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閑話 ドワーフの島国へゴー!2

お待たせしました~♪

ヘリオドールさんとテオドールさん、の区別が難しい・・・(笑)

作者なのになぁ。

僕が先に思い悩んでいると、いつの間にか、僕の寝るテントが設置されていた。ユリーさん、ついでにやってくれたみたい。ありがたい。未だに慣れないんだよね、このテントの組み立て。


「ユリーさん、ありがとう、助かったよ」


「いえ、僕は慣れてますから、大丈夫ですよ」


この軍事用のテントは、冒険者の皆が使うような、組み立て式のテントじゃない。最新式の魔方陣が描かれた、特殊なテントだ。

何でも、軍から、楽に設置出来るタイプのテントを、魔術師側に依頼して出来たものらしい。軍や騎士とかにしか、つまり、国の役人しか今は使えない。だって、作ってるのが、国の魔術師達だから。

これ、魔力を通すと、小さな袋が光り、組上がったテントに変わるっていう、凄いもの。開発には、まさかの咲希さんの影がチラチラしていたり・・・。何をしてるの、咲希さん。これを聞いた時は、盛大に呆れちゃったよ。騎士や兵士の皆さんは、めっちゃ喜んでいたみたい。遠征の荷物はやはり、テントが荷物としては嵩張るみたいだからね。荷物に使うマジックバックは、高価な為に、持っている人は少ない。

因みに、僕が苦手な理由は、魔力を吸われる感覚が、慣れないから。何か駄目なんだよね、この感覚。


「・・・もう少し、改良が必要ですね」


ユリーさんは、しっかりデータを取っていた。どうやら今回は、遠征にかこつけてのお試しみたい。そりゃ、ユリーさん、魔術師だから頼まれるよね。僕、今回は本当に知らない事だらけだ。


「カズマ様、すいませんが、テントの数からすると、僕とカズマ様は同じテントみたいです」


「あ、そんなんだ? 分かった、宜しく」


ユリーさんなら、一緒でも大丈夫かな。イビキとかで寝不足は、無いだろうし。


「カズマ、話は終わったかい?」


声がした方を見れば、ニコラス殿下が人懐っこい笑顔で、此方に手を降っていた。勿論、隣には、真面目なヘリオドールさんと、穏やか感じのテオドールさんが付き従っている。


「ニコラス殿下、すいません、終わりました・・・咲希さんから注意事項があって」


「注意って、何かあったの?」


不思議そうに聞いてくるニコラス殿下に、簡単に説明する事にしたんだけど・・・。


「うん・・・何だろう、本当に巻き込まれるね、勇者って」


呆れたように言われたけど、そこに僕は入ってないと思う。いや、思いたい!! 絶対に、咲希さんや翔太の方が巻き込まれてるし!

静かに聞いていたヘリオドールさんが、真剣な顔で口を開く。


「魔霊武器が、我々がこれから行くドワーフの国にも、現れる可能性があるんですね? ならば、警備の面を少し変更しましょう」


「えー? 大丈夫じゃない~? 考えすぎだよー」


此方は軽い口調のテオドールさん。双子なのに、髪と瞳以外、似てないんだよね、この二人。


「・・・今日みたいな戦闘もあるし、警備を見直すのは、いいんじゃないかな?」


取り敢えず、この後は、雑談と夕食を食べて、僕らはお休みしたのだった。



◇◇◇◇◇



次の日。朝日と共に出発するため、地平線が明るくなるくらいに、僕らは起きた。準備を素早く済ませ、昨日と同じように、絨毯で出発する。特に問題もなく、無事にお昼には、船に乗る為の港へ着いたのだった。


「うわぁ、海だ・・・・・よね?」


此方へ来てから初めての海に、思わず感嘆して、そして、不安になって、僕は隣のフランツさんへ確認する。

僕らの世界同様に、広大な海と表せる、素晴らしい景色が見える。そう、そこまではいい。


「すいません、僕も海は初めてで・・・」


ユリーさんも、困惑してた。でも、意外な所から、僕らは答えは教えて貰えた。


「おやおや、お二方は海が初めてでしたか?」


それは、今回の正式な外交官である侯爵様だった。年の頃は、中年ぐらいで、鮮やかな赤髪をしており、少しお腹が目立つものの、頼りがいのある貫禄を感じる方である。


「レーノルド侯爵・・・はい、初めてです」


「この辺りの海は、ドワーフの国の火山の影響を受けて、茶色んですよ、初めて見る方は大抵、ビックリされますなぁ」


と、豪快に笑っていた。成る程、ドワーフの国って、火山の国かぁ。まぁ、ドワーフって確か、武器や貴金属を作るプロってイメージだから、納得かな。


「ここから、魔導船に乗って、三日程で着きますよ」


あ、また知らない単語が出た。


「魔導船、ですか?」


レーノルド侯爵の説明によると、最新式の魔法により、魔石を効率的にエネルギーとして使い、船の推進力としている、らしい。僕が分かったのは、その辺りだった。

つまりは、魔法で走る船だ。


「昔は、一週間もかけて、向かっていたんですよ・・・私も昔は船酔いに苦労しました」


何処か遠くを見ているレーノルド侯爵は、黄昏ているように見える。当時は、大変だったのかもしれない。

そんなレーノルド侯爵様から視線を外し、辺りを見れば、ニコラス殿下も興味津々で、海を見ていた。


「ふーん、ドワーフの国かぁ・・・楽しいといいなぁ」


ニコラス殿下が楽しげに呟いた声が、風に乗って聞こえた気がした。


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