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第30話 楽しい罠を仕掛けよう♪

本日は裏話的なお話です。活動報告にのせている小話とリンクしてます。


えー、現在、まだお城のバルコニーにおります。敵は只今、あたしが仕掛けておいた罠にかかりまくり、足止めの真っ最中ですね☆ 一つ一つがやけに手の込んだ罠だし、たまに引っ掛けみたいな、子供のイタズラ程度の罠も交ざってるから、地味にイライラしてるかも(笑)


「まだ時間かかりそうだなぁ……」


まだまだ思い出の時間に浸れそう。



◇◇◇◇◇


〜回想〜


次の日に、ダンスの練習に呼ばれて行った部屋。そこには何故かこの国のお妃様。綺麗な金髪を結い上げて、上品な深緑色の流行のドレスを着こなす姿は、何て威厳に満ちた事か。さらに他の王族の皆様も勢揃い。

何故ここに!?


「さあ、皆様、ダンスの練習をはじめますよ!」


内心、冷や汗ものです。正直に言いましょう! あたしが踊れるのは、日本舞踊だけだ!!

ダンスは無理だよっ!!!???


しかし無情にも練習は始まって…………。


「サキ様、ステップが違いますわ!」


「はいっ!」


「サキ様、テンポがズレております!」


「はいっ!」


「サキ様、そこは顎を上げて! もっと優雅に!」


「は、はい〜!」


…………てな感じで、練習は過ぎました。ハード過ぎだよ、お妃様(汗


ちなみに、和磨君や優香ちゃんも似た感じで進んでます。まだ二人の方が進みはいいかもしれない。あたしは日本舞踊の型がしみ込んでるから、中々大変なのだ。勿論、真面目にやるけどね!


まあ、翔太はステップやらテンポやら、前の世界で相当扱かれたらしく、優雅にあっさりオッケー出ましたがね!! 途中から飽きたからって魔法の練習に行っちゃうし!!

…………大丈夫、プチッとは来てないよ? 本当に(笑)


そして午後からはすぐに罠を仕掛ける準備を始める。勿論、あらかじめ許可は得ている。この国の存亡に関わる事の為、必要な物は既に手配済み。相変わらず、王宮に使える方々は素晴らしい手際だな。


まぁ、予定としては、かなりの数を城の屋根や、人が通らないような場所に仕掛けたりするつもりだしね。あ、ちなみにこれは全部、陰陽術を使うつもり。この世界の魔族の皆様に、たっぷり味わって貰います♪♪

他には子供のイタズラ程度の罠も混ぜて仕掛けます。だってさ、こういうの仕掛けると、相手はイラッとするからね? 怒りで我を忘れてくれたら、こっちは好都合だしね(笑)


「しっかしこの世界、墨と和紙があるとか…………至れり尽くせりって感じなんだけど」


そう、この世界。驚いた事に墨と和紙があるのよ! 何でも、数百年前の召喚された勇者が伝えたらしいんだよね。その前は羊皮紙を使ったり、木の板を使ったりしていたらしいんだけど、これを勇者が伝えたら、あっさり広まったらしいんだよね。何でも、当日の王族があまりに感動してしまって、前のは嫌だって完全拒否。慌てた周りが凄い勢いで広めていったらしいよ? 普通なら怒るとこだけど、あたしは有難い! だってお札とか作り放題♪


陰陽師、札が無ければ只の人。


そう言われる位に陰陽師にとってお札は切っても切り離せない大切な相棒なのである。


「さあ! お仕事(イタズラ)するぞ〜♪」


こうして、午前中はハードなダンスレッスン。午後はせっせとお札を作り。2日目くらいから何故か部屋に翔太が入り浸るようになって、それを出そうとするファイさんとイーリスと一悶着あったけど。まあ、取り敢えず無事にお札を作り終わって、4日目からは今度はせっせと罠を仕掛けて。うん、かなり地味だわ。まあ、裏方はこんなもんだな。


ふふふ♪ 魔族さん、折角頑張って作ったんだから、盛大に楽しんでね☆


その隣で、何故か翔太が頭を抱えていたけど、あたしは気にしない。気にしないったら気にしない!! やっとあたし自ら、仕掛け(イタズラ)出来るんだ!! こんなチャンスを逃してたまるか!!!


「あ、そういえば翔太」


「何だー?」


「多分、パーティー当日に仕掛けてくる奴らがいると思うんだけど、任せていい?」


「あぁ、あいつら程度ならどうとでもなるし、俺は構わないが…………いいのか?」


怪訝そうにあたしを見る翔太には悪いけど、あたしは魔族のお相手で精一杯。先に仕掛けてくれるなら直ぐにでもお相手するけど、恐らく魔族もタイミングよく来るだろうしね。


「勿論♪」


「……何で満面の笑顔を見せるのかは知らんが、魔族はかなり強い、油断してると怪我だけじゃ済まされないぞ?」


うん、勿論わかっていて笑顔だよ!(笑) 命の危険がある場所なんて、それこそ物心つく辺りから行ってるしね。今更だよ?

まあ、これは言うつもりはない。翔太だって死線を何度も越えて来た勇者なんだから。


「大丈夫だよ」


そんな会話をしながら、御札をせっせと壁に貼っていく。夜になると分かりにくいからね、こういう場所は。あたしは午前中がダンスで潰れるため、翔太にも貼る位置を説明し、貼ってきてもらい。あたしはそれにせっせと(イタズラ)を施し。いやー、楽しくなっちゃって、6日目辺りからは翔太と二人で罠をバンバン仕掛けまくり。途中、翔太から面白いアイディアをもらい、それも入れた(イタズラ)は前日にしてようやく完成。

後は明日を待つばかり(笑)



◇◇◇◇◇



「きっと楽しんで貰えてるよね?」


そっと影にいる(たつ)に、話し掛ける。他の子達は、まだ散り散りに辺りを警戒しているはずだ。


『……かと思われますが』


(たつ)よ、言ってる事と口調があってないよ?


