表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/292

第26話 説明をして頂きます


我々は只今、絶句の嵐の中におります。原因は勿論、エンシェント・ドラゴンさんの一言から。


で!! 今、目の前にいるこの(ドラゴン)は、何といいやがりました?

ゴッホン、失礼。あまりの事に言葉がおかしくなりましたが、気にしないで下さいネ?


場の空気が一気に凍り付きましたよ!? なにいっとんじゃ、この(ドラゴン)は!!



「えーっと、もう一度言って頂けます?」


そう返したのは、しかたないよね? もう頭のなか、大パニック状態なんですが…………。


『だからのう、我が子をそなたに預けたいと…………』


エンシェント・ドラゴンさん、空気読もうよ……。


「だから、何で預けたいのかと」


めっちゃ元気に見えるんですけど。魔力はかなり減ってるけど、それ以外は全く元気。これでどうするのさ?


『子供のドラゴンのご飯は、魔力なのだ、しかし我にはほとんど魔力が残っておらぬ、しばらくは休眠状態になり、子供の世話は出来ぬのだ……………魔力は生き物からであれば問題はない、お願い出来ないだろうか?』


あれ? これってかなり深刻な事? 単なる育児放棄じゃなく?


「サキ様、お引き受けした方が良いかと、ドラゴンは人間の間で育ったものは高位のドラゴンに成りやすく、我々にも利点があります」


ジュビアンさんに言われると、もっともな気がするなー。


「うー、分かりました、お引き受けします、で、この子達どうやって育てるんですか?」


あたしは人間です。ドラゴンの子供の育て方は知らないんですよ!? てか、私は子供も産んだ事なんてないんだがな!? この年で子持ちとか…………。あたし咲希ちゃん、まだ高校一年生。なのに既に(ドラゴンの)子持ちです。


『それならば、これを受け取るといい』


そう言うと、いきなり自分の鱗を一枚、ペリッと剥がし何やら始めるドラゴンさん。はいと渡されたのは、綺麗な青い宝石のついた指輪。金具の所まで青みを帯びております。


「これは?」


『我は休眠状態になっても意識は起きておる、故に意志疎通の出来る指輪を作ってみたのだ、これを着けておけばいつでも我に問う事が出来る』


おー! これがあれば、育児の悩み解決ですな!


「ありがとうございます! あ、所で、あたし一人で四人?も面倒見切れないので、仲間に手伝ってもらってもいいですか?」


『そなたの仲間?』


「はい、勇者仲間です、他に三人いまして」


皆を説明してみると、何とあっさりオッケーでました。理由は、勇者だから。流石勇者…………、ブランド名は伊達ではありませんでしたな。


『では我が子を宜しく頼む』


「はい、所で、さっきの魔族について何か情報ありませんか?」


そう聞くと、明らかにエンシェント・ドラゴンさんの目元がピクピクしてます。あー、顔が引きつってるのかな?


『何故いま、それを聞く?』


それを聞かれると、ちょっと説明が難しい。だってこれ、あたしの陰陽師としての感だから、説明がしにくい。ついでに狙ってましたけど(笑) だってすぐに聞いたら、教えてくれないでしょ?


「えっと、本能的な感?みたいな感じなんですが、何だか聞いておかないといけないような気がしてるんです、何かつぶやいた事でもいいので、教えて下さいませんか?」


上手く説明出来なくてごめんなさい! これでも分かりやすくしたんです。


『ふむ………、確か王都を攻めるのに、我が邪魔とか何とかいっとったのぅ、我は子供をやられ頭に血が上っておったが………』


それだ!


「ファイさん、この国の地図貸して!」


いきなり頼んだのに、自分のバックから細く巻かれた紙を取り出したファイさん。広げると細かく色々と書かれた地図である。何だか手慣れてきてるのは気のせいかしら?


「これでよろしいでしょうか」


「勿論!」


その時のファイさんの笑顔と言ったら! 眩しい、眩し過ぎます!! 顔があたしの好みだから、眩しさ倍増…………。ご馳走様です。

さて地図を見て、きっちり見てみると、ドラゴン討伐からのが既に地図に書いてあったため、あっさり自分の中の考えがまとまった。全部が日本国で書かれてるお陰だね!!


「やっぱり、そう言う事だったんだ…………」


「何がそういう事なのでしょうか?」


一人で自己完結してたみたい。双子やファイさんも怪訝そうだし、ジュビアンさんも分からないのか怪訝そうにこっちを見てる。

しかしここ、イケメン率が高くないか?


「サキ様、説明願います」


ファイさんに促されるて、我に帰る。


「あ、ごめん、えーとね、こことここを線で繋いで、こうすると………」


「「あっ!」」


「これは……」


「何と……」


順に、双子、ファイさん、ジュビアンさんです。

あたしがやったのは少し前からの事件を直線で結んだだけ。まあ、ピッタリと王都までの道がやや蛇行はあるものの直線で結べてます。


「もし、復旧してなかったり、滅んだ部分があったら………ここから王都を一直線で狙える、―――――――つまり王都が危ない」


ここにきて、いきなり王都滅亡フラグが立ちました。


「もしここが落ちてたら、間違いなく滅亡へのカウントダウンだったわけだね…………」


いらない、そんなフラグいらない! あたし達、召喚されて一週間だよ? 早くない? 早すぎないか!? この展開!!

