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第38話 目覚めたここは…?

Side:咲希


うっすら開いた瞳で、真っ先に見た光景は。


………空から黒い人が降ってきて、ジョージさんが嬉々としてロープで縛っているっていう、何ともシュールな光景で。


もう一回、気絶してもいいだろうか? 何て思った、あたしはきっと絶対に悪くないと思う。


つーか、ここどこ??


あたしは洞窟内にいたわよね??


既に頭はハテナでうめつくされちゃってますよっっっ!!??


「あ…………」


そこには、こちらに向かってくる、全身黒ずくめのザ☆怪しい奴等が…………。


現実にいたんだねー??(笑)


てっきり物語にしか居ないと思ってたんだけど。いたよ! 現実にいたよ!!

ちょっとテンション上がって来たー(笑)


あれ? ファイさん、どこいくのかな??


「行きます」


…………ヤバイ、ヤバイよ!

あたし好みのイケメンのファイさんが、黒ずくめ達に向かっていく。まあ、あっさりたおしちゃったけど。

さて、ファイさんの格好いいシーンを見れたし、そろそろ声をかけますか。


「ジュビアン神官? お早うございます?」


一応、一番近くにいたジュビアン神官に声をかけますが、ねえ? 何で頭を抱えてますかねー!? ジュビアン神官!?


「…………お早うございます、サキ様、因みに今は昼を過ぎまして、2時になるかくらいですが」


あれ? そうなの?


「えーっと、ここはどこでしょう??」


至極全うな質問をしたんだけど、何でいきなり遠くを見るような目になるのかな!?


「はぁ………サキ様がまともに見える日が来るとは……」


どういう意味かしら?

これは怒っていいのよネ? そうよネ!?


「サキ様、ここは女性優遇の国エルナマスです」


ジュビアン神官? 何故に目を合わせないように、そらしていらっしゃるのかしら? 怖い? あたしのご立腹がそんなに怖いのか!!


「サキ様が倒れた後、ショータ様のお陰で別の出口を探すことに成功しまして、我々は外に出てから休んでいたのですが………」


ちらりと見た先には、暴れている翔太達。これを見れば誰でも分かるわ。


「襲撃されてる訳ね?」


「……はい、理解が早くて助かります」


うん、簡単な説明ありがとう。


「んーと、あたしが倒れてどんくらいたった?」


「恐らく半日くらいでしょうか?」


あら、意外にたってますね。まだ数時間くらいかなと思ってたんだけど。


「翔太も終わったみたいだし、辺りの探索でもしよっか?」


見れば、翔太も終わったのか、フリーレンを元に戻してるし、大丈夫でしょ。


「サキ様、体調は大丈夫なのですか?」


心配してくれるジュビアン神官。だけど、あれはショックで倒れただけだし、特に体には問題ないのよね。


「うん、体は大丈夫だよ」


そう言えば、ほっとした様子に、こちらも苦笑い。いや、本当にご迷惑おかけしました。


「サキ様っ! お目覚めになったのですね!?」


「本当かいっ! サキ、良かったよ!」


「おう、嬢ちゃん、無理はすんなよ?」


「あ、目覚めたか〜、良かった良かった」


全員が気付いて喜んでくれるんだが、内心複雑なあたし。原因が、ね? ほら、過去のトラウマだからさ、自業自得な面もありまして。

優しさが胸にしみる…………。


「ありがとう、皆」


はて、笑顔できちんと言えたのかしら?


「では、そろそろ周りを調べて参りましょう、いつまでもここにいる訳にも行かないですし」


うん、そうだよね。



でもさー。



「その心配は、ご無用ですわよ?」


突如として聞こえたのは、知らない第三者の声でして。見れば超妖艶なお姉さま方が我々を包囲しておりました。


うん、あたしと、恐らく翔太は気付いていたな。他は戦いが終わって気が抜けてしまったんだろう。ファイさんなんて、ビックリしてるし…………。


「じっくりとお話いたしましょう?」


そう語るゴージャスな金髪ヘアのお姉さまは、動きやすい軍服を来てました。あ、でもめっちゃオシャレな洗練されたやつね? 赤いコートのような長いタイプの軍服。体にピッタリのタイプの所為か、胸元が強調されてまして…………。うん、同じ女性として憧れるレベルの立派な膨らみです。


「わたくしは、エルナマス国聖騎士団国境警備部隊第一部隊隊長シャーロット・ルラ・ブランシャールと申します、近くの砦にて詳しくお話下さいますよね? こちらの『紅の幻影』との事も」


…………凄い。一度も噛まずに、言い切ったよ。シャーロットさん。


「勿論、否とは仰いませんわよね?」


有無を言わさぬその眼力に、あたし達は結局、何も言えぬままド迫力のお姉様方に囲まれて、砦へと連行されました。



◇◇◇◇◇



強制連行……もとい案内されたのは、とーってもオシャレな砦。但し、有事の際の事は考えられているみたいで、実用性も重視されてました。

ついてすぐに、あたし達はお風呂場に行きまして身支度を整えまして、あたしは今、最初に選んだ青いローブに身を包んでおります♪ ライラさんは戦う必要がないため、シンプルな女性らしいワンピースを着てます。髪型もサイドテールにしていて、スッゴい可愛いよ。

そして現在、あたしとライラさんが、同じ部屋でお話を聞かれてますが…………明らかに待遇が滅茶苦茶いいのは何故かしら?


