第3話 またまた勇者召喚
今回は、ようやく彼が登場!
楽しんでもらえたら幸いですm(__)m
ここは、クラリオン王宮地下、召喚の間。
本日、三度目の入室である。
「あの人が勇者様ですの?」
エリー様の声には、若干、困惑の色があった。
まあ、当然よね。
他の勇者、優香と和磨も何と言っていいのか分からず、困惑している。
「何をしてるんでしょう……?」
優香がまわりの人達に聞いているが、周りも分かっていないみたいだ。呆気にとられている。中には信じられないとでも言うように、頭を抱えて『オーマイガー!!』とでも叫んでいるような人もいる。
さて、四人目に選ばれた勇者は、何故か“頭を抱えて”蹲って(うずくまって)いる。服装は赤銅色の学ランだから、紅道高校の生徒だね。確か、部活重視の学校で、全国大会常連校だったはず。こうやって見ると、うちの近所の学校ばかりね……………。
「……なんで………なんで、なんでこうなったっ!!??」
一人で頭を抱え、ブツブツ呟く光景は、中々に迫真に迫る勢いだ。そろそろ誰かが、止めなければなるまい。
「ねえ、貴方、名前は?」
大声を出したくなくて、召喚された人物に近寄っていく。
「咲希ちゃん!?」
「サキ?」
優香ちゃん、エリー様が心配して止めようとするけど、何となくあたしの感が言っている。
―――――こいつを“叩き起こせ”と!!!
ふふふ♪
「名前は?」
ようやくこちらに気付いたらしい少年?青年?……体格的には青年か? 取り敢えず青年は、頭を上げた。抱えていた手は、そのままになってて馬鹿みたいだけど、あたしは気にしない。
「貴方、紅道高校の人でしょ? この制服を見ての通り、あたしも高校生よ、貴方と同じね?」
「……天宮 翔太だ!! ちくしょー!!! なんでこうなったっ!?」
「わっ!? 急に大声出さないでよっ」
近くに居たため、耳がキ―――ンと成っている。
「あっ………わりぃ、つい」
「“つい“で、あたしの耳を壊す気かっ!」
「だから、悪かったって!」
おっ? こやつ意外と話が合うわね。
「サキ……話が進みませんわ」
流石に見兼ねて、エリー様が横合いを入れてきたよ。ちょっと?やりすぎたみたい。てへ☆
「で、何で頭を抱えてたわけ?」
ずっと気になっていた事を聞くと、翔太(呼び捨て)は何故か顔をしかめた。
「あー、それはな、」
『『それは?』』
その場の全員が復唱して聞いた。やっぱり気になるよね? てかこの国の人達って、復唱する人が多くないか? もしかしてノリがいいのかな? 後でエリー様に聞いてみよう。
「俺、異世界召喚……二回目なんだよ…………それも、昨日帰って来たばっかり、ってね?」
あら――――――――………。
これは御愁傷様で。
「おい、そんな哀れんだ目で俺を見るな」
「ん?? そんなつもりはなかったんだけど………因みに、どこに召喚されたわけ?」
「っ!? ま、まあ、いっか……………」
なんか今、変な間があった気がするけど、気にしなくていいか。
因みに何故、翔太が驚いたのかと言えば、咲希の仄かに見せた笑顔に、ドキッとしたからである。無自覚美少女は、勿論、気付かない。
「そういえば、名前きいてないんだが……」
あっ、忘れてた(笑)
「あたしは、天城 咲希」
「わ、私は神白 優香です」
「僕は白鳥 和磨といいます」
「うん、宜しく」
こうして挨拶は終わり、翔太の話になる。
「俺が呼ばれたのは、ムネリアって世界だ、訳の分からん“魔騎兵”とか言う奴らに侵略されててな、そいつらを何とかしてくれってんで、俺は旅をしながら奴らを倒してたんだが、実は異世界の神がしてた“嫌がらせ”っていうのが分かって、その神をぶっ飛ばして終わらせたんだよ、でだ! 昨日ようやく帰って来たばっかりだったのに、俺はまたしても召喚されたと、めでたし、めでたし」
「今度は、魔王と戦うんだから、あんたも不憫ね」
「だから、頭を抱えてたんだよ!」
確かにそんな戦いを終わらせた後で、魔王とまた戦うのは…………頭を抱えたくもなるわ。
今回に限っては、同情するわー。
「あの、ショータ様……」
「ん、誰?」
そういえば、まだ自己紹介してなかったわね、エリー様。ここでふと、翔太の姿勢が変わっている事に気付く。翔太の体勢は胡坐をかいて、どっしりしたものに変えていた。
「わたくしはこの国の王女で、長いのでエリーとお呼び下さい」
「で、何の用?」
まるで兄弟か近い人に、何か買ってくる? って聞いてるみたいに聞こえるんだけど………。これは慣れ、なのかしら?
