表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/292

閑話 町でのドラゴンフラグ4

本日もありがとうございます(^O^)/

Side:翔太


マジか…………。


「あっれぇ〜? 魔物さん達、倒されちゃったのぉ〜?」


現れたのは、紫色の髪をツインテールにした少女。ヒラヒラした紫色のゴシック服を着て、少女は濃い紫色の日傘をくるくると回しながら、めんどくさそうにキョロキョロと周りを見ている。特筆すべきは宙に浮いている事だろう。

どうやって浮いてるんだ?


「いやーねぇ〜、また呼ばなきゃいけないじゃない、仕事ふえちゃったぁ〜」


ブーッと頬を膨らませる姿は、可愛らしい仕草に見えるが、俺の本能が警鐘を鳴らしている。

こいつ、見たままの強さではない。


「あんた、誰だ?」


自然と俺の声は低くなる。その声に気付いたのか、こちらを見た少女は中々の美少女だった。しかしその顔は汚い物を見るかのように、眉を寄せ、顔が歪んでいる。

………美少女って、どんな表情でも綺麗なんだな。


「…………はぁ? 何でわたくしが人間ごときにぃ、名前を名乗らなければいけないのですぅ?」


本気で分からないというように、怪訝そうな顔までしている。


「翔太様!! そいつは魔族です!」


ブラオさんの叫びで、ようやく繋がった。こいつはこの魔物達の襲撃に裏で関わっている奴だ。


「もぉー! 煩すぎっ! 全くぅ、爵位持ちのわたくしに歯向かうなんてぇ、何て礼儀知らずなのかしらぁ!! サクッと消しちゃいたいわぁ!」


癇癪を起こし、苛立たしそうにじたばたと動く少女は、あろうことかその手に黒い闇の球体を作り始める。


「消しちゃえば、イライラも消えるわよねぇ♪」


こいつどんだけぶっ飛んだ思考回路してんだよっ!?


「全員退避しろっっ!! 優香っ、和磨っ、聖魔法でここいら一体に、結界はれっ!!!」


俺は指示を出しつつ、この物騒な娘を倒すべく、フリーレンを腕輪から大剣に戻す。闇属性は俺も持っているが、あれはそうこう出来る物ではない。俺の勇者の感がそう言っている。

だったら、やることは一つ。


「相殺、させるしかねぇよな……」


残念ながら俺は、光系統の呪文は全て使えない。

だが、実は前の世界の呪文は、光が使える。あちらは属性は重要視されていないために、俺は全ての属性を使えるのだ。

背に腹は替えられない、か…………。

俺は覚悟を決め、左右の手をクロスさせ、あの魔族のはた迷惑娘に向かって、本気で魔力を練り上げる。


「我は乞う 

天を統べる全ての方に

遥かなる悠久の時の中に忘れた

(いにしえ)よりの盟約と約定をもって

今ここに盟約と約定の締結を一時的に乞う

闇は闇へと帰り

光は全ての者への祝福と

全ての者への幸福を乞う

大地に現れし闇を

全ての祝福において払い清め

天へと送り返さん

汝、祝福の時

全ての闇よ 主人の元へ」


呪文詠唱と同時に、翔太の手には光々と輝く光が現れていた。それはさながら太陽のように輝き、闇と対を成すもう一つの神秘的な象徴のようだった。

さあ、これが俺の出来る最高の見せ場だ!!




永久華幻光輝(エターナルレーブフルールシャイン)天鏡(シエルシュピーゲル)!!!』




まさに俺が光を放った瞬間、少女も闇の光線を放った。




『暗影の夜想曲(ダークネス・ノクターン)!!』




二つの相容れぬ光が、空中でせめぎ合う。接する二つの光は、お互いへ向かおうと動き、暴れだす。


「人間ごときが、わたくしに反抗するなんて不愉快ですわっ!!」


「あんたこそ、これで全力なんて呆れるなっ!(笑)」


実際、俺はムネリアで覚えた呪文の中でも、人の限界と言われた破壊級を一人で当たり前に操れる。こちらで神級と呼ばれる呪文とほぼ同じ効果であるのだが、相手は侮っていたようだ。俺は全力を出してないんだからなっ!!