「どうやら会場も騒がしくなってきたみたいだし、ようやく本番かな?」


会場の中からも、何やら始まったらしく、騒がしくなってきた。




因みに現状は。


咲希→魔族のお相手

翔太、和磨、優香→お馬鹿さんのお相手


理由は簡単。王都の住民や貴族達に魔族侵入を気付かせないため。騒がれたら今の現時点では不味い。勇者である我々にはまだ、支持してくれる人達が圧倒的に少ないことがあげられる。

それに今日のパーティーで、間違いなく勇者の人柄が伝わるだろう。あたしは既に危険性を認識されてるからいいけど、翔太、和磨君、優香ちゃん達三人はようやく知れ渡るのだ。だからこそ、彼らに中を頼んだ。さぞや盛大に噛み付いてくれる事だろう。


「ふふふ、彼等を簡単にどうとでもなるなんて、甘いわよ? 空気を読めないハイエナはキチンとシメないとネ?」


『咲希様…………顔が悪い笑みになっております』


「あれ? やだなー、心配しなくても、たっくさん罠は仕掛けたから、時間はもう少しあるよ?」


『そういう事を言った訳ではないのですが………』


あ、(たつ)が呆れてる。

でも、確かにそろそろ持ち場に着いた方がいいかな? 最後の対戦もある事だし。


「んじゃ、着替えようか」


あたしは只今バッチリ正装のドレスを着ているし、ヒールだし、髪も結い上げてしまっている。これは侍女さんにやってもらったんだけど、形を覚える魔法を使う訳にはいかなかった。魔法を使う場合、それなりの手順が必要だったらしく。うん、ぶっちゃけ同じには出来なかったんだよね。

…………妥協案として、事前に今回のパーティーでは出席者に、お色直しを可にしていただいた。まあ、趣向を凝らしてみた、てきなノリだ。いつの時代も女性は着飾るのが好きなのだ。よって、私から小台を出させて頂いた。

内容はこんな感じ。


・お伽話に出てくる役の服装

・実際に王族がいるので、それ以外で

・仮装にならないように気を付けること(正式な場なので)

・髪は結い上げたりせずに、おろすこと。編み込み等は可。


中々にめんどくさい注文であるが、趣向を凝らすには十分だったらしく。まあ、下級の家は大変なのを知っているので、あまり強くは言わなかったが、素晴らしい出来の場合は王族からお褒めと、好きな相手のダンスの権利が与えられるという一部が喜ぶ褒美を付けさせて頂いたから、めっちゃ喜ばれた。特に若い連中に。

…………引いた、物凄く引いた。

血眼になってドレスを選ぶ令嬢達に、顔が引きつった。


お色直しがあるため、今回は早めに始まったのだが、後悔しても後の祭りとはよく言ったもので。会場の熱気は恐ろしかった。だから、あたしはさっさとこっちに引き上げて来たんだけど(笑)



◇◇◇◇◇


『咲希様』


「んー? 何?」


『どうやらそろそろ来るようです』


「了解」


そういうと、あたしは瞬時に服装を変えた。

…………陰陽師が着る平安時代に貴族が着ていた着物。直衣というやつに。まあ、現代版にアレンジされてるけど(笑) だって下、スカートだし。あの長い袖も半分くらいしかないからね。髪はポニーテールにしてみました。


うん、言いたいことは分かるよ? 何で、この衣装なの!? ってツッコミたいよねー?


答え・召喚された時のバックに、入っていたからです。


夜に仕事が入っていたから、偶然入れてたんだよね。

…………そういえば、仕事はどうなったんだろう? 誰か変わりにやってくれたかな。

思考が渦を巻く手前で、陰にいる(たつ)に呼ばれ、一気に現実に戻ってくる。


『咲希様、そろそろ持ち場についてくださいませ』


「あ、うん、分かった」


ようやく、魔族さんとご対面。相手が(怒りの)涙を出すくらい、感動の場面にしてみせますよ!

意気込みはそんな感じで。


さあ、魔族の方、あたしとお相手しましょう?


お読み頂きありがとうございますm(__)m


秋月煉です。


本日はいかがでしたでしょうか? 咲希ちゃんの暴走を誰か止めれる人はいないのでしょうか…………。宰相様、不憫ですね。

しかし咲希と翔太のコンビは最狂な気がします。魔族の未来が心配です(笑)


さて、本日のミニ小説いってみましょう♪




翔太:よっ!

和磨:翔太、真面目に挨拶はしようよ……。

翔太:今日は俺達で司会をするぜ!

和磨:スルーされたΣ( ̄□ ̄;)

翔太:ようやく対魔族用罠を仕掛け終えたぜっ! スゲー、楽しかったぜ☆

和磨:…………何をしたの!? ねえ、翔太! 咲希さんと一緒なんてろくな事してないでしょっ!?

翔太:?? 対魔族用罠をしかけたんだから、いいだろ?

和磨:良くないっ!! 辺りの被害を考えてよっ! 特に宰相様の胃とかっ!

翔太:何で具体的なんだよ!?

和磨:…………無意識とかあり得ないよ。



当分、宰相様の胃は治らないもよう。哀れ、宰相様。


次回は7月30日です。


感想、ご意見、誤字脱字、いつでもお待ちしております。なお、甘口で下さいますと嬉しいです。

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