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第33話 事件発生です!

お読み頂きありがとうございますm(__)m


いつも落ち着いているはずのファイさんが、凄まじい早さで走ってきた。それこそ、彼の後ろに土埃が立つ程だったとか。


「何事よ? そんなに慌てて」


怪訝そうに聞いたあたしに、呼吸を整えながら、慌てた様子のファイさん。一体何が起きたわけ?


「た、大変なんですよ! ギルドマスターが来てるんですっ!! 王宮に!」


んー? ギルドマスターが王宮に来るのは大変な事なの??

周りを見ると、皆も理由が分からないらしく、怪訝そうにしてる。良かった、あたしだけが理解出来なかったわけじゃないみたい。


「えーっと、ファインリードさん、何でギルドマスターが王宮に来ると大変なんですか?」


可愛らしく首をかしげる優香ちゃん。確かに分からないわね。


「わりーけど、俺等はこの世界に来たばかりだから、常識はないんだよ………」


まあ、3週間は立ったけど、“まだ”3週間なのだ。常識もへったくれもないのである。

あ、ファイさん、固まってる。その事実を忘れてたわね?


「すみませんが、一から説明をお願いします」


最後に和磨くんが締めて、ようやくファイさんが起動。


「そうでしたね…………僕としたことが、失念してました、改めてきちんと説明させて頂きます」


本当にファイさんて律儀だよね。


「まず、皆様はギルドをご存知ですか?」


一応、知識では知ってるけど、この世界ではどうなっているか分からないわね。


「説明お願い」


「分かりました、ギルドとは、魔物に対しての専門家であり、お金を払えば頼みごとが出来る組織の事です」


んー? 何でも屋って事かしら?


「魔物に関しては、退治から換金、鑑定もしてくれますから、ギルドは専門職と言えます」


「あー、それなら何となく分かるわ」


うん、魔物に関する事は納得。


「そしてもう1つ、お金を払って護衛を頼んだり、薬草を頼んだり等の、依頼を出すことが出来ます、あ、お小遣い程度の宅配や、迷子探しとかの小さい依頼もありますよ」


あぁ、やっぱり知ってる系のギルドね。


「で、何でギルドマスターが王宮に来ると大変なんだ?」


そう、今の話だけだと、この答えに繋がらないのだが。


「ギルドマスターは基本、各国に一つ本部を設けてありまして、そこに一人しかおりません、総本部は別の国にあるので、今は割愛しますが、本部の他には支部があります、支部には責任者としてサブマスターがいますね」


なるほど、よく考えられているのねー。


「で、ギルドは魔物に関するプロというのは理解して頂けたと思うんですが、稀にギルドだけでは対処出来ない事案が出るんです、で、その時には、ギルドは国に協力を依頼してくる場合があります、前回、皆様が行ったブラックドラゴンがこれに当たりますね」


つまり…………。


「何か厄介事が起きたわけ?」


「はい、恐らく、ギルドだけでは対処出来ない事案が出たために、協力、もしくは依頼に来たのかと……………」




「分かったわ、案内してちょうだい」




どうやらあたし達、厄介事に愛された星にあるようです……。

平和よ………カムバッ――クッ!!


◇◇◇◇◇



あたし達が案内されたのは、執務室。豪華なジュータンに、飴色に研かれた重厚な実務机。

そこには既に王様と、宰相様。フランツ王子、クリスチャン近衛騎士団長、さらにブラオさんまでおりました。

そして一人。全く見た事ない人物が。

綺麗な銀髪をさらりと流して、髪はサラサラしていて羨ましい限り。目は細目だが、切れ長で青い瞳は空の色。鼻筋が整っており、唇は美しくさえある桃色。色白の肌でまさに白磁みたい。服装はゆったりとした紺のローブ。年齢は若い外見で見たら、20台後半位だけど、見たまんまな訳が無いわよね?


…………しっかし、こんな綺麗な人が、“男”って。何か理不尽じゃないっ!!??


「おぉ、来たか、ふむ」


王様、本日もマイペースです。てか、久しぶりに突っ込みさせて?

ふむって、何の意味があるのよっ!?


「大体の内容は、ふむ、ファインリードから聞いていたと思うが、ふむ、厄介事が起きた、ふむ」


王様、威張って言う事じゃないよ?


「ふむ、詳しくは、こちらにいるギルドマスターに、ふむ、聞いてくれ、ふむ」


王様に紹介された、美人男性がこちらへゆるりと頭を下げた。それと一緒に結われていないサラサラした髪が、はらりと肩から滑り落ちる。

うわっ! もの凄い色っぽいんですけど!?


「はじめまして、勇者様方、クラリオン王国ギルドマスター、リシャール・オルディネと申します」


礼儀作法も完璧でした。更に声、穏やかで優しい男性の落ち着いた声! 美人(男)で、声も素敵で、礼儀作法完璧とか…………。さらにギルドマスターよ? 完璧超人て、現実にいたのね。


「今回は、ギルドでは現時点では“解決不可”の案件でご相談があり参った次第です」


あれ? おかしくない?


