閑話 町でのドラゴンフラグ3
間に合いましたー!!(笑)
今回はそれぞれの視点です。
絶望的な戦況の中で、青の騎士団第五部隊はやっとこさの状態で均衡を保っていた。
隊長であり、この中で一番高い爵位と、有能でありまともな青年であり、必死の思いでここを護っていたアーサーは、起死回生の機会をどうするか、頭をフル回転させていた。
そんな中、ふと、見張りをしていた一人の騎士がある一点を指差した。
「おいっ! 誰かいるぞ!?」
彼らは見た。
この絶望的な戦況の中、剣を高々に掲げ、まるで彼らを鼓舞するように堂々と、名乗りを上げる、この国の希望。神に祝福された勇者の姿を!
「我が名は勇者、ショータ・テンジョウ!!」
「同じくこの国の勇者、カズマ・シラトリ!」
「私はこの国の勇者、ユウカ・カミシロ!」
「この国を救うため、馳せ参じた!! 皆よ! 勇者と共にこの国を守るのだぁぁぁ――――!!」
勇者の声は、風に乗り彼らに力を与えるかのように感じられた。
この日、普段はお荷物扱いの彼らは、奇跡を見たのだ。
◇◇◇◇◇
Side:優香
……………いいのでしょうか。
私は今、戦場のど真ん中、砦から目と鼻の先にて、勇者の名乗りをあげています。
見られています。砦の上から多くの兵士さんが此方を見ています。
は、恥ずかしいです…………。大会の時もここまで恥ずかしくは感じなかったのですが。私、こんなに見られるのは初めてです。緊張しすぎでおかしくなりそうです…………。
隣で平然と名乗りを上げた二人が、凄いと改めて思います。
これから、残りの魔物さん達を討伐です。派手な魔法と言われたのですが、私が知っている派手な呪文は、いくつかありますが、こんな場所ですから、あれで行きたいと思います!
『竜の炎!!』
私は手のひらを天へと向けます。そこからあらわれるのは、炎で出来た巨大な竜。人を飲み込めそうな程の巨大な口を開けて、城へ向かう魔物達への威嚇のように、威勢のいい咆哮を上げます。
因みに、これは火の上級呪文です。
「行きなさいっ!」
私は天へと向けた腕を、振り下ろしました。
大きく口を開けた炎のドラゴンは、次から次へと魔物達を食らいながら、燃やし尽くしていく。
この光景を見て、ふと私は思いました。
私は勇者です。恥ずかしくても、緊張しても、手が震えても、私が勇者で有ることは変わりはないのです。翔太くんがいっていました。ノリと勢いだと。
だったら、私は勇者として、私らしく華を添えさせて頂きます!
◇◇◇◇◇
Side:和磨
隣で困惑気味だった優香さんは、先程、翔太が言った、ノリと勢いという言葉を信じたのか、炎のドラゴンを呼び出していた。もしかしたら優香さん、こういうの好きなのかな?
さて、僕は何を呼び出そうか?
真っ先に思い出した呪文は、僕の知っている中では派手な魔法だけど、周りも巻き込む恐ろしい呪文である。
でも殲滅には持ってこいだし、いいかな?
『神雷の雨!』
両手を前に突き出すように、前へ向ける。
この呪文は雷の上級呪文。それも広範囲に渡り雷が落ち、文字通り殲滅する呪文である。雷一つ一つがとんでもない威力であり、今まさに落ちている魔物達は、弾け飛ぶように次々と倒れていく。
まあ、翔太に比べたら、僕もまだまだかな?
◇◇◇◇◇
Side:翔太
うわー、久しぶりだな。この感じ。
前の世界では、よくやらされていたから、恥ずかしさより懐かしさの方が強いな。
しっかし、恥ずかしがっていた割に、優香さんや、とんでもなくノリノリだよな? 俺達は助かるし、周りの意志も高ぶったのが分かるから結果オーライだろうな。清純派美少女が、自分達を鼓舞し、戦っているのだ。自分達のために!
