表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/292

第36話 自分のペースで参ります

何だか話が進まない。

何故だろう?


内心、立ってしまったヤバげなフラグに、ビクビクしております。これ、絶対に翔太が起こしたんだよね?

あたしじゃないよね!?

ちょっとー!! 冷や汗止まらないんですけど!?


「あー、何かこの先ヤバくね?」


以上、翔太の一言。うん、今更だけど。




  六 人 で ど う し ろ と ! ?




「お前の式神を使えば、何とかなるか?」


気軽に言ってくれた翔太。難しい事をいってくれますね!?


「出来る事は出来るけど…………」


そう、ちょーっと今はマズいのだ。


「それすると、多分、霊力もたないかも…………」


今の霊力の残りは半分を切ったくらい。思いの外、辺りを調べるのに霊力を使ってしまったみたいなんだよねー……。


「今は周りは調べなくてもいいだろ? その分、式神の方に回せばいい、後は魔力で補佐すればいいしな?」


「……りょーかい」


確かにそれしかないでしょう。翔太も普段から真面目ならいいのに。本当に残念だな、二回目勇者よ。


「今、何か失礼な事を考えてなかったか?」


ギクッ。こういうのだけは、感が鋭いのよねー。翔太は。


「イヤ、ゼンゼンカンガエテオリマセンヨ?」


え? 何で棒読みなんだって? ノリと勢い的な?(笑)


「何で棒読みなんだよ!? って突っ込みたいが、これから先を考えてやめておくわ」


あれ? じゃれないの? えっ!? マジで!?


「何でそんな驚くんだよっ!?」


「だっていっつもは返してくれるからさー」


うん、あたしが調子に乗っているだけだ。すまんな、翔太。気分は現在、小学生。


グサッ。


自分で自分の傷を抉るとか、あたしは馬鹿か。


「あー、黄昏てるところ悪いんだがな?」


と、かなり引き気味のジョージさんに声をかけられて、ハタと気付く。ヤバい、普段を知らない一般人がいるのに、あたしは何をやってるんだろう…………。見れば、ライラさんは唖然。あはは、すいません。


「さっきから、神官様が可笑しいんだが?」


ふぇ!? あたしの事じゃないの!?


「そういえば、ジュビアン神官静かだがどうしたんだ?」


翔太も訝しげにしている。

(ライト)の呪文で、辺りを更に明るくしてジュビアン神官を見たんだけど…………何故に興奮状態なんでしょうか??

思わず二度見してしまったではないか!?


「もしかして、静かだったのって………………」


「興奮状態で自分の世界にトリップしてたからだろ」


ヒソヒソ話していた、あたしと翔太。


「あ、あの……氷水の神官と恐れられたジュビアン神官がっ!?」


ファイさん、何気ショックだったのね…………。唖然として固まってしまった。普段を知らない冒険者親子は苦笑い。うん、無視してくれて構いません。


「あー、取り敢えず、忘れてるかもしれないが話を戻そう」


ゴッホンと咳をして、ジョージさんが話し始める。だよねぇ? ここは洞窟。魔物が沢山いる場所なのだ!


「ボスは俺の経験からだが、多分十中八九、クイーン・アイアントだと思うんだ」


クイーン・アイアント、また新しい魔物が出てきた。もしかしてめっちゃ強いのかな? クイーンてつくくらいだし。


「まあ、火と氷の属性に弱い、だから大丈夫だろう」


あんまり大丈夫に聞こえないのは気のせいかな? ジョージさん、大丈夫と言ったその口で、何故に頬が引きつっているんですか!?


「お、見えてきたぜ!」


翔太のその言葉に、前を見ると巨大な扉が。あー、だから顔が引きつってたのね? ジョージさん。

って、うわー!? 何の準備も無しに来ちゃったよっ!!!


「サ、サキ様、大丈夫です!! 僕とて騎士、何とかしてみせます!」


うん、それは無理じゃないかな? 足が武者震いしてますよ?


「あぁ、神よ!! 我らに試練を与えて下さるのですね!」


他にも何やら言ってたみたいですが、ジュビアン神官マジで怖いよ!? こういうのがあるから、神官系や熱狂的な宗教の人とか、あたしは苦手なんだよ…………。自分が陰陽師っていうのもあるけどね?(笑)


「さてと、興奮してるとこ悪いが、ボス戦の前に一回休憩だ」


おぉ! ジョージさんから休憩のお言葉が!! 助かったー!


「おやじ!? 何言ってんだよ!? このまま行った方がいいだろ!」


と、やはり反対意見が出ました。ただし、反対したのがライラさんだったのは意外だったけど。


「ライラ、今日の目的は何だ? それに、初めてのせいか、こいつらの消耗が激しい、休ませないと不味いだろう」


正論を言われ、ライラはグッと黙ってしまった。

おー、ジョージさん、感だけでは無くて、観察してましたか。恥ずかしいわー(笑)

実は度重なる連戦で、皆の消耗が予想以上に激しかったりする。慣れているジョージさん、ライラさん、翔太はあまり疲れた様子は見えない。翔太は体力馬鹿なのかな? でも無駄な行動や危険は勿論、装備もあまり傷んだ様子も無い。

が、なれない洞窟探検に、まだ体力があるファイさんはマシだが、あたしとジュビアン神官はかなり息切れが激しく成ってきている。マシと言ったファイさんも、装備は傷んでいないが、疲労もかなり蓄まっているもよう。

