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閑話 陰謀のパーティー会場(笑)

本日は閑話です。

Side:翔太


ダンスも無事終わり、俺は一人ですぐに食べ物の場所に向かった。腹が減ったんだからしゃーないだろ?


「お、肉だ〜」


勿論、小さい声で。さらに気品を漂わせて。前の世界でめちゃくちゃ、めちゃくちゃに!!(←大事だから二回言うぞ!)扱かれたからな!

おかげで今回は、全く気を張らずに平気だからな。感謝はする。


咲希は今頃、魔族との戦闘か。まあ、あいつの実力なら大丈夫だろ。逆に魔族が危ないかもしれないな。御愁傷様ってやつだな。


「翔太、奴ら、動かないね?」


近くに来た和磨が、笑顔で近づいてきた。ここでポイントなのが、笑顔だ。にこやかに話していれば、他の客達は気にしないからな。内容までは。


「ああ、気付いた訳じゃないみたいなんだが………」


そういいながら、俺は肉を口に運んでいく。あくまで礼儀正しくな。周りの目がびしばし来るが、気にしないのが正解だ。奴等は話題が欲しいだけだからな。


「和磨、この肉美味いぞ〜」


「翔太………うん、翔太はそういうやつだよね」


呆れてる和磨には悪いが、俺がこう言ったのは、警戒対象が来たからだ。勿論、和磨も気付いて乗ってきた訳だが。


「ショータ、カズマ、どうだい? パーティーは」


王子、キラキラスマイルご馳走さん。タイミング、最高だぜ!


「あぁ、楽しんでるよ、俺も和磨もな」


そう話しつつ、視線は優香さんへ。


「動いたね」


「ですね」


「だな」


上から、和磨、王子、俺だ。

警戒対象が動いた。まあ、バカな奴等に対して、優しいやり方なんてしなくていいからな。


「おバカさん、4名様ご案内〜ってか?」


「翔太、茶化さなくていいから」


「カズマは辛辣だねぇ」


クスクス笑ってる王子。めちゃくちゃ楽しそうだな!? 


「フランツ様、あまり翔太をおだてないで下さいよ」


「おや、そんなつもりはなかったんだけど」


いや、お前絶対に楽しんでるだろ??


「随分、二人とも仲良くなったんだな? 名前で呼びあってたっけ?」


勿論、純粋な疑問だが。


「うん? カズマとは仲良くなったよ? ショータも出来れば名前で呼んでほしいな」


あー、なんだ? マイペースって言葉は、こいつのためにあるんだな。


「じゃ、行くか、フランツ、和磨、お仕事の時間だ」



◇◇◇◇◇



俺達の警戒対象は今回、5つの家だ。親族にいたるまで、捕縛命令が出ている。貴族社会で、家が捕縛対象にされたということは、没落一直線コースを意味する。相当周りに余波が起きるだろう。貴族社会は繋がりが命だからな。


「しかし5家も一気に潰して大丈夫なのか?」


一様、確認を取ると、何故か王族の皆様は素晴らしい程にキラキラスマイルを披露してくれた。


あー、いいんだな。潰しても。


「中には使える奴とかいたんじゃないか?」


「それは大丈夫です、そんな人達は既に別の方々の養子に入っていますから」


準備万端だなっ!? おいっ!!


「じゃ、俺は優香さんの近くにいるわ、タイミングは任せた」


これ以上は、多分聞かない方がいいだろう。そそくさと俺は気配を消し、人込みにまぎれこんだ。


「四人か?」


ホールの隅の方にいる優香さんへ向かった警戒対象者は、四人の人物。

マジか!? いきなりタッグを組んで、行くか? 普通!!

以下、俺が聞いた会話である。


「ごきげんよう、勇者様」


そう貴族らしい挨拶をしつつ、優香さんの前に立ったのは、四人の貴族令嬢達。共通点は、皆一同にバッチリメイクに、ド派手なドレスを着ていること。

正直、俺には見分けはつかないな。皆、似通った感じにしか見えないのだ。ドレスの色で違いが分かるレベルだ。


「ご、ごきげんよう」


優香さん、初めての事にテンパってるねぇ。


「あら、勇者様、とても細い方ですのねぇ」


「本当に、羨ましいくらいですわ」


「戦いの時に大丈夫ですの?」


「あら、ショータ様やカズマ様がいらっしゃいますもの、弱くても大丈夫ですわ」


クスクスと笑いながら、流れるように話す彼女達。言ってる事が辛辣だがな。


「戦いが専門では、美容は大変でしょうね?」


「本日のお召し物もパーティーにしては随分と質素ですし」


「戦いと勘違いなさったのでは?」


「あら? 失礼ですわよ? 相手は庶民の方でしてよ?」


最後に言ったやつ、止める気ないだろ? もう突っ込みしかないんだが。バカか、バカなんだよな?