…………優香さんしか出来ない方法だよなぁ。
優香さんが詠んだあの炎のドラゴンは、次々と魔物達に突っ込み、魔物達を灰へと帰していく。
…………おいおいっ!? 炭を通り越していきなり灰って…………。どんだけ火力高いんだよ!?
哀れ、魔物達は何も出来ずに灰へと帰った。一陣の風が吹くたびに、灰が空へと舞い上がる。こんな光景でなければ、中々に風流な光景だったろうに、まさに今は恐怖以外の何物でもないだろう。
うん、味方で良かった。
そして和磨。
まさに惨劇とは、こう言うものなのだろう。とんでもない威力の雷が、魔物達へと容赦なく降ってくるのだ。更に、触れるとそれだけで弾けとぶなんていう、冗談ぬきに恐ろしい威力だ。
シャレにならん!
和磨はぶっ飛んだ変な考えはしないから安心してたんだが、考え直した方がいいかもしれない。こいつ、キレたら不味いんじゃないか………?
「さて、俺は何にしようか?」
俺の属性は、闇、氷、風、土、無、そしてムネリアで覚えた多様な魔法。まあ、こっちと違ってあっちは属性がほとんど無いために、魔力の強さが重要視されていたからな。属性関係なく、色々と覚えた。
…………何度か死にかけたが、まあ、今は置いておこう。
「やっぱこれかなー」
俺はこっちの魔法は、下級魔法しか覚えていない。俺は時間をかけて覚えるタイプだから、咲希や和磨の様に、一気に暗記タイプではない。後できちんと覚えるが、緊急事態だったから問題なしだ。
さて今現在、俺が使える属性は限られている。間違っても、持っている属性以外の魔法は使う訳にはいかない。それはこの世界には無いものだから、だ。異物は持ち込んではいけないのだ。とはいえ、この世界にあるような呪文なら、問題ないわけで。
「やっぱ、これだよな♪」
と決まれば、話は早い。ムネリアにある呪文の中でも、最上級の呪文の一つ。そしてこれは俺の改良版呪文でもある。
まあ、改良したのは、めっちゃ使いにくいために、俺が勝手に使いやすくしちゃっただけなんだけど(笑) 以外と重宝する呪文なのだ。
「永久氷円舞吹雪・改!!」
右手を天へと向けて振り上げる。あくまでパフォーマンスだから、問題はない。まあ、ようはカッコだけなのだが、今回はこれが重要なので、問題はない!
先程まで雲の無かった空が、一気に曇っていく。そして、辺り一面が猛吹雪に襲われる。この呪文の利点、それは広範囲に渡って攻撃出来る事だな。
この猛吹雪に巻き込まれた魔物達は、あっという間に氷付け。
魔物の彫像一丁上がり☆
……………すまん、調子に乗った。
まあ、魔物退治はこれにて終了だな!
「あっれ〜? 魔物さん達ー、倒されちゃったのー?」
若い娘の声が、殺伐とした戦場にこだまする。
あぁ、何やら胸騒ぎがしてきた。一難去ってまた一難か…………。
どうも〜、秋月煉です☆
今回は如何でしたか? えっ? 分かりにくい?
その点は申し訳ありませんm(__)m
只今、スランプど真ん中、話が出来ないためにこうなりました。
さてお話は、戦闘?になりましたが、一方的な虐殺に見えるのは、はたして気のせいでしょうか? もう頭がいっぱいいっぱいです。しかし優香ちゃん、一番ノリがいいのは秋月自身ビックリなんですがΣ( ̄□ ̄;)
そして和磨くんや、君ちょっと危ないよね!?
翔太はまだ無難………に見えませんね。どこで間違ったかな(笑)?
さてさて、次回に向けてフラグが立ったのですが、どうしましょうか?
えっと今回は、ミニ小説はお休みです。活動報告の方にたまに乗せてるので、良かったら見に来てくださいませ(笑)
感想、ご意見、誤字脱字、リクエスト、いつでもお待ちしております。なお、甘口で下さると嬉しいです♪
次回は4月30日にお会いしましょう!