それに魔力の問題もある。ジョージさんやライラさんは、基本、その適性属性が無くても誰でも使える呪文、(ライト)しか使っていないため、問題なし。翔太もしかり。フリーレンを使ってるから、特に問題なし。


「悪いけど、あたしは1時間は休まないと、きついわ」


ジュビアンさんは補助しかしてないし、休めば問題ないだろう。

が、あたしはかなり厳しいかも。霊力は、寝ていたら多少は回復するだろうが、まあ、こちらは微妙。魔力の方は、休めばかなりの回復を見込めるため、こちらは問題なし。つまり、式神様を出す以外はあたしは霊力は使えない。代わりに魔力を使って補助や攻撃をする事になる。


「悪いけど、あたしは少し寝るわよ? 回復に手っ取り早いから」


「おう、寝るなら、そいつの上にしとけよ」


(たつ)を指差しながら、ジョージさんは言うけど…………。


「了解、(たつ)は出しとくわ」


「って、何でそんなあっさりしてるんだよ!? お前もっ!!」


んー? こちとら眠いのに、突っ掛かってくんなよー、翔太。実はあたし、あちらにいた時はちょくちょくと(たつ)の背中でお世話になっている。寝心地いいのよ? 毛が艶々でサラサラで、(たつ)は潔癖症みたいな所があれから、常に毛は清潔。肌触りも最高となれば、後は推して然るべし。良く徹夜で仕事してたから、帰りに乗って記憶が無い事もしばしば。

…………高校生としてどうかと思うけどね?(笑)


「慣れてるから平気、んじゃ後は宜しく!」


シュタっと手を上げて、いそいそと(たつ)の背に張りつくと、あっさり睡魔がやってきた。はやっ!? とか何とか、翔太が騒いでいたけど、返す間もなく睡魔が訪れる。

少しでも力を回復しないとね…………スピー。



◇◇◇◇◇

Side:翔太



こいつ、本当に寝やがった。本人が言った通り、(たつ)と呼ばれた式神の上でグースカ寝ている。本当に慣れてるんだな……。うつぶせに寝ているのに、寝顔は健やかで、顔立ちも相まって大型犬に子供が保たれて寝ているようにしか見えない。ジョージさん、ライラさんは優しい顔で咲希を見ているし。ファイさんは顔が緩んでるし…………もしや?

式神は咲希が寝ても存在している。かなりの力を感じるから、相当な実力者だろう。そんな存在を操るこいつも凄いんだが、そう、凄いんだが、何か残念なのは何故だろう?


「俺達も休もうぜ」


「あぁ、だな」


ジョージさんはあっさり腰を下ろした。お? 気付いていたか。


「近くに魔物の気配は無い、お前達も休め」


一応、俺も辺りの気配を探すが、全く感じない。つーか、半日もかからず一番奥まで来れる時点で、俺等が可笑しいんだが。


「あぁ、確かにいないな」


とはいえ、武器は近くに置いておく。俺にはフリーレンがいるから、大丈夫だろうが(笑)


「サキ様は大丈夫でしょうか?」


ファイが不安げに(たつ)を見るが、異彩を放つ異形に、近づく勇気はなかったらしい。当たり前だな、こいつはそういうもんだ。


「申し訳ありませんが、わたしも魔力を回復しますので、ライトはお願いしますね」


ジュビアン神官はそういうと、ライトを二つ消す。一つは残した辺り、気を使ってくれたらしい。ありがたいな、俺は何故か、光系呪文が使えない。前の世界で覚えたやつくらいだ。


まあ、そんなこんなで、俺達はゆっくり休憩したのだった。


それから1時間くらい後、咲希が(たつ)に起こされたんだが、ベシッと音を立てて、(たつ)の背中から落ちた咲希の姿に、主人がどちらか悩んだのは、俺だけではなかったはずだ…………。




お読み頂きありがとうございますm(__)m


本日は、のんびりとした展開になりました。いやー、進まないですね………。

最近、スランプぎみなんですが、どうすればいいんでしょう??


さて、次回は咲希ちゃんの過去話。そして始まる、青い炎編。

あー、またキャラクターを考えなくては。←まだ考えてないのか!って突っ込みはなしで(汗


さて、ミニ小説をば。



咲希:あー、変な夢みたー。

和磨:珍しいね? 咲希さんが始まりの挨拶しないなんて。

咲希:だって嫌な予感しかしないんだもん。

和磨:ネタばれはダメだよ?

咲希:う〜〜〜!! 

和磨:それより咲希さん、今の季節は春だよね?

咲希:そうだけど? 物語のなかではまだ5月だからねー?

和磨:だよね? まだ寒いからいいんだけど、夏物の服はどうしよう?

咲希:報償金か、ギルドで稼いだお金でかいましょうか?

和磨:翔太に頼もうか…………。

咲希:何を?

和磨:翔太が持ってるんだよ? 勇者用の金庫の鍵。

咲希:もしかして、最近、翔太が羽振りが良いのって…………。

和磨:あっ……。

咲希:久しぶりにチュドーンかしら?


何やら立った翔太の危険フラグ。翔太くん、ファイト!!


次回は、9月24日です。間に合うといいなー……。


感想、ご意見、誤字脱字、いつでもお待ちしております♪♪ なお、甘口でお願いしますね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