一枚の羽が、美しく幻想的な光を帯びている。頭には長い飾り羽根が二本、優雅に伸び風に遊び。後ろに伸びる長い羽は、広がる様にふわりふわりと流れる風のよう。幻想的な迄に美しい姿は、思わず息をするのも忘れるほど。


『うちは風の神鳥、神の御使いや』


……………はい?


今、何つった? この鳥さんは。

風の神鳥?


神の御使い?



…………………………


……………………


………………


………


…。



「はあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っ!!!???」


信じられる??

神様の御使いつったら、とんでもない存在なのよ!?


「何でそんな高位の存在が、乙女の森にいるわけ!? わざわざ精霊さんの真似までして!! あと最初の精霊さんは、どこ行った!」


我慢なんて出来ませんので、はっきりと胸のうちを打ち明けましたとも! あ、この場合違うか(笑) ぶちまけましたとも♪


『…………うちの正体みて、第一声がそれか………、ほな、順番にいこうか、うちがここにおる理由はな、命令や、上からの………次に正体隠したんは厄介ごとになるからや、ここの精霊はんに迷惑はかけられへんさかい、あとな? うちが姿貸してもろた精霊はんは、あの場におりはるさかい、安心おし』


取り敢えず納得した。




け ど ! !




「神の御使い様が、何であっさりと契約しようとか言うのよ!? あれ幻でしょ!? 魅了まで使ってどう責任とるつもりだったのよ!?」


そう、この点に尽きる。

さあ! はっきりとしてもらいましょうか!!


『試させてもろうたんよ、あんさんを…………うちの新たな主に成りうる存在かどうか………』


ん??


新たな主??


あれ?? 何か変なフラグが立ちましたか!?


『うちはあんさんなら認めるわ、なあ? うちの新たな主になってくれん? サキ・アマギはん?』


グッ、いつの間にあたしの名を!? 顔が引きつってるけど、ネ!!


「いいわよ、こうなったら式神にしてやるわ!」


『っ!? これ、主人よ!』


樹英(じゅえい)様は黙ってて!」


『式札はどうするんじゃ!』


「大丈夫! もしもの為に、用意してあるわ!」


あたしだって、何かの不足の事態を想定し、式札はキチンと多めに持っているのよ!


『さあ、うちは動かんさかい、存分に頑張ってや!』


目を閉じ、札を右手中指と人差し指で挟み、正面に印を組む。本来なら、魔方陣を書いて召喚するんだけど、それを一切合切飛ばし、目の前に佇む姿に向かって呪文を詠唱していく。


「伏して願わくは……」


願うのは、契約。その中身を埋めて、最後に。


「我が式となれ! 神鳥 “翠嵐(すいらん)”!!」


ここまでお読み頂きまして、本当にありがとうございますm(__)m


本日はいかがでしたでしょうか?


感想で直の声を下さると、秋月うれしいです♪


さて、前書きの……は何だか気付きましたか?


本日は新たな仲間が増えました!!


実は最初、神鳥ではなくて、天馬の予定でした(笑) しかし書いているうちに、いつの間にか神鳥に。

新たな仲間、翠嵐を宜しくお願いします。翠嵐の意味、調べると面白い事が分かるかも?

秋月からの宿題です(笑)


さて、本日は久々のミニ小説です。



サキ:ヤッホー! 久しぶり!

和磨:お久しぶりです、サキさん。

サキ:だよねぇー、城の方はどう?

和磨:うん、早く帰って来て!

サキ:!? 何があったの!!??

和磨:うん、色々。それよりサキさん、そっちは相変わらずトラブル続きみたいだね?

サキ:まあねぇ、トラブル体質の翔太がいるし。

和磨:(サキさんもだよね!?)そうだね………。

サキ:あたしも仲間が増えたしね。

和磨:何か嫌な予感がするんだけど…………(汗



和磨くんの予感は結構あたりそうですね………。


感想、ご意見、誤字脱字、リクエスト、いつでもお待ちしております。なお、甘口でお願いしますね。


次回は11月26日です。

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