ドッカに向けて叫びたい!


(もうちょっと考えろよっ!!)


何だか、ごもっともでって聞こえた気がしたけど。今は無視。


「さて、急いで帰らないとね…………翔太達には知らせられるかしら? 式でも飛ばす? んー、どうしよ」


流石にあたし一人で何とかなるレベルじゃないし、連絡は入れたいなー。


「それでしたら、報告用の魔法石がありますので、それをお使い下さい」


「…………おー、そんな便利道具が!」


通信用の魔法石は、拳一つくらいの大きさの丸い緑色の石で、中心に何かの魔方陣が描かれている。薄ら光っているから、ゲームとかの道具に見える。下には土台なのか、金色の葉っぱを模したような金属がついてる。


「どうやって使うの?」


「これは携帯用なので、チャンネルを合わせてから、手に持ちながら魔力を通せば大丈夫です」


「えっと、チャンネルって何処?」


丸い球体と台座しか無いんだけど…………。


「あ、台座を回すんです」


何と球体と台座はクルッと回す事が出来たようです…………。チャンネルは回すと数字が出るので、それを翔太達がいる部隊の所に合わせるだけ。うわお、超便利☆


「後は魔力を流して下されば繋がります」


「了解〜♪」


魔力を流してからしばらく、光の点滅が続くと、四角い画面が宙に現れる。パソコンの画面が宙に浮いてるって言えばいいのかな?相手はどうやら翔太達じゃなくて、管理している誰かみたい。


『はい、こちら青の第三部隊通信管理担当のトーマスです』


「えーと、サキなんですけど近くに勇者はいる?」


『あ、翔太様が近くにおります』


「変わってくれる? 緊急なの」


『分かりました!』


何でか分からないけど、凄い良い笑顔なんだけど、何故?


『おう、何だ?』


「翔太、今どこ?」


『王都に向かう途中だ』


「え、町は?」


『あー、とりあえず馬鹿なロリッ娘魔族がいてな、戦闘になったんだが、何とかなったよ、そんときに気になる事を言っててな、俺はそれで王都に向かってるんだ、お前の方は?』


「ええ、こっちも魔族と戦闘になったわ………怪我人は人にはいないわ、変わりに仲間が増えたわよ」


『は?』


「それは後で言うけど、王都へはあたし達も向かうわ、こっちも気になる事があってさ、急いでほしいんだけど」


『分かった、体長さんに説明して早く帰れるようにするよ』


「お願い」


魔力を切ると、視線が突き刺さる。ズサッと音がするような、そんな迫力満点な位に強い視線を。

一体なに!?


「サキ様、異常な迄に懐かれてませんか? その…………」


皆まで言うな。あたしも先程から気付いてますよ。


「キュウ…」


小さなクリッとした瞳が、ウルウルとあたしを見ている。あたしの足にピッタリとくっついて、離れそうにない。キラキラ輝く美しい控えめなエメラルドの小さな鱗は、弱々しいイメージにピッタリだ。だからかもしれない。

ほっとけない!! 何これ、超可愛い☆☆


『ほう、懐かれたか、この短い時間の中で』


呆れた物言いの親ドラゴンに、ちょっとプチッと来たけど我慢。殺気は子供には流石に負担が大きいだろうし、ね?

それに他の子達も同じようにピトッとくっついてくるんだもん。可愛すぎでしょ! 怒りもドッカに吹っ飛んじゃったよ(笑)


「しかし、この子達をどうやって連れていくかねー」


流石に、一体一体を手で持つのは怖いし、肩に乗せて落としちゃったらもっと大変だし…………。何か籠とかあればいいのに。


「あの、サキ様、宜しければこれをお使い下さい」


目の前には、布が可愛らしく付けられたバスケット。そしてそれを寄越したのは、意外な事にジュビアンさん。

ん!? ジュビアンさん!?


「何でジュビアンさんがこれを!!??」


思わず叫んじゃったじゃない! この方からこんな可愛らしい物を渡されるなんてっ!!


「妹がお弁当の差し入れに来たときがありまして、後で返そうと思っていたんですが、忘れていたんです…………」


あー、妹さんの趣味なのね。どうりで似合わない物を持ってるはずだわ。


「うん、ありがたく使わせて頂きます」


こうしてあたし達一向+αは、王都に向けて出発したのでした。来た時と同じく、あたしは龍に、皆+αは絨毯に乗って。


向かうは王都。美しい街並みを誇るこの国の最大級の都市へ。


お読み頂きまして、ありがとうございますm(__)m


秋月煉です。


今回は説明会となりました。色々と深刻な問題も出てきましたが、無事にすみますでしょうか…………。若干数不安要素がおりますが。


次回は久し振りにキリがいいので、閑話をいれたいと思います。予定では、私は見た!ドラゴンの本音!! 僕は見た!ドラゴンの雛の真実! 的なノリでお送りします。


では本日は、時間がありませんのでこのへんで!


今日はミニ小説はお休みです。毎回すみませんですm(__)m

次回は書けるように頑張ります! なお、たまに活動報告でミニ小説を出しておりますので、もし気になりましたら、読んでみて下さいませ。


では次回、6月25日お昼にお会いしましょう♪


感想・ご意見・誤字脱字・メッセージ、いつでもお待ちしております。なお、甘口でお願いしますね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