「えーっと、どちら様でしょう?」


困惑気味の優香さん、さらっと爆弾落としたな。現に令嬢達、ガチッと固まったし。優香さん、天然かね?


「王族の方の礼儀作法のお勉強で、最初は名前を言うって言われたんですが、違うんでしょうか?」


またしても、さらっと爆弾落とした優香さん。王族の方の言う事は、貴族以上に威力があり。


「後ですね?」


そう可愛らしく首をカクンとした優香さん。ちょっ!? 止めたげて、何だか彼女達、ライフゼロに見えるんだけど!?


「このドレス、エリエンヌ様が選んで下さったドレスなんですよ?」


ああ、彼女達、顔色が真っ青になってしまった。


だがな?


後続組がいるんだよ。


「あら、ごきげんよう、皆様? 私も混ぜて下さる?」


何やら迫力のあるエリー様、ご登場。どうやら会話を聞いていたらしく、後ろに夜叉が見えたのは…………うん、気のせいだ。そうだ、そうに決まってる!! 俺は何も見ていない!


「こ、これは、エリエンヌ様にはご機嫌麗しゅう………」


青ざめつつも、きちんと礼儀作法はやったご令嬢達。ま、エリー様も罠なんだかな(笑)


「ウフフ、ええ、とってもご機嫌でしてよ?」


エリー様、迫力ありすぎて、悪役に見えて来てますよ。


「わたくしが選んだドレスを、ユーカ様とサキが着てくれてますのよ? もう、わたくし嬉しくて♪」


ほらな、ご令嬢達、固まっちまったぞ?


「ユーカ、彼女達と何を話してましたの?」


ご機嫌なままエリー様は優香さんに聞いた。聞いてしまった。


「えーっと、私が戦えない?とか、ドレスが質素とかですが」




場が、凍った。




「あら、それはわたくしの目が無いとでもいうのかしら?」


エリー様の声が地をはう。




こえー!! マジで怖いよっ! エリー様っ!!!




「まあ! あの方々、王族の方が選んだドレスに文句をつけるなんて………」


「侯爵令嬢も地に落ちたものねぇ」


「勇者様に何て暴言でしょう、貴族として恥ずかしい限りだわ」


「あんなのが貴族だなんて」


あの四人の令嬢は終わったな。会場で固唾を飲んで聞いていた野次馬連中は、また新しい話題を手に入れ、さっさとエリー様の味方に変わってしまう。俺達が手を出さなくても、こうまで非難されたら社交界は終わりだ。



ただ、ここまで起きれば、巻き込みたい奴らも重い腰を上げるもので。


「お前達、王女様相手に何をやっている!」


「勇者様には大変失礼を……」


ほう、娘を捨てるか。ま、貴族としては常識だな。

二つの家は娘を捨てるつもりらしいな。全く庇っていないからな。どうやらこの二つの家の当主は、それなりに世渡り上手ってやつらしい。


「えぇ、とっても不愉快ですわ」


エリー様、こいつら許すつもりないな。眉ねを寄せ、不機嫌さを隠しもしないからな。


「衛兵、彼女達を別室へ、不愉快ですわ」


さっさと衛兵を使い、彼女達を引き立てていく。多分だが、これを足掛かりに調る口実にするんだろ。既に証拠も揃っているんだろうし。


「………あと一件か」


取り敢えず、何とか片付いたのか………な?



「ショータ、あちらに新しい料理が来たみたいですよ? 行ってみませんか?」


マジか!


「行くッ!」


既に俺の頭の中には、先程の事件は綺麗さっぱり消え去ったのだった。


お読み頂きまして、ありがとうございますm(__)m


秋月煉です。


やらかしました……。せっかく書いたミニ小説、消しちゃいました……。あれ、サブタイトル入れないと、投稿できないんですね。早く気付けば良かった(/_\;)



さて、覚えている限りで、ミニ小説を書きます。


咲希:こんにちは!

優香:こんにちは、今日は私達でお送りします。

咲希:あたしがいない間に、会場で何かあったの?

優香:?? 知らない人達が、話し掛けてきて、いつの間にかエリー様がいて、相手が兵士さん達に連れてかれてたみたいだよ?

咲希:ビミョーにあってるところが凄い。

優香:そういえば咲希ちゃん、ドレスはどうなの?

咲希:うっ、来週着るわよ!

優香:うわー! 楽しみにしてるね!!

咲希:はめられた……。


咲希ちゃん、来週は何を着るのでしょうか?


次回は、8月13日お昼です。


ご意見、ご感想、誤字脱字、いつでもお待ちしております。なお、甘口でお願いしますね。

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