「現時点って事は、後でなら解決できるわけ?」


大変失礼なのは分かってますよ? 話の腰を折っちゃったから。


「はい、今現在、我がギルドにはAランク以上の冒険者はおりません、別の場所や他国へ出ており、場所を考えると今現在のメンバーには危険と判断し、国に相談にしに来たのです」


「話は分かった、で、肝心の依頼って何なんだ?」


「依頼は、蛍火の洞窟を調べる事です、低レベルダンジョンなのですが、最近、行った者が帰らないという報告が何件かありまして、その調査をお願いしたいのです」


「低レベルダンジョンなんだろ? Bランク位の奴らでもいけるんじゃないか?」


翔太の当たり前な質問に、ギルドマスターはコクリと頷いた。


「はい、その通りであり、実際我々も経験豊富なメンバーに依頼を出し、調べてもらいました、結果、彼らの半数は……亡くなりました…………、どうも中がおかしくなっており、途中で引き返すしか無かったと……」


「確かに、それなら国に依頼をかけるのは、仕方ないわね……」


「おかしいって、どうおかしいんだ?」


「ここは罠の無いダンジョンで、魔物もDランクでも倒せる程度のレベルでしかありませんので、初心者向けのダンジョンなんです、運が良ければ宝箱に当たる事もありますし」


聞くかぎり、Bランクが負けるような感じはしないけど?


「しかし報告では、中堅クラスでやっと倒せるレベルのモンスターの出現、さらに今までそこでは確認されていなかったモンスターまで出ているらしく、今は危険なので封鎖しています、中の造りも少し変わっていたそうです」


…………それ、ヤバイパターンだよね???


「勿論、これは依頼でありますので、報酬は出させて頂きます」


「よしっ! 受けようぜ☆」


…………こいつ、報酬に釣られたわね!? 翔太(バカ)はいつも道理に、発揮されたもよう。


「調査よね? だったら全員で行く必要はないわよね?」


今は魔族がいつ来てもおかしくない状態なわけで。勿論、そんな危険な依頼をあたしが受ける訳が……。


「今回はぜひともサキ様、ショータ様にお願い致します」


断る前に、ギルドマスターに指名されたんですけど!?


「ちょっ、勝手に決めないで!? まだ行くとも言ってない「指名依頼ですから」はぁ〜!?」


途中、ギルドマスターに邪魔され、何だかんだと理由をつけられ、結果、あたしと翔太は、国王の命令で行く事になりました…………。

また徹夜で、お札作らないとな…………。あたしの札は使い捨てタイプが多いから、たまにまとめて作らないといけない、大変疲れるものなのだ。翔太は、前の世界で何度かダンジョンに行った事があるみたいだし、あたしは楽させてもらえるかしらね??


「共として、ファインリードとジュビアン神官を付けよう、他に誰か連れて行きたい者はいるか?」


あたしは翔太を見ると、何故か満面の笑み。えっ、何、何なの!? その笑みの意味は何なのよ!?


「冒険者を一人、着けてもらいたい、自分の身は自分で守れ、罠やそういった事に詳しい奴がいい」


…………あれ? 翔太がまともな事いったよ?? 王様達はちょっとビックリしてたけど、最近、一緒が多いブラオさんは唖然。だよねー、普段を知ってると違和感しかないわ。


「よかろう、リシャール、頼むぞ」


「かしこまりました」


「どうだ? 俺だっていつでもふざけてる訳じゃ…って、何でわらってるだよ!?」


ドヤ顔の翔太に漸く納得。やはり翔太(バカ)は馬鹿でしたね。さっきの満面の笑みは、ドヤ顔決めてたのね…………。

ふふっ、ダメだわ。笑いが止まらない(笑)



さあ、そんな訳で、レッツ洞窟探検と参りましょう。


こんにちはー(・∀・)ノ

秋月煉です。

皆様、如何お過ごしでしょうか? 秋月は土日を利用して、実家に帰ってきました! お祭りがあって楽しかったですよ。筋肉痛は、ご愛敬ということで(笑)


さて、本編はようやく秋月が出したかった、”青い焔編“に入ります!! ここでようやく新たな人物複数名と、過去話、そして今まで触れなかった魔王を出せます。イヤー、40話使って今ここって………秋月の遅筆には驚かされますね(笑)


さて、お待ちかね?の小話を。



和磨:こんにちは。

翔太:よっ! 今日はスゲー事が起きたんだよ!

和磨:……何が起きたのかな?

翔太:何で顔が引きつってたんだ? まあ、いい。何とだ! 廊下のど真ん中で、修羅場が起きたんだよ! 誰のだと思う?

和磨:さあ?

翔太:何と、まさかのクリスチャン・ディオールさんなんだよ!

和磨:えっ!? 何で団長さんが!?

翔太:どうも、仕事が忙しくなったのを、愛人さんが出来たと勘違いしちまってな? 周りを巻き込んでの修羅場に発展しちまって、最終的におー様に出てもらって、一件落着だ。

和磨:翔太、随分詳しいね?

翔太:…………俺の前で起きたんだよ、その修羅場。

和磨:………御愁傷様。

翔太:俺の恋愛対象は女だ!! 断じて男じゃない!!!

和磨:えっ!? そっち!?


どうやら翔太に、変な疑惑が上がったもよう。果たして、疑惑は消せるのか!? 次回、請うご期待!! (←次回はあるか分かりません!)


次回は、9月3日お昼です。お楽しみに♪


感想、ご意見、メッセージ、誤字脱字、いつでもお待ちしております。なお、甘口でお願いしますね。

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