「なっ!? なんなのよっ、あんた!! こんな魔術見た事無い!」


慌てたように力を強めるが、甘い甘い! 砂糖に蜂蜜を混ぜるくらいには甘い!

勿論、俺は油断なんてするつもりはない。油断したが故に、前の世界では色々と大変な思いをしたのだから。


「っざけんじゃないわよ!? 何で人間ごときに押されなきゃいけないのよ!」


癇癪を爆発させたかのように力も強まるが、この呪文よりもやはり弱い。

つまり――――――。




「きゃあああぁぁぁぁぁ――――――っ!!」




俺の余裕勝ち〜☆

魔族の少女は、空中からそのまま落下。地面にべちゃりと落ちる。どうやら、生きてはいるらしい。まさかの、リアル足ピクピクが見れるとは…………。


「どんだけ頑丈なんだよ…………まあ、いいや、あんたさっき、爵位って言ってたけど、魔族には爵位制度があんのか?」


一応、警戒しながら様子を見ると、無傷とはいかないが、動ける程度の傷らしい。魔族って丈夫なんだな。

で、気になった爵位を、聞いてみる。

少女はブルッと震えると、涙目になりながら悔しそうにこちらを睨み付けていた。どうやらトラウマになったらしく、体が震えていた。マジで恐かったらしい。

…………やべ、可愛いかも。

内心、そう思うが顔には出さなかった。


「……そうよ、魔族は実力主義だから、強い奴は爵位を貰うの、わたくしは伯爵を貰ってるのに…………何でっ、何でっ人間に負けなきゃいけないのよぉ―――――っ!!!」


とうとう我慢出来なくなったらしく、エグエグと泣き出してしまった。

ポロポロどころかボロボロ泣き始める少女に、周りは若干引いていた。

確かに、美少女だけあって、これは残念にしか思えない。


「あんたなんかぁ――、魔王様に倒されちゃえばいいんだーぁ!!」


散々罵倒し、また号泣。

あ、何かイラッとしたかも。


と、少女は何かを感じとったのか、またしてもブルッと震える。

やべっ、殺気がもれたかも。


「んー!! どうせ……えぐっ……あんた達が守る城な…んか消えちゃうんだからっ! 公爵様が更地にしてくれるもんっ!」


またビエーンと泣くが、おいおい、今なんつった!?


「まさか、王都に魔族が攻め入るつもりなのか?」


「ひっく……公爵様は強いんだもん! ひっくひっく、………絶対にあんたなんかに負けないもん!」




…………やべぇ、マジで滅亡フラグ立てちまったかも。




「和磨、優香、悪いが直ぐに王都に帰るぞ、ここは囮だ!」


「……えっ? 囮って……」


優香さんは戸惑っているが、今回は本当にヤバい。


「分かった、翔太、引継ぎをして、すぐに帰ろう」


流石、和磨は飲み込みが早いからか、すぐに周りに協力を仰いでいる。

そんな中、泣いている魔族の少女は虚ろな目で、何やらつぶやいていた。


「ひっく、今頃……侯爵様が、ひっく、ガラー山の古代龍(エンシェント・ドラゴン)を……ひっく……退治して、ひっく、エーネルを助けに来てくれるもん、ひっく」


その中で、気になるワードが入っていたためか、ガヤガヤしていた周りが一瞬にして氷つく。


「ガラー山? エンシェント・ドラゴン?」


意味が分からないように、優香がつぶやくが、一番近くにいた俺は気付いてしまった。


咲希の身に危険が迫っている事に―――――。


おいおい、何でフラグがこんなに乱立すっかなぁー!?


どうも、秋月煉です!


本日は何とか翔太君視点で、書けました!

何だか謎の少女が出てきました。どうかな〜、また出るかな?(笑)

本日は忙しいので、この辺りで。


感想、ご意見、誤字脱字、等々いつでもお待ちしております。なお、甘口でお願いしますね。メンタル激弱なので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