「さあ、勇者サキ様、最高級茶葉で出したお紅茶ですわ、是非ともお召し上がり下さいませ」


……………。


何があったのかしら??


「えーっと、すいませんが何でこんなに待遇がいいのでしょうか?」


分からなければ聞けばいいのだけれど………、目の前にいるシャーロットさんはうっとりとこちらを見ているだけ。

貴女、こちらの責任者の方ですよね!?


「シャーロット様は、可愛い物が大好きなんですわ、お気になさらずお紅茶でもどうぞ?」


そう言ってくれたのは、もう一人の方。淡い紫色の髪を三つ編みにして肩にかけている。顔立ちは優しそうで、穏やかな感じの方だ。シャーロットさんの部隊の副官の方の一人だそうです。


「申し遅れました、わたくしはセルカ・クエンテと申します、以後お見知り置き下さいませ」


丁寧に頭を下げて下さるセルカさん。うん、かなりの好印象です!

ではお言葉に甘えて、聞きたい事を聞かせてもらいましょう!


「えーっと、翔太達はどうしたんですか?」


瞬間、部屋の空気が一気に凍り付いた。


……………えー、何やらあたし、皆様の地雷を踏んだらしいです。


「サキ様? あの野蛮な野郎共の事など、気にする必要はありませんわ、彼らは別室にて待機して頂いておりますので」


シャーロットさん、説明してくれるんですが、明らかに一部、変な言葉が聞こえてきましたが…………。

それにね? シャーロットさんから吹きすさぶこの冷気が、凄まじいの何の…………。


「サキ様」


考えていたら、セルカさんがヒソヒソ声で原因を教えてくれました。


「シャーロット様は大の男嫌いで有名なんですよ」


…………成る程。だからブリザードが吹き荒れてる訳ですか。


「え、て事は男性メンバーは?」


翔太、ファイ、ジュビアン神官、ジョージさん、このメンバーは大丈夫なの!?


「今はお風呂に入って頂いております、その…………随分と汚れておりましたので」


あぁ、確かに。洞窟内で戦いしてたからね。それは仕方ないわ(笑)


まあ、うちらはきちんと終わらせて参りましたので、野郎ども、頑張ってね(笑)


「シャーロットさん? お話は聞かなくていいんですか?」


「ハッ!? そ、そうですわね!」


焦ってるの、バレバレですよ(笑) シャーロット様。


「あなた方は正規の手続きをせずして、このエルナマスに入国した事になりますが、何故そうなったのか説明して下さいますか?」


勿論、あたしは気を失うまでの事を、ある程度はぼかして説明しました。気を失った後の事は、ライラさんが説明してくれたんだけど…………。


「いきなり襲われたんですか? 『紅の幻影』に?」


訝しげなシャーロットさん。確かに何も無いからね。理由が。


「シャーロット様、こちらの国では逃げてきた女性を保護する場所でもありましたよね? もしかして、命を狙われるような事もあるのでしょうか??」


さっき、お風呂場で身仕度している時に、女官の人達に教えて貰ったのだ。中には身分があったのに、悪い男に騙されてこの国に来た女性もいるらしい。さらには、命を狙われるような場合もあるとか…………。

大人の世界、コワイ。


「あ、シャーロット様、もしかして…………」


「ん? セルカ、どうかしまして?」


何か思いついたらしいセルカさんに、シャーロット様はキョトンと首をかしげた。

…………綺麗な人は何をやっても絵になるのねー。羨ましいわ!


「シャーロット様、しっかりなさってください……………」


疲れ切ったようなセルカさんに、かなり同情した。ほら、あたしは翔太がいるから(笑)


さーて、何やら事件の香りがしてきましたよ?


お読み頂きまして、ありがとうございますm(__)m


本日、ようやくここが何処かを出す事が出来ました。女性優遇の国エルナマス。一体全体、何に巻き込まれるのやら…………。実はまだ決まってないのです(笑)

本来であれば、青い炎編のままで行くはずだったんですが、アイアント達を考えると、無理に近いかなー? って思いまして、こうなりました。


もし気に入った!的な心の広い方がおりましたら、ポイント等を入れて下さいますと嬉しいです。



活動報告に、小話を書きましたので宜しければ読んで見て下さいませ。魔王視点のお話です♪


さて、ミニ小説をば。



サキ:久しぶり〜☆

優香:わあ! 今日はサキちゃんとだね♪

サキ:お城は大丈夫?

優香:うん! 特に何も起きてないよ?

サキ:だよね……。明らかにトラブルは、あたしと翔太に起きてるわよねぇ。

優香:あ、この前ね、変な事があったの! 

サキ:あったの!?

優香:変な事に、お墓がね? 掘り返されてるの!

サキ:あー、何か嫌な予感。



実際の所、お墓を別の場所に移しているだけだった………。優香ちゃん、早とちりはダメですよ?(笑)

(ややこしい事しないでよー!)


感想、誤字脱字、ご意見、リクエスト、いつでもお待ちしております。なお、甘口でお願いしますね(;^_^A 


次回は、11月5日です。

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