「どうか、魔王の復活の迫る、この世界をお救い下さらないでしょうか? 勇者の印の無い我々では、魔王を倒す事は出来ないのです…………!」
さすがエリー様。迫真ここに極まり。王女様なんだと、改めて実感する。
「………帰れんの?」
あー、それを聞くのねー。優香ちゃんと、和磨君までじーっとこっちを見てるし。
「この召喚は、片道のみの召喚なのです、なので、元の世界には帰れませんが……勇者様方にはきちんと、この世界で暮らせるように我々で万全の態勢を整えます、本当に、我々には他に手がないのです………」
もぉっ―――――!!! エリー様がまた泣きそうになったんじゃない!! 翔太、責任とりなさいよ!!
「……まあ、喚ばれちまったんだし、魔王退治はするけどよ、まず………」
『『まず?』』
意味深な発言をした翔太に、思わずまたしても、皆の呼吸が会う。何かしら?
…………まさか、誰か殴らせろ…なん…て………有り得るかも。もしかしたら、もしかしたら、このまま準備を始めるとか?
ぐるぐると咲希の頭の中で、思考が回っていく。悪い方に行くかもしれないのだ。こればかりは、どうしようもない。
「まずは………」
くぅ〜…………
「腹減ったから、メシ!」
…………………
……………
………
こいつ(翔太)は何と言った?
腹減った?
メシ?
………………………………ブチッ
(今、何か音が………?)
この場にいた誰もが同じ音を聞いた。そして少し前に、同じ音を聞いていた。
「ふ、」
気付けば、あたしは自分の声とも思えない低い声が出ていた。
「ふ?」
翔太が訳が分からないとでもいうように、首を傾げた。
「ふざけんなぁぁぁ―――――――――――――っ!!!」
「うぉっ!?」
あたしの怒号に、翔太がビックリしたように、目をパチパチしてた。
あー! 腹立つ!
「あんたねっ! あたしの心配を返してよ! 最悪の事態を想定したのよ!? なのに腹減ったってなによ――――――!!」
肩で息をしながら、怒鳴り散らすあたし………。何だかここに来てから、怒りやすくなった気がする………………………。なんだかな〜……。
「しょーがねーだろ!? 部活の帰りだったんだぞ? ふつーは、腹減るって!」
確かに。
こうしてあたし達は、異世界で小さな食事会をする事になった。
どうも〜、秋月です!!
最近あつくなってきましたが、秋月は微妙な感じです……。
最近、妙に夢見が悪いです。何でかわかりませんが、ここ最近は本当に変な夢を見ます。例を上げると、空を飛んでる夢。何故か着陸した場所は、玉いれの籠の上という…………。呆れて物も言えませんでした。
もう一つは、私が気に入っているジ○リの作品のワンシーン。森の中を走る夢。とにかく走って走って………何故か気付いたら、海の中に居ました……………。あれ?森は?何で海の中? どこかで見た魚が………。的な変な夢でした。それも全部にオチがあるなんて(汗
変な夢も考えものですね〜(笑)
さて、小説の説明をばいたしましょう(←年寄りくさいですね汗)
今回は新たに勇者様がご登場!! これにて、勇者召喚は終わりまして、次はちょっと閑話をはさもうかと。最初は………ダレにしましょう? どなたでもいいので、感想にて教えて下さいませ。ついでにお気に入りキャラクターがいましたら、教えて下さいませ!!
では、次は閑話にてお会いしましょう(^O^)/
なお、感想、誤字脱字に関しましては、常に受け付けております。甘口で貰えますと、小心者作者も頑張れます!宜しくお願いしますm